書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

悲劇 - Wikipedia

2017年02月21日 | 哲学
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%B2%E5%8A%87

 単なるハッピーエンドに終わらない劇という以外、悲劇の厳密な定義はない。また同じ戯曲・演劇でも、時代・社会状況や、読む者・演じる者・観る者の主観によって、それが悲劇となるかそうではなくなるかが大きく異なってくる。19世紀ロシアの劇作家チェーホフは、自身の戯曲『桜の園』を喜劇であると言った。同戯曲は、凡庸な貴族が土地を失っていく様が筋の中心となっている。それを演出した同時代の演出家スタニスラフスキーは、近代化の波に飲まれていく旧来の人間の姿を同戯曲中に見いだし、悲劇として扱った。そして近代演劇史上に残る成果を残した。 (「概要」 下線は引用者)

 30数年前に外大語劇で『桜の園』のヤーシャを演じて以来、なぜチェーホフは同作を“喜劇”と名付けたのかと、疑問に思っていた。(彼のこの種の自作の性格付けに関しての不可解さは他にもある。)このたび別の仕事・学問上の作業にかこつけて、些か真面目に考えてみたいと思っている。このウィキペディアのこの説明は、それについては実質何も語ってはいない。