飯島忠夫/西川忠幸校訂『日本水土考・水土解弁・増補 華夷通商考』(岩波文庫 1944年8月第1刷 1988年11月第2刷)所収。同書61-194頁。
巻1-2。中国部分。
江蘇・安徽省を合せて南京省としてある。つまり明代から清初にかけて(1667年まで)の南直隷の行政地理的区分のままということだ。湖北・湖南省も、「湖広省」と、明代および清初のまま(1664年まで)になっている。
チベット・新疆は中国(清)の領域内に含まれていない。添付「中華十五省之略図」においても同じ。
地名で日本漢字音に加え中国音を片仮名表記してある箇処があるが、今日の普通話ならjの音になる所をkで示してある。浙江を「チエツキヤン」など。
巻3-5。「外国」「外夷」部分
巻3。朝鮮(てうせん)・琉球(りうきう)・太寃(たいわん)、東京(トンキン)・交趾(カウチ)と、琉球が、李朝朝鮮・台湾・黎朝ベトナム)・交趾(現在のベトナム中部・広南阮氏領域)と並んで「外国」として挙げられている。
同巻、冒頭、「外国」と「外夷」の定義と区別とが為されている。前者は「唐土の外(ほか)なりと云ども、中華の命に従ひ、中華の文字を用ひ、三教〔儒仏道〕通達の地」であり、後者はその基準を満たさない残りの地球上の国と地域であるとされている。つまり「外国」として分類された五カ国のあとは全5巻の最後まで、すべて「外夷」の項となる。
添付「地球万国覧之図」には、オーストラリア大陸が存在しないことを除き、南北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、南極にいたるまでが表示されている(中央を赤道が通っている)。当然ながらそれら各所に存在する国/地域についても列挙・紹介されている。
なお巻3「朝鮮」条に、「〔朝鮮の〕官人対馬へ隔年に出仕すと云」とある。
巻1-2。中国部分。
江蘇・安徽省を合せて南京省としてある。つまり明代から清初にかけて(1667年まで)の南直隷の行政地理的区分のままということだ。湖北・湖南省も、「湖広省」と、明代および清初のまま(1664年まで)になっている。
チベット・新疆は中国(清)の領域内に含まれていない。添付「中華十五省之略図」においても同じ。
地名で日本漢字音に加え中国音を片仮名表記してある箇処があるが、今日の普通話ならjの音になる所をkで示してある。浙江を「チエツキヤン」など。
巻3-5。「外国」「外夷」部分
巻3。朝鮮(てうせん)・琉球(りうきう)・太寃(たいわん)、東京(トンキン)・交趾(カウチ)と、琉球が、李朝朝鮮・台湾・黎朝ベトナム)・交趾(現在のベトナム中部・広南阮氏領域)と並んで「外国」として挙げられている。
同巻、冒頭、「外国」と「外夷」の定義と区別とが為されている。前者は「唐土の外(ほか)なりと云ども、中華の命に従ひ、中華の文字を用ひ、三教〔儒仏道〕通達の地」であり、後者はその基準を満たさない残りの地球上の国と地域であるとされている。つまり「外国」として分類された五カ国のあとは全5巻の最後まで、すべて「外夷」の項となる。
添付「地球万国覧之図」には、オーストラリア大陸が存在しないことを除き、南北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、南極にいたるまでが表示されている(中央を赤道が通っている)。当然ながらそれら各所に存在する国/地域についても列挙・紹介されている。
なお巻3「朝鮮」条に、「〔朝鮮の〕官人対馬へ隔年に出仕すと云」とある。