『デジタル・タトゥー』(河瀬季著 自由国民社)を読みました。
インターネット上で誹謗中傷された時、刺青(タトゥ)のようにぐさっと残る書き込みは果たして消すことができるのだろうか?
この難題を、ITに強い弁護士を自認する著者がいくつかの事例を元に解説してくれた。すべてがフィクションと但し書きがありましたが、そうとは思えない論理展開でした。
弁護士バッチの威力も大したもの。「ITのスキルと弁護士資格」でニセ記事を削除させる。すべて匿名の世界では、不良投稿者を割り出すことは難しいと思ってあきらめている人には朗報です。
フリーで作れるメールアドレスでもIPアドレスは割り振られる。サーバーはその投稿者のIPアドレスは知っている・・。
またサイト管理者の「利用規約」もダテではない。
匿名社会のように見えるネットの世界であっても逆探知は不可能ではないのですね。かなり絞り込み接近できる。利用者にとってネットはタダではないし「名無し」で通し切れるものではありません。私たちがネットに繋がったその瞬間から個人情報が姿形を変えて流れますが、それらは長くデジタル・タトゥーのように記録として彫り込まれ残ります。
表面上は、氏名を伏せて匿名で交信しているつもりでも何か大きな事態に及んだときに特定される。反対に風評被害に遭ったその時はITに強い弁護士さんに登場してもらおう。
万事それでよいと思う。今後何か起きたらどう対処したらよいか、弁護士の活用方法などを知ることができ面白い本でした。
【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
デジタル・タトゥー──インターネット誹謗中傷・風評被害事件ファイル | |
河瀬 季 著(弁護士) | |
自由国民社 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます