ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

期待以上の映画『お菓子放浪記』

2011年08月27日 | 映画・芸能

「大人たちが勝手に始めた戦争なんかで死んでたまるか!」

「大人たちが勝手にばらまいた放射能なんかで死んでたまるか!」

昭和の敗戦、そして平成、第二の敗戦。いつの時代も犠牲になるのは子供たち。

この映画、題名からしてお菓子にちなんだ甘い物語かと思い、それほど期待はしていなかった。失礼ながら居眠り覚悟で上映会場の大泉町文化むらに向かった。

良い映画でした!!映画『エクレール・お菓子放浪記』。

ここまで社会性のある反戦、福祉映画だとは思いませんでした。期待以上でした。上映の構成団体が社会福祉協議会、民生児童協、保護司会、更生保護女性会などの活動中の福祉団体であることがうなずけます。

映画は宮城県石巻市を中心に昨年末、ロケが完了。今年3月の大震災では、エキストラで出演された地元の方々の命も多数奪われた。銀幕の中で映し出された美しい自然の風景、建物は今は姿を変え消え去ってしまった。ご冥福をお祈りいたします。

今は死語になっている「感化院」(児童自立支援施設)。そこから養子となる主人公の少年アキオ。強欲な養母に失望し逃げ出し旅一座へ、そしてあげくは戦災孤児に。上野の浮浪児(親保護者のいない住居のない子供)の頭目(リーダー)となり、ある日「のど自慢」に出場。

曲は「東京ラプソディ」が転じて「お菓子と娘」。アキオの歌唱力と曲調の上品さのコントラストが絶妙。この曲、シャンソンのコピーかと思ったら、戦前の作曲家、橋本国彦の1928年の作品、歌詞は西條八十、れっきとした“国産”だった。

「お菓子と娘」の曲が耳に残り、帰路からずーと自宅に戻るまで・・、そして今も時々思い出し口ずさんでいます。「お菓子の好きなパリ娘~♪」

 

映画『エクレール・お菓子放浪記』予告編

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