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魚のぶろぐ

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アカガレイ

2016年08月19日 15時08分56秒 | 魚紹介

やはり意外と異体類は最近需要があるようです。連続異体類特集2回目はカレイ科のアカガレイ。

アカガレイはやや北方にすむカレイの仲間の普通種。とはいっても、主に水深数100mの海域に生息しているので、堤防からの投げ釣りでは出会うことがほとんどないといえる。有眼側は褐色で、無眼側もやや赤みを帯びた色彩が特徴的。釣りではお目にかかることがほとんどないといっても、底曳網などで漁獲されており、スーパーでもよく並ぶのえ、出会う機会は少なくないといえよう。

ソウハチ

アカガレイ属は北太平洋と北大西洋に生息する種で、5種が知られており、うち4種が日本に産する。といってもウマガレイ(北海道日本海岸とオホーツク海に分布)とドロガレイ(北海道、新潟県)はあまり見られず、多くはアカガレイとソウハチであろう。

アカガレイの頭部

ソウハチの頭部

ソウハチはアカガレイと有眼側の上眼の位置が異なる。上眼が頭部背縁にあるのがソウハチ、背縁にないのがアカガレイという。言葉では説明しにくいこともあるので、写真を見て頂くのが早いであろう。背鰭の起部の位置はソウハチが上眼の後方付近、アカガレイは上眼の前半部付近にある。

背鰭や臀鰭の軟条数もやや異なり、ソウハチは背鰭64-79軟条、アカガレイは75-95軟条となっている。臀鰭軟条数はソウハチ45-61軟条、アカガレイでは58-72軟条。側線鱗数も差があり、ソウハチでは70-86、アカガレイは87-98である。

アカガレイは上・下顎歯のうち前方が大きいことにより、上・下顎歯の前方のものは大きくなるということはないウマガレイやドロガレイと見分けられる。これらの種の背鰭や臀鰭軟条数はアカガレイと数値が被っている。今回は残念ながらこの2種のカレイを紹介することはできないのだが、いつかは出会いたい種である。

ソウハチもアカガレイも重要な食用種。肉は刺身でも焼いても揚げても煮ても美味しいが、卵を持っている「子持ち」ならば煮つけに限る。小さい個体は唐揚げも美味しい。

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ササウシノシタ

2016年08月18日 12時16分44秒 | 魚紹介

意外と異体類の記事が需要あるみたいなので。今日は久しぶりの異体類紹介。

ササウシノシタ科のササウシノシタ。

その名の通り、この科を代表する種類といえる。ただしイマイチインターネット上で写真が見つからないのは釣りの対象とはならないことや、砂底に生息し磯遊びでもあまりお目にかかる機会が多くないというのがあるのかもしれない。あるいは同科のシマウシノシタのように目立つ模様がないからか。分布域はひろく、北は青森県、南は九州南部にまで生息している。

ササウシノシタは「ウシノシタ」の名前があるが、一般的に食用となるウシノシタの類(シタビラメと称される)というよりはむしろカレイの仲間のようにも見える。ササウシノシタの仲間は、眼が体の右側にあるが、ウシノシタ科の眼は体の左側にあるのも特徴だ。ササウシノシタ科のうち、沖縄のほうに生息する種には大型で全長40cmになるのもいて、そのような種はなんとなくウシノシタ科の魚に似ているが、その種の眼も体の右側にある。

胸鰭は痕跡的で写真からはほとんど見えないくらいにまで退化している。無眼側には全く見られない。有眼側に(無眼側にも)胸鰭がないのはほかにもトビササウシノシタの類やミナミウシノシタなどがいて、ササウシノシタはこれらに近いのかもしれない。アマミウシノシタやシマウシノシタなどは胸鰭がある。日本産ササウシノシタ属は2種が知られ、日本産のもう1種モンツキウシノシタは有眼側に3対の模様があることで本種と見分けられる。分布域も異なりモンツキウシノシタは国内では種子島や沖縄近海にのみ分布している。

ムスメウシノシタなど、トビササウシノシタの仲間との違いは口の形。上の写真のようにササウシノシタ属の魚の口は鉤状にまがっており、まっすぐに近い形状のトビササウシノシタの仲間と区別することができる。


ササウシノシタの口


トビササウシノシタの口

トビササウシノシタの口。写真からはわかりにくいかもしれないが、直線的な形状である。

ササウシノシタは沿岸を曳く小型底曳網で漁獲される。ときに大量に漁獲されるが、たいていは廃棄されてしまう。しかしながら地域によっては食用になっているようだ。先ほども述べたようにアマミウシノシタは食用になるし、本州でもシマウシノシタなどを食用にする。ヨーロッパでもこの仲間は重要食用種である。

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カブトムシ

2016年08月17日 11時38分56秒 | 昆虫・クモ

甲虫の王様「カブトムシ」。夜の森林には殆どいかないので2002年以来、何と14年ぶりのご対面。
クワガタは雄がよく飛んでくるが、カブトムシは雌がよく飛んできます。カナブンと比べ光沢は少ないもののずっしりした姿は雌でも「昆虫の王」のオーラを放つ。

夜トイレに行くとき網戸にでっかいのが張り付いていました。甲虫の類は大体雨がふるときに網戸についていることが多い気がします。

おまけ
2chのまとめサイト「アクアカタリスト」というサイトに、この間のアクアリウムバスのレポートが掲載されていました。ぜひご覧ください。ただし今回は「アクアリウムバスFree」として開催されたイベントであり、次回は有料となりますので注意が必要です。

