新年の初読書は『核=原子力のこれから』(本の泉社)でした。11月に予約したアマゾン社発売の電子書籍端末、キンドルが昨年末に届き、さっそくお正月に一冊購入して読んだのが小出裕章先生のこの本です。
Nuclear=核=原子力。高速増殖炉をあきらめない本当に理由は超優秀な核兵器材料の確保。わが国の外交政策大綱には、当面核兵器は保有しない政策をとるがその製造の経済的、技術的ポテンシャル(能力)は常に保持するとともにこれに対する掣肘(せいちゅう)を受けないよう配慮する・・。小出裕章先生の本はどれも良い!
子どものランドセル姿が消えるかも
本書は講演会の内容をまとめたもので易しい説明から難しいものまで図表入りで書かれてます。じっくり紙の本と同じようにして「キンドル・ペーパーホワイト」を使って目を通しました。縦書きでパソコンの画面に向かっているような疲れは感じなく、すんなり読み終えました。途中「掣肘(せいちゅう)」などという難解な言葉は、その時点でキンドルの辞書機能で調べました。解説機能は内蔵の国語辞典、さらにはウィキペディアのサイトに飛ぶようにもなっています。将来、子供たちが本を入れたランドセルを背負っていく姿がなくなるかとも思いました。教科書や辞書が、薄い電子書籍リーダー、一つで間に合うようになると想像できるからです。
ネット店舗が個人データを握る
ただ、私がどんな本を買って読んだのかをすべてキンドルを通じてアマゾン社に把握されるというのは、あまり気持ちの良いものではありません。ふつうの書店で本を買う時には、身元までいちいち明かすことはありません。しかしすでに個人登録を済ませているネット書店からの場合、誰がどのような本を買っているのかは、すべて知れるところとなります。もっともこれはネットショッピング全般に言えることで電子書籍に限ったことではありませんが。
ネットは「無料」ではないと知る
「インターネットは無料で便利だ」と思って誰もが利用していますが、その対価はしっかり払わされているともいえます。その代償は「個人情報」「個人データ」の提供という形です。誰がいつ何時に、どんなものを買ったり検索、閲覧をしたか履歴で人物像が描かれます。それぞれの人たちの思考や趣向まで知ろうとすれば知られてしまうのがインターネットの世界ではあります。キンドルで快適に読書できることをうれしく思う反面、これからもどのようにネット社会と向き合って行けばよいか明快な回答は持ち合わせていません。それでも私はどちらかというと性善説志向で、ネット社会の良心とその将来性を信じて利用をつづけたいと思っています。
新春アンコール動画
「国破れて山河無し」に至る原子力。 約9分のミニ講座ですがこの動画授業で私は小出ファンになりました。資料データはやや古いものの本質は今も変わりません。ぜひご覧ください。3.11以前の講義。
「原発なしでも電力足りてる」 小出裕章(京大助教)
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今年も楽しみに読ませて頂きますね。
コメントありがとうございます。
小出裕章さんの説明通り、原発はウソだらけの世界です。今また「除染のウソ」も明らかになってきました。今年も小出先生のトークには目が離せません。
タブレットPCが安くなりました。電子書籍の年になりそうですね。