ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

奔放な愛の策士、白蓮

2014年07月07日 | 研究・書籍

NHKの朝のテレビ小説『花子とアン』を見ています。
ドラマの中で花子(吉高由里子)の〝腹心の友〟葉山蓮子(仲間由紀恵)、炭鉱王、嘉納伝助(吉田鋼太郎)とも実在のモデルだけに面白い。

私は『恋の華・白蓮事件』(永畑道子著)を電子書籍キンドルで読んでみました。ドラマに登場する蓮子(柳原子、ペンネーム白蓮)は主人公、村岡花子以上にすご味も厚みもある人物像であることが分かりびっくりしています。

愛情のない25歳年上の炭鉱王の夫との性生活は苦痛そのもの。そこでの白蓮は寝室に代行妻を招き寄せる。つまり正妻公認の〝側室〟と三者で毎夜を過ごすことに・・。

やがて7歳年下の社会運動家、宮崎竜介と互いに姦通罪を覚悟で出奔・・。二人は、この様子をマスコミに知人が多かったこともあり「複数の新聞社に共同発表するよりは1社の特ダネの形にした方が効果がある」として朝日新聞に絞ってリーク。このあたりは、広報センスもただものでなかったことに驚かされます。

宮崎竜介の父、宮崎滔天は頭山満(黒龍会)とは親交があり、白蓮の異母兄で貴族院議員の柳原義秀は、黒龍会によって白蓮事件を追及され議員を辞職している。ドラマでは蓮子を厄介ものにしている冷たい感じのあの意地悪な兄。すべて実在なのですね。

白蓮は、自身で生活が自立できないために嫌いな夫でも嫁ぎ表面上は服従した。しかし、新しい女性の幸せをしっかりつかむために、ある日ある時、大脱走!大~飛躍!

白蓮の長男、香織は学徒動員で戦死した。彼女はこれを機に「悲母の会」→「国際慈母の会」→「世界連邦婦人部」結成へと、晩年は平和運動に貢献している。スケールの大きな女性でした。

わがために泣きます人の世にあらば
死なむと思ふ今の今いま

白蓮の歌は、どことなくニヒルな感じですが、生命力を感じます。
余談ですが、吉高由里子が白蓮の役を演じたらどうなるでしょう。彼女でしたら仲間由紀恵とはまた違った“怪しくするどい魅力”を醸し出すような気がします。そうなったら朝ドラでなく昼ドラの番組ですね(笑)

 にほんブログ村 雑感

恋の華・白蓮事件 (文春文庫)
永畑道子 著
文藝春秋

 

コメント
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