ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

良心的兵役拒否者の戦い

2016年05月03日 | 研究・書籍

『臆病者と呼ばれても』を読みました。

「人を殺すことは罪である」の信念

戦場で戦うこと、軍に入隊することを拒んだ主人公の英国青年、ハワードとアルフレッド。
世間からは臆病者と呼ばれ、軍部からも厳しい体罰と拷問を受ける。
しかし彼らは最後まで命をかけて自分の信じる道をつらぬこうとする・・。

20世紀初め第一次世界大戦の頃、英国での徴兵拒否運動の歩みがわかります。

いかにののしられ迫害を受けようとも、良心や宗教上の信念から軍隊に入ることを拒否する「良心的兵役拒否者」。彼らは戦場に向かう兵士に負けない死をも覚悟した「人道的な信念の人」であることが伺えます。いかに一青年が「人を殺すこと」を拒否しつづけることの困難さ、そして必要となるその勇気。

いつの日か憲法が改訂され、再び日本でも徴兵制が復活することになるかもしれません。そのとき、戦争には賛成できない青年たちが徴兵を定めた法律を、拒否することが果たして可能なのか。戦前・戦中の徴兵制度は私たちに何を教えていることでしょうか。

憲法記念日の今日、いろいろと「徴兵」について考えました。この本は、特に若い世代に読んでほしいと思います。

 

臆病者と呼ばれても―良心的兵役拒否者たちの戦い
マーカス・セジウィック作 金原瑞人&天川佳代子訳
あかね書房

 

【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
「徴兵制になったら拒否できるのかなあ~」と木工さんたち

コメント
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