僕はいろいろな趣味を嗜んでいますが、ゲームも若い頃はかなりやり込んでいました。まだ高校生の頃に「ブロック崩し」が登場し、大学受験の年に「スペースインベーダー」が大流行。辛うじて受験が終わるまでは手を出さずに乗り切り、受験が終わった帰り道で喫茶店に入ってインベーダーを始めました。そのままゲーム猿と化して、大学生の間は授業をサボってはゲーム機が置いてある喫茶店やボーリング場などに入り浸って、「パックマン」やら「ドンキーコング」やら「クレージークライマー」やらをやり込んでいました。
入社した頃には「ゼビウス」が流行し始めていました。新入社員の研修期間に腕を上げて、配属された頃には若手の先輩社員よりも圧倒的に上手くなっていたのでゲーム好きの先輩たちから一目置かれ、その後はずっとゲームセンターで子どもたちが見守る中、ゼビウスの腕前を披露していました。そして結婚する頃にはファミコンが広まり始め、新婚なのに平日でも明け方まで「ドラゴンクエスト」や「ゼルダの伝説」をプレイしていました。ディスクシステムの「ゴルフJAPANコース」は全国順位を上げることに熱中したものです。その後はパソコンで「信長の野望」「大航海時代」などのコーエー作品にのめり込み、今から思えば18歳から35歳くらいまで、ずっとゲーム漬けの毎日だったと思います。
学生時代に100円玉を積み上げてゲームしていた頃は、バイトはゲーム代とボーリング代を稼ぐためにしていたようなものでしたが、ファミコン以降はなんて安上がりな娯楽だと感心していました。平日でも数時間、休日はもっとゲームしていたのですから時間当たり単価は驚くほど安かったです。そんなゲーム廃人直前状態だったのに、ゲームから離れ始めたのは、ひとつは年齢による体力と視力の衰えによりゲーム三昧では生活や仕事に支障が出始めたから、もうひとつは25歳から主宰していたサークルが大きく発展して、テニスに本気になったからです。ゲーマーとテニスは両立が難しいです。
その後はテニス中心の生活に徐々に切り替わり、ゲームからはかなり遠ざかって今に至るわけです。テニスもゲーム並みに時間単価が安い趣味で、しかもゲームよりも健康的だし、家族の受けも良いし、仲間も増えるし、女性からの好感度も高いとメリットだらけ。この10数年の趣味になっている音楽演奏も同様に各方面に受けは良いのですが、何よりお金がかかるのが難点です。ただお金はかかっても、ゲームに比べたら得るものが多いことは確かなので、単にコスパだけでは比べられません。
今はスマホのアプリで手軽に無料でゲームができる時代なので、今でもちょっと面白いゲームを見つけると2週間くらいは熱中してしまいます。ただし「無課金」だけは頑なに守っているので、半月もすると進行に限界を感じてやめてしまうことがほとんどです。無課金なので安上がりと言えばこれほど安上がりな遊びもなかなかありませんが、時間を食うのがこの年齢になると逆に気になります。無限に時間があるように思っていた若い頃と比べて、今は残り時間が少なくなってきているので、お金よりもむしろ時間の方が大事だと感じています。安上がりに時間を消費するゲームは、見方を変えると60代なのに時間を無駄遣いしていて、かなり高くついているのかも知れません。