書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

柴田正蔵 「会津藩の教学から 『什』と『家訓』について」

2018年06月11日 | 日本史
 『北方風土』38、1999年5月掲載、同誌18-22頁。

 子供の時にNHK『日本史探訪』の白虎隊の回で、有名な什の「お話」の「ならぬことはなりませぬ」(第八条)を見て、「おまえたちは何も考えるな、黙って大人の言うことを聞いていればよい」の教えかと、以来腹を立ててきたのだが、こうして全文をあらためて読んでみると、前の七条の「なりませぬ」を最後に強調する目的で置かれていただけではないかという気もする。そしてその前七条は、倫理項目として、それ自体価値ありとして首肯できる(もしくは理解できる)ものがほとんどである。