書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

高橋善七 『お雇い外国人』 7 「通信」

2007年11月12日 | 日本史
 第6巻、高橋邦太郎「軍事」に引き続き、フランソア・ベルニー(フランソワ・レオンス・ヴェルニー)に関して言及(灯台建設)あり。
 「尚土蔵付き売家の名誉を残すべし」と滅亡間近の幕府をして横須賀製鉄所を建設せしめた小栗忠順と、その土蔵を差配して幕末維新の騒乱時にも無事に守り通して新政府へ引き渡したうえ、実に明治9年まで黙々と日々の仕事をこなし続けたベルニーと、どちらが偉いと問うのは愚問か。

(鹿島出版会 1979年5月第2刷)