くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「たぶん、出会わなければよかった 嘘つきな君に」

2018-03-26 05:24:07 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 あー、わたしにはこの落ちは理解できませんでした。
 好きな女の子の復讐を阻止するためにどうします?
 結局失敗してるし。第一章途中で奈々の正体は予測できます。
 佐藤青南好きなんですが、何だか違和感を覚えるのは、原案があるからでしょうか。
 佑子の境界性人格が読みどころだと思えばよいかもしれません。

 ネット検索すると、アマゾンでは高評価だし、TSUTAYAでは原案を担当した書店員の方が現場の意見を取り入れた自信作というアピールをされています。
 でも、これ、おもしろいの?
 
 司法試験合格を念頭に、公洋が働いている事務所はワンマン所長の暴言が厳しいブラックな職場。
 友人とのみにいった店で、女子大生の奈々と知り合います。
 デートの約束をした日、友人と現れた奈々は、同僚も誘って飲むことを提案。その中に峰岸佑子がふくまれていました。
 佑子は公洋に親しげな態度をみせるようになりますが、彼の心は奈々に引かれていきます。
 佑子が意図的に公洋の足をすくい、事務所をクビになったというのに、彼女は平然と映画に誘ってくるのです。
 「たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に」(祥伝社文庫)というタイトルなんですが、「嘘つきな君」というのは奈々のこと? 「たぶん」もよくわからない。
 出会わなければ、殺されずに済みますかね?
 同僚ですし、奈々がいてもいなくとも同じような罠は待っていたと思うのです。
 佑子を手にかけようとしなくて済んだ?
 普通、こういう理由で自分が人を殺そうと思いますか? 
 疑問は次々浮かびますが、最も腑に落ちないのは、奈々が公洋に引かれていたという割にはけろっとしていること。
 なんか、全体的に後悔がない感じです。
 現場が求める売りって、どういうことなのでしょう。どんでん返し? 一気読み必至のラブストーリーとか純愛とかいってますが、これが純愛だとはとても思えない。
 佐藤青南の魅力はちょっとした意地の悪さと、それでも残るあたたかさだと思うので、不完全燃焼ぎみです……。