魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

アカガレイ

2016年08月19日 15時08分56秒 | 魚紹介

やはり意外と異体類は最近需要があるようです。連続異体類特集2回目はカレイ科のアカガレイ。

アカガレイはやや北方にすむカレイの仲間の普通種。とはいっても、主に水深数100mの海域に生息しているので、堤防からの投げ釣りでは出会うことがほとんどないといえる。有眼側は褐色で、無眼側もやや赤みを帯びた色彩が特徴的。釣りではお目にかかることがほとんどないといっても、底曳網などで漁獲されており、スーパーでもよく並ぶのえ、出会う機会は少なくないといえよう。

ソウハチ

アカガレイ属は北太平洋と北大西洋に生息する種で、5種が知られており、うち4種が日本に産する。といってもウマガレイ(北海道日本海岸とオホーツク海に分布)とドロガレイ(北海道、新潟県)はあまり見られず、多くはアカガレイとソウハチであろう。

アカガレイの頭部

ソウハチの頭部

ソウハチはアカガレイと有眼側の上眼の位置が異なる。上眼が頭部背縁にあるのがソウハチ、背縁にないのがアカガレイという。言葉では説明しにくいこともあるので、写真を見て頂くのが早いであろう。背鰭の起部の位置はソウハチが上眼の後方付近、アカガレイは上眼の前半部付近にある。

背鰭や臀鰭の軟条数もやや異なり、ソウハチは背鰭64-79軟条、アカガレイは75-95軟条となっている。臀鰭軟条数はソウハチ45-61軟条、アカガレイでは58-72軟条。側線鱗数も差があり、ソウハチでは70-86、アカガレイは87-98である。

アカガレイは上・下顎歯のうち前方が大きいことにより、上・下顎歯の前方のものは大きくなるということはないウマガレイやドロガレイと見分けられる。これらの種の背鰭や臀鰭軟条数はアカガレイと数値が被っている。今回は残念ながらこの2種のカレイを紹介することはできないのだが、いつかは出会いたい種である。

ソウハチもアカガレイも重要な食用種。肉は刺身でも焼いても揚げても煮ても美味しいが、卵を持っている「子持ち」ならば煮つけに限る。小さい個体は唐揚げも美味しい。

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ササウシノシタ

2016年08月18日 12時16分44秒 | 魚紹介

意外と異体類の記事が需要あるみたいなので。今日は久しぶりの異体類紹介。

ササウシノシタ科のササウシノシタ。

その名の通り、この科を代表する種類といえる。ただしイマイチインターネット上で写真が見つからないのは釣りの対象とはならないことや、砂底に生息し磯遊びでもあまりお目にかかる機会が多くないというのがあるのかもしれない。あるいは同科のシマウシノシタのように目立つ模様がないからか。分布域はひろく、北は青森県、南は九州南部にまで生息している。

ササウシノシタは「ウシノシタ」の名前があるが、一般的に食用となるウシノシタの類(シタビラメと称される)というよりはむしろカレイの仲間のようにも見える。ササウシノシタの仲間は、眼が体の右側にあるが、ウシノシタ科の眼は体の左側にあるのも特徴だ。ササウシノシタ科のうち、沖縄のほうに生息する種には大型で全長40cmになるのもいて、そのような種はなんとなくウシノシタ科の魚に似ているが、その種の眼も体の右側にある。

胸鰭は痕跡的で写真からはほとんど見えないくらいにまで退化している。無眼側には全く見られない。有眼側に(無眼側にも)胸鰭がないのはほかにもトビササウシノシタの類やミナミウシノシタなどがいて、ササウシノシタはこれらに近いのかもしれない。アマミウシノシタやシマウシノシタなどは胸鰭がある。日本産ササウシノシタ属は2種が知られ、日本産のもう1種モンツキウシノシタは有眼側に3対の模様があることで本種と見分けられる。分布域も異なりモンツキウシノシタは国内では種子島や沖縄近海にのみ分布している。

ムスメウシノシタなど、トビササウシノシタの仲間との違いは口の形。上の写真のようにササウシノシタ属の魚の口は鉤状にまがっており、まっすぐに近い形状のトビササウシノシタの仲間と区別することができる。


ササウシノシタの口


トビササウシノシタの口

トビササウシノシタの口。写真からはわかりにくいかもしれないが、直線的な形状である。

ササウシノシタは沿岸を曳く小型底曳網で漁獲される。ときに大量に漁獲されるが、たいていは廃棄されてしまう。しかしながら地域によっては食用になっているようだ。先ほども述べたようにアマミウシノシタは食用になるし、本州でもシマウシノシタなどを食用にする。ヨーロッパでもこの仲間は重要食用種である。

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カブトムシ

2016年08月17日 11時38分56秒 | 昆虫・クモ

甲虫の王様「カブトムシ」。夜の森林には殆どいかないので2002年以来、何と14年ぶりのご対面。
クワガタは雄がよく飛んでくるが、カブトムシは雌がよく飛んできます。カナブンと比べ光沢は少ないもののずっしりした姿は雌でも「昆虫の王」のオーラを放つ。

夜トイレに行くとき網戸にでっかいのが張り付いていました。甲虫の類は大体雨がふるときに網戸についていることが多い気がします。

おまけ
2chのまとめサイト「アクアカタリスト」というサイトに、この間のアクアリウムバスのレポートが掲載されていました。ぜひご覧ください。ただし今回は「アクアリウムバスFree」として開催されたイベントであり、次回は有料となりますので注意が必要です。

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キュウセンフエダイ

2016年08月08日 21時42分29秒 | 魚紹介

このフエダイはもう8年も前に釣ったもの。スズキ目・フエダイ科・フエダイ属のキュウセンフエダイLutjanus rufolineatusという種類だ。フエダイ属の魚は日本に25種が知られ、このほかに水中写真によってのみ知られているものもいる。日本では関東地方や中部地方以西の太平洋・日本海・東シナ海に生息するが、多くの種は亜熱帯のサンゴ礁域に生息している。

キュウセンフエダイは千葉でも幼魚は知られているが、普通は和歌山県以南の暖かい海域に生息し、もちろん琉球列島のサンゴ礁域にも生息している。成魚は岩礁やサンゴ礁域に生息しているが、幼魚は河川の汽水域にも出現する。この個体も高知県の河川汽水域で採集したものだ。数匹で行動するらしく、何匹か釣ることができた。

キュウセンフエダイの小型個体

キュウセンフエダイの特徴は体に9本の黄色の縦縞があるところ。これが名前の由来だろう。このほかの特徴として特に幼魚期に背中に薄くあまり明瞭でない黒色斑が出ることがある。このとき釣った個体にもこの黒色斑が見られた。またそれは出したり消えたりできるらしい。尾鰭は一様に黄色っぽいが、後縁が薄い暗色であることが多い(生きているときや水中写真だとわかりにくいかも)。また前鰓蓋骨に深い欠刻があるのも特徴。

スパニッシュフラッグスナッパー

同じ体に9本ほどの縦縞模様を持つ種にはスパニッシュフラッグスナッパーLutjanus carponotusというのがいる。この種は西太平洋とアンダマン海に生息するが、日本には生息していない。スパニッシュフラッグスナッパーの体側にある黄色縦縞模様はキュウセンフエダイに比べると太く、大きいものは茶色っぽくなるようだ。また顔つきもキュウセンフエダイよりとがっている印象をうけ、写真を見た感じでは小型個体の前鰓蓋骨後縁の欠刻も目立たない。

スパニッシュフラッグスナッパーでは形質的にも背鰭棘数が10棘14~16軟条であり、同11棘13~14軟条のキュウセンフエダイと異なる。上はキュウセンフエダイの背鰭棘。キュウセンフエダイの背鰭棘はふつう11棘。

もう1種、本種に似ているものにLutjanus bouttonというのが知られている。「魚類検索」の分類学的付記によれば、以前はLutjanus rufolineatusはLutjanus bouttonの異名とされていたが、その後両種は其々別種とされているようだ。Lutjanus bouttonは体側の背部に不明瞭な黒色点があるが、キュウセンフエダイのような目立つ黄色線がないよう。

フエダイの仲間は基本的に食用魚としての価値が高いのだが、バラフエダイやイッテンフエダイなどのように大きいものはシガテラ毒をもつことがあるため食用にする際には注意が必要。キュウセンフエダイは大きいものは食用となり美味とされているが、この個体は小型であり、食用にはしなかった。

 

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