今月から定額減税が始まっています。複雑怪奇な仕組みになっているのは、6月解散7月総選挙を目指す岸田首相が減税したとアピールするためだと言われていますが、これだけわかりにくいとあまりアピールにはなっていません。いつ、どれだけ減税されるのか判然としないので、少し手取りが増えたかなくらいにしか感じない人がほとんどでしょう。どうせバラマキをするならわかりやすい給付にすれば良かったのに、「増税メガネ」払拭のために減税にこだわって失敗したんじゃないかと思います。
東京都でも住民税非課税世帯などに対して1万円分の商品券や電子ポイントなどを支給するそうです。物価高騰の支援策という名目ですが、このタイミングで行うのは都知事選に向けて小池知事のバラマキ施策であることは見え見えです。悪く言えば都民の税金で選挙の買収をしているようなもので、それだけ今回の都知事選では蓮舫を小池は恐れているということでしょう。
選挙前にアメをばら撒いて、選挙が終われば増税などのムチをふるうという振る舞いは今の日本の政治家の「通常運転」になってしまっている感はありますが、それにしてもこれだけ見え透いた手口でも、一定の票は取れるという思惑があるからこそやっているのでしょう。よく日本の政治のレベルの低さを嘆く論調がありますが、それを良しとしている国民が多数であるからこそ成立しているのです。
ただ僕が見ている限り、今の自民党に対する風当たりは、さすがに近年にないほどの強さに感じます。野党が与党に対抗できるような連合を組んだり新党を作って波を起こしたわけでもないのに、自民党に対する批判票がうねりになって大きさを増しています。本来なら自民党が強い地域なのに、選挙で負け続けていることからも、そのうねりはハッキリとわかります。「自民党にお灸を据えたい」と感じている自民支持者がとても多いのでしょう。
立ち位置が難しいのは維新と国民です。勝ち馬に乗りたくて「ゆ党」戦略を取っている両党ですが、自分たちがキャスティングボートを握るような「おいしい」選挙結果になれば良いですが、中途半端なことをしていると逆に消滅の危機にもなりかねません。まあこの両党は所詮は「第2自民党」と「第3自民党」に過ぎないので、無くなっても困りません。それより「立憲共産党」と揶揄されるとすぐに腰砕けになる立憲にもう少ししっかりして欲しいです。自民党がこれだけモラルが低下しているのも、野党第一党の不甲斐なさのせいですから。