小出裕章さんの新刊『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』を読みました。
2011年3月11日19時18分 原子力緊急事態宣言が発令されました。事故から4年以上になりますが、この発令はいまだに解除されていません。解除できない状況が続いているということです。メルトダウンした1~3号機からは放射能汚染が漏れ出したまま・・。
問題が多すぎて、また話していると解決方法が見当たらず暗くなるばかりです。最近ではマスコミでも原発に対しての記事はめっきり減りました。
しかし小出裕章さんが書かれているように原子力緊急事態宣言は今も継続されているのだということは、国民としてしっかり心に留めておかなければならないでしょう。
愚かなのは世界の核保有国
著書は『・・愚かな国、日本』となっていますが、私は日本に留まらず愚かな『世界』と言った方が正しいのではないかと思います。見渡せば世界は核保有国の原爆、原発でいっぱいです。日本の福島原発事故は世界各国からてっきり非難されるものかと思っていましたが違っていました。それどころか五輪誘致を日本に決めるほど世界は原子力に「理解」があったのです。なぜでしょう?つまり世界は日本を責められない、それというのも各国自身が互いにスネに傷を持っているからなのです。
本書の原発事故に対しての記述は優れていますが、「愚かな国、日本」と言うタイトルは「反日」となってしまう恐れがあり残念です。「愚か」なのは核保有国と、これから核を持ちたがっている国々すべてに対して当てはまることなのです。「原発と戦争を推し進める」のは日本に限りません・・。何か空しくなりますがこれが今の「世界」の現実といえるでしょう・・。
【写真】ベラルーシ製ガイガーカウンター
原発と戦争を推し進める愚かな国、日本 | |
小出裕章 著 | |
毎日新聞出版 |