書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「『自由のある場所が故郷』 中国の人権活動家が出国」

2012年01月12日 | その他
▲「asahi.com」2012年1月12日21時3分。
 〈http://www.asahi.com/international/update/0112/TKY201201120492.html

 「自由のある場所が自分の故郷だ」――。中国の人権活動家で作家の余傑氏(38)が11日、こう言い残して中国を出国した。余氏は一昨年、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波(リウ・シアオポー)氏との関係を問われて一時拘束された。中国の言論環境に絶望しての出国のようだ。

 この人が日本へ来たときに一度会ったことがある。
 「宦官中国」は現代中国の問題をえぐった記念碑的な文章だと思うが、しかしその他の論説で見られるこの人の思想と、私は、考え方を異にするところがあり、また、人権つまり反体制活動家として反日を梃子にする戦術は好きではなかった。ただし中国にこれまで踏みとどまっていたことには敬意を表する。

「安冨歩氏の知らないリスク・コミュニケーション*」

2012年01月12日 | 社会科学
▲「池田信夫 Blog Part 2」2012年01月12日 00:24。
 〈http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51767689.html

 ・・・などという話を安冨氏にしても無駄だろう。科学的データで語ることを拒否しているのだから、そもそも対話の成立する土俵がない。彼のいう「東大話法」なるものは、自分と意見の違う人に「原子力を推進する人」などと嘘のレッテルを貼る党派的レトリックに過ぎない。

 つまり日本でこれでは、中国・韓国・北朝鮮の大方の人とは、対話は成立しないということだ。彼らにできるのは「自分と意見の違う人に」「嘘のレッテルを貼る」こと、そしてそういう「党派的レトリック」を駆使することにすぎない。ものを自前で考える能力を培わせない文化であり体制なのだから、当然である。
 しかしそんななか、例外的な radical thinking を行う中国人と真摯な対話をする稀有の機会がもてた私は幸福だったということだろう。いまは、できれば韓国・北朝鮮の同種の例外的な人とも同じ機会がもてればと願っている。
 

「中国『今年、清史工程を終了』」

2012年01月12日 | 地域研究
▲「東亜日報」JANUARY 12, 2012 03:00。
 〈http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012011261288

 清の末期ちかく(19世紀80年代)まで、清の官僚は藩部と属国(朝貢国)の区別を基本的につけていなかった。とくに三大朝貢国の朝鮮・ベトナム・琉球についてそうである。西洋列強の侵略に晒されて、清の“くにのかたち”上、絶対に失うことのできない新疆・チベット・モンゴルだけは守ろうと、そこを内地とし、あとは属国として、版図から切り離した。
 いま高句麗を中国の地方政権としているのは、つまりこの清末に切り離した朝貢国三国を清朝(中国)の版図としてとらえ直そうとしているのだと、私は思っている。
 ちなみに朝貢国三国のうち、地位(たとえば冊封される国王の品階および冊封使として派遣される清朝官僚の品階)は、朝鮮がもっとも高かった〈ベトナムと琉球はその下でほぼ同格)。つまり朝鮮を自国領土と見なすということは、ベトナムと琉球(沖縄)は当然ながら自国領土であるということになる。ベトナムについては、あまりおおっぴらに言うと、どんなしっぺ返しをくらうかわからないから(なにせ何度もいくさでは負けている、外交的にもしたかかだ)、慎重だが、沖縄に対しては、一部のお先走りというかイチビリの御用学者とモブを使って、中国の領土だと再三言わせている。

「<レコチャ広場>米国とは大違い!こんな歴史の勉強をさせられ、中国の子供たちは可哀そう―中国」

2012年01月12日 | 地域研究
▲「レコードチャイナ」2012年1月12日 11時41分、翻訳・編集/本郷。
 〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=57791&type=〉 

 それはみんな基本のところで馬鹿になる。物事のもとを考えず――党と国家が「これはこうだ」と決めてしまい、一切の反論を許さないから――、末葉の部分の変更だけ、あるいは裏を掻くことだけを考えるようになる。それは利口もしくは狡い(clever, sly)のであって、賢い(wise)のではない。むろん知的(intellectuial)なぞではない。

「中国人の道徳心は健在、『道徳の堕落は社会主義ではない』―中国共産党中央宣伝部」

2012年01月12日 | 地域研究
▲「レコードチャイナ」2012年1月12日 10時29分、翻訳・編集/NN。(部分)
 〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=57758&type=

 党の第17期中央委員会第6回全体会議(六中全会)では、「社会主義の核心的価値体系」が提起された。物質文明と精神文明の絶え間ない進歩こそが中国の特色ある社会主義の本質的な特徴だとした上で、「物質的な貧乏は社会主義ではない、精神的な空虚も社会主義ではない」と強調された。当然、「道徳の堕落」はさらに社会主義ではないといえる。

 党がこう言っているから現実もこうあるべきだという発想の馬鹿さかげんよ。党(と国家)がこうだと決めたら何でもそのとおりになるのか。そのへんが未開だというのである。そもそも道徳、人の心のありようまでまでお上が決めるというのがすべての停滞と頽廃の元凶であることがどうしてわからないのか。