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今日は新国立のジークフリート。
昨年のラインの黄金、ワルキューレに続くキース・ウォーナー・プロダクションの再演。
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2010年2月17日(水)16:00-22:10
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キース・ウォーナー プロダクション
リングサイクル再演
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ワーグナー ジークフリート
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(出てきた順番に)
さすらい人 ユッカ・ラジライネン
ミーメ ヴォルフガンク・シュミット
アルベリヒ ユルゲン・リン
ジークフリート クリスティアン・フランツ
森の小鳥 安井陽子
ファフナー 妻屋秀和
エルダ シモーネ・シュレーダー
ブリュンヒルデ イレーネ・テオリン
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ダン・エッティンガー指揮 東京フィル
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序奏のなんだかごもごもしたなか、舞台下手からヴォータンがちょろっと顔をだす。上手からミーメがちょろっと顔を出す。続いて痛手のアルベリヒが電動車椅子をバックさせながら上手から舞台中央のテーブルに何やら小瓶をおいて再び上手に去る。第1幕で歌うことのないアルベリヒがいきなり出てきたというわけだ。この手の演出はラインゴールドからある。
小瓶には毒汁がはいっていて、第1幕第3場で剣を鍛えるジークフリートに合わせて毒汁をシェイクするミーメ。その毒汁は第2幕まで引き延ばされ結局、ファフナーがごくり。
ジークフリートにぐっさり刺され血なまぐさく残酷なシーン。深い森との対比。第2幕は音楽、演奏ともに出色の出来となった。
あるいは、縫いぐるみをまとった森の小鳥が地面、空中自在に飛び回って、最後この第2幕第3場エンディングで、縫いぐるみを脱いでストリップ(風)になり舞台奥手に去る。それを一瞬怖そうに呆然と見守るジークフリート。第3幕第3場への布石、怖れの認識への布石になっている。
第2幕にいきなりあらわれるモーテル二部屋。ヴォータン、アルベリヒ、ミーメがいれかわり立ち代り、なぜVACANCYなのかよくわからなかったりするが、神は見えない?
このモーテルも第3幕まで引き延ばされる。森の中、森林浴のあとの部屋なのかぁ。
わかることわからないこと、いずれにしてもこのように演出に手が込んでいる。
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こんなこと、また小道具の多用、演技の表情、テレビモニターに映された内容、あるとあらゆる細かいところが、最前列に座ってみるとほぼ座った状態で棒を振りたまに腕が見えたりするエッティンガーの垣間から非常によく観え理解できるものとなる。
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第1幕第3場の音楽運動、人間技とは思えないようなジークフリートの絶唱、録音だけだとそう聴こえてやまない個所だが、テキストをみると、この席から観ると、実はジークフリートはそんなに長々と歌っているわけではない。要所に歌があらわれるだけだ。
つまるところ、このシーンはオーケストラの咆哮が歌のように響いているのだ。雄弁な音楽というしかない。
3拍子から4拍子へ転換、音楽運動が過熱してくる。そして見惚れているだけではだめだ。エッティンガーの急き立てる、駆り立てる棒は圧倒的で、ジークフリートの剣を鍛える音は完全に後れる、つ