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高額SACDのMTTマーラーサイクルでしたが、再発の嘆きの歌も含め完結。最後はこの8番でした。
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マーラー 交響曲第8番
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MTT指揮
サンフランシスコ交響楽団・他
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最初から最後まで同じ節が鳴っているような8番ですけど、第2部中間部の
「触れることができないあなたにも」
フィナーレの大団円を見事にピアニシモで先取りしたマーラー一流の表現を、MTTが滴るような音のしずくに変え、超スローのピアニシモで感動的に歌い切ったオーケストラ、指揮者、このデリカシーはなにものにもかえがたい、あきらかMTTが到達したマーラー。圧倒的境地。必聴。
さらにそのフィナーレでは途中で終わってしまったのではないかと思わせるようなパウゼを大胆に呼吸の区切りとし、さらに上の天上を目指すかのようなピュアな縁取り。
マイケル・ティルソン・トーマスと一体化したオーケストラのあまりにも充実したサウンド。素晴らしいの一言に尽きる。
合唱は、オーケストラのような息づかいとなり、区切って区切って溜めて溜める。困難な局面をオーケストラとともに乗り切る。歌もオーケストラの響きとなり、ブラスが宇宙に咆哮。
おみごと。