書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

フリードリッヒ・ニーチェ著 塩屋竹男訳 『悲劇の誕生 ニーチェ全集〈2〉』

2017年02月22日 | 哲学
 訳注ありて原注なし。いきなり定義もなしに 「アポロン的なるもの」と「ディオニュソス的なるもの」 の二分法が出てくるのだが、定義はおいおい(きれぎれに、だらだらと)なされるとしても、ギリシア悲劇がなぜこの二分法で捉えられるのかの説明がない。たしかに、自論開陳のためのたんなるダシですな。

(筑摩書房 1993年11月)