イギリスのフィルハーモニア管弦楽団の来日はこのとき2回目。1回目は1970年、このときはニュー・フィルハーモニアという名称になっていた。
来日の前年1977年にもとのフィルハーモニアに名称を戻している。
日本では10回の公演を行った。
一番アカデミックな感じの国から来たオーケストラであるはずなのに、初めて外国人に接したときのような、ビートルズを初めて生で観たときのような(みたことはないが)、やっぱり妙に垢抜けした外国人集団で、彼らの一挙手一投足がなんだかとても新鮮に見え、今までにない気持ちになったことをよく覚えている。
1978年
11.19NHKホール◎
11.20NHKホール
11.22北海道厚生年金会館
11.23宮城県民会館
11.25名古屋市民会館
11.27大阪厚生年金会館
11.28松山市民会館
11.29倉敷市民会館
11.30広島郵便貯金会館ホール
12.1熊本市民会館
◎は河童潜入
それでは初日の演奏会メモから。
1978年11月19日(日)6:00pm NHKホール
君が代
イギリス国歌
マクスウェル・デーヴィス ジョン・タヴァナーの「イン・ノミネ」による幻想曲第1番
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン、ピエール・アモアイヤル
ブラームス 交響曲第2番
(アンコール)
ヒメネス 「アロンソの結婚式」間奏曲
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮
フィルハーモニア管弦楽団
逆な聴き方かもしれないが、フィルハーモニア管弦楽団の音がレコードの音と同じでうれしかった。弦の細くきれいな音、バランスのとれた木管、そして地底から湧き出るような金管群。
アモアイヤルのヴァイオリンは音が非常に細くきれいであり、まるで女性のようであった。リズム感をあまり強調せず、ほとんど流れるように歌い切る。それほどの技巧派ではない。
ブルゴスの指揮は、一昔前の指揮者をみているみたいだ。だからブラームスはブラームスらしくてよかった。もう少し起伏があってめりはりのきいた指揮ならもっと良かったはずだが。
イギリスは陽気だ。ジョーク。
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といったメモ。最後の行が意味不明だが、なんとなく初めて見る種の外国人のような気がしてそこらあたりしぐさからなにからよく見ていたのかもしれない。
おわり