河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

ニューヨーク・フィルハーモニック with フルトヴェングラー

2006-08-31 00:01:00 | 音楽

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1925年フルトヴェングラーはアメリカ・デビューをはたした。

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192513()20:30カーネギー・ホール

シュトラウス ドン・ファン

ハイドン チェロ・コンチェルトop.101

  パブロ・カザルス、チェロ

ブラームス 交響曲第1

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮

ニューヨーク・フィルハーモニック

静かな悪友S「初物の指揮者だな。」

河童「そうだ。ニキッシュのあとを襲った油の乗り切った38才の働き盛りだな。」

S「ずいぶんと身長があるね。」

河童「そうだね。クレンペラーまではとどかないが、バトンの細さがよく似合う。始まるぜ。」

S「なんかクネクネして操り人形のような指揮だな。音のいりもよくわからないし。」

河童「ニキッシュは魔法の目。フルトヴェングラーは魔法の棒。」

S「なるほど。プレーヤーにはよくわかるんだね。きっと。」

河童「そうゆうことだ。例えばアインザッツの頭は、四分音符でいうと4分の1ぐらいのところに力点があって、そこに全員の音が一斉に集中する。というかこらえきれなくなって音を出すところがそこらあたりになる。自然と集中度の高い音になる。縦を合わせると言うよりもアインザッツが岩の塊のように束になって出てくる。それもこれも魔法の棒のおかげさ。」

S「そうか。でも棒は縦に動くと言うよりも横に動く感じだな。横に細かく動かしながら上げ下げしてるね。あの震えは16分音符を全部振っているのかな。」

河童「んー。それはどうかな。ちょっとまねしてみたことがあるけど腕の震えがとまらなくなって困ったことがあった。」

S「棒振りは指揮者にまかせとけ、っていったのは誰だっけ。」

河童「まぁ、ドン・ファンは小手調べだな。本当はティルを聴きたかった。ここらへん、オケともども朝バーガーキング前といったところだね。」

S「あすこのハンバーガー最近、味が落ちてる。」

河童「次はカザルスが出てくるぜ。」

S「見た目、わりと若いな。」

河童「指揮者より10才上なだけだからまだ50前だ。」

S「なんだか、長生きしそうな顔してるなぁ。」

河童「いたって普通の演奏だったな。途中ちょっとダブルアールの地下鉄がたまに騒々しくなるのが気になったけど。」

S「指揮者ちょっと遠慮気味か。」

河童「そうだね。この指揮者、コンチェルトでも独奏者を自分の技にはめてしまうらしくて、困る人は困るみたいだけど、カザルスは年長者だし遠慮があったのかもね。ちょっとかみ合わないところありだな。」

S「後半はブラ1だ。」

河童「今日は自分の構想をオケに埋め込む日みたいなものだから、特にニューヨーク・フィルはルーチン・ワークがらみの演奏になると思うよ。」

S「楽しみだな。」

河童「今回の客演ではハルサイも振るので、今日のところはじっくり聴いてあげようではないか。」

S「おぉ、出てきた。よし聴く準備。」

河童「大丈夫だよ、あわてなくても。指揮はせわしないけど、誰かさんみたいにポーディアムに上がった瞬間に振り始める、といった見栄え的なところは皆無だから。最初の音は余裕をもって鳴るよ。」

S「そうか。」

河童「さすがに盛り上がったね。フィナーレの第9的な盛り上がりもいいけど、今夜の頂点は第2楽章の、静けさやホールにしみいるオケの音、っていう感じで素晴らしかった。」

S「ミー・イーザー。全面賛成。」

河童「やはりただものではないな、この指揮者。明日はBAMで同じプログラムをやる。今日よりはこなれてくると思うので、一緒に行くか。」

S「ライ。」

S「ところでこのオケと指揮者の組合せ、今後どうなっていくと思う。」

河童「そうだな。まず、今回の1924-25シーズンは成功裏に終わるだろうね。それで、次の1925-26シーズンも招かれるよ。その次の1926-27もくる。今回は一ヶ月ほどの滞在が予定されているけど、次回は2ヶ月ぐらいのロング・ステイになるんじゃないか。」

S「お河童さんの予言はよくあたるからな。それでオケのほうはどうかな。」

河童「オケのほうは前任者のヨゼフ・ストランスキーがご卒業なされ、今はウィレム・メンゲルベルクが常任だが、彼は1930年頃までは続けるよ。そのあとは、あのトスカニーニがたぶん5,6年常任するんじゃないか。そのあとは混乱していきそうな感じだけど、大穴でジョン・バルビローリなんてぇのはどうかな。」

S「おぼえとくよ。」

河童「さて今日のところは帰るか。この指揮者、ベルリン・フィルとニューヨーク・フィルとどっちが好きかな。」

S「たぶんニューヨーク・フィルの方が自己表現をしやすいのかもしれない。」

河童「でも、彼は自国と自国の音楽があるところから決して離れることは出来ないし、もし戦争などが勃発して戦渦に見舞われてもとどまると思うよ。」

S「そうか。不幸な戦争がおこらないよう祈ろう。」

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