韓国釜山で開催されている世界卓球の女子団体戦。日本は決勝に進出して王者中国と対戦しました。勝てば1971年名古屋大会以来53年ぶりの金メダル。第1試合は15歳の張本美和が中国ナンバー1の孫と対戦しましたが0-3のストレート負け。しかし第2試合で日本のエース早田ひなが東京五輪金メダルの陳を3-1で下してタイに持ち込みます。早田の成長を見せつけるナイスゲームでした。
白眉は第3試合の平野美宇。中国のナンバー3の王を相手に3-0のストレートで勝利しました。ゾーンに入った時の平野の強さは相変わらず健在で、これで2勝1敗とリード。後はエース対決で早田が孫に勝つだけだとテレビ前での観戦にも力が入ったのですが、残念ながらやはり孫は強く、早田は1ゲームを取るのがやっとでした。そして金メダルがかかった第5試合でも張本が陳を相手に1ゲームを先取して期待を高めてくれましたが、そこから3ゲーム連取されてジ・エンドとなりました。惜しい敗戦ではありましたが、やはり中国の壁は高いことを改めて見せつけられた思いです。
これで日本は5大会連続の銀メダルで、中国が6大会連続金メダル。2強と言えば聞こえは良いですが、彼我の差は埋まってきているとは言え、まだ勝ち切るところまでは到達していないかという印象です。団体戦ではやはり層の厚さがモノを言います。世界ランクの上位3人を並べられる中国に対して、日本は黄金世代の早田、平野、伊藤に加えて、さらに張本ら若い選手が出てきて厚みを増したのですが、パリ五輪までにはもうひと伸びが欲しいという感じです。早田が絶対的エースとしてもう一段階成長するか、張本が平野や伊藤を超えるところまでレベルを上げるか。
多分まだ伸びるのは張本でしょう。今日の経験はきっと大きな財産となったはずですから、これを糧に残り半年弱でさらなるレベルアップを達成して欲しいところです。中国と差はありますが、今でもこれだけ接戦に持ち込めるのですから、パリでは決して勝てない相手でもないと思います。