くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「十五歳の課外授業」白河三兎

2016-06-22 05:53:35 | 文芸・エンターテイメント
 この学校の先生方、生徒指導大変そうだな……と思ってしまうわたし。ラストシーンも不登校だの集団無視だの授業中携帯握り締めてると思ったら飛び出していくし。うーん、卓郎がこんな奇怪な行動していたら、歯科医院潰れるんじゃないでしょうか。
 白河三兎「十五歳の課外授業」(集英社文庫)。わたしには純粋には読めませんでした。
 学校一の人気者ユーカと付き合っている卓郎は、教育実習にきた垢抜けない女子大生辻薫子が、昔よく家にきていた「かおるお姉ちゃん」であることに気づきます。
 薫子に憧れる友人「ヨッシー」を応援しようと、同級生オンダの非常識な取引に乗ることにするのですが……。

 思春期のせいなんでしょうか、登場人物全員へんです。(ちょっと遠慮してひらがなにしてみました)
 エキセントリックな作家に肩入れして、ヒロインまがいの行動をとるユーカ。マザコンのヨッシー。卓郎を連れて香川にうどんを食べに行く薫子。大人もなんだか共感できない。
 姉の絢音くらいかな、許せるのは。
 相撲で名を馳せて番長と呼ばれちゃうのとか。十七歳の誕生日に家出しちゃうとか。ユニーク過ぎて反対に許せます。

 歯並びのいい女性をネット検索するうちに、卓郎は薫子が水商売をしていることを知ってしまいます。
 そこからまたどろどろの展開になっていくのですが、うん、自分探しについて考えるあたりは納得できました。
 でも、歯医者は絢音が継いだ方がいいんじゃないかな。