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コウタイ

2016年08月15日 15時49分50秒 | 魚介類飼育(淡水)

昨日はイベントで都内でした。アクアリウムバスというイベント。
http;//aquariumbus.com/what.html

熱帯魚や海水魚などの魚はもちろんのこと哺乳類、両生類、爬虫類、テラリウム、多肉植物からエアプランツまでさまざまな生き物やそれに関連するグッズ、ハンドメイド品などの即売会。お店だけでなくブリーダーや個人の方も出店されている。

今回入手したものはこちら。魚は3種類、うち海水が1、淡水が2種。海水魚を扱っているブースが少なかったのはおそらく淡水魚よりも海水魚の方が水質悪化に弱く、飼育が難しいということもあるのだろう。


なお場所はここ。こんなでかい建物が間近に見られる台東区浅草。浅草は実は今回初めてだったりする。台東区は上野で乗り換えばかりだから。浅草寺付近の公用語は中国語のようで、日本語をしゃべっている人間は皆無。イベント開催の場所は都立産業貿易センター台東館。


さて今回入手した魚のうち、1種はこちら。コウタイというタイワンドジョウの仲間だ。タイワンドジョウ科の魚は釣り人には「ライギョ」、アクアリストには「スネークヘッド」などと呼ばれている。このコウタイは日本では沖縄県や大阪府に分布しているが、これらは外来の個体とされる。


コウタイは褐色の体をしているが、金色の模様が体にあり、吻が丸みをおびて鼻管が長いという特徴がある。このほか日本に移植されているタイワンドジョウやカムルチーとちがい、腹鰭がないのも大きな特徴だ。大きくても30㎝ほどとこの類の魚としては小ぶり。

日本にも分布しているが、外国産淡水魚という扱いになろう。いずれにせよ日本で熱帯魚を飼うということは、多くの場合その地にいなかった魚を飼うことを意味する。最近美しい淡水魚が河川に放流されているなんていうこともある。それをやれば法規制がかかり、飼育することも禁止されるかもしれない。やはりアクアリストに求められるのはその魚を最後まで飼うことだと思う。

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大津で発見されたメキシコサラマンダー

2016年08月13日 02時05分49秒 | 環境問題

京都新聞のニュース。
「いじめ」(実際はリンチ事件)で有名な大津でおこった新たな「いじめ」。オリンピックイヤー、しかも開催期間中におこる、または発覚するいじめ。

どうでもいいけどKyoto-npって、Kyoko-npと似ている。検索してみるとやっぱり、Kyoko-npはKyoto-npをもじっているようだった。この記事も虚構新聞の記事であってほしいが(ちなみにKyoko-npは滋賀県の企業らしい)。


近所の川にウーパールーパーいた 大津 地元小学生が発見(京都新聞)ウーパールーパーというのはメキシコサラマンダーのアホロートル(幼形成熟した個体)のことをいう。なお、私はこの生物の写真は有していない。残念ながら、文字オンリーであるのはご容赦願いたい。


大津がある滋賀県は、大阪府と同じく近畿地方に属している。もちろん大阪のキンギョのニュースも大津市民の目または耳に入っているに違いない。それに触発されてやってしまったのだろうか。これに対し、山本公一氏、いったい何を思うのだろうか。環境の教育、生物多様性について学校で教えればこういう問題は起こらなくてすむはずなのだが、それをしようとしていない。おかしい法律についてはもうここで何度も触れたので略。


キンギョの放流に賛成するひとがメキシコサラマンダーの放流についても賛成しているかそうでないかはわからない。しかし今回はキンギョの放流よりも批判的なコメントが多い。キンギョも外来魚なのだが、それについては「どうせフナでしょw」なんてコメント欄に書き込む人が多いようだ。フナはコイと近縁であるが、このコイも外来生物特有の問題を引き起こしていることはよく知られていることである。アメリカは広大であるが、コイをその生息地から取り除くことは難しくはない。というのもアメリカ大陸ではコイはいなかったとされている。日本の国土はアメリカよりもずっとせまい。しかしコイをその生息地から取り除くことは難しい。なぜならば、日本にはもともと、在来のコイ属の魚がいたからである。しかしながらコイ属の同定は難しく、形態的なものでは同定できないことが多い。フナ属に至っては、もうわかるはずがない。形態はその個体により大きくかわるし、分子分類も難航している。それでも上記の人たちは「どうせフナでしょw」といったりするのだろうか。まあ、いうだろうなあ。


結局大型掲示板サイト「2ちゃんねる」や、そのまとめサイトでキンギョの放流に反対する人を罵った人たちはほかの意見に流されやすいのか、自然にも環境にも生物にも何ら関心がないのに40年しか続いていない行事を「伝統」といって、それを中止させようとした勇敢な人を「シーシェパード」やら「共産党」などといってののしっているだけである。関心がある人についても「意識高い系w」「じゃあお前は実際にだれかに抗議したのかよ」などと言ってののしっているが、こういう関心がある人というのは意識だ高い系でも何でもなく、川で遊んでいたり生き物が好きで実際に外来生物問題を現実的に目の当たりにした人たちであろう。

一方メキシコサラマンダーの放流について批判的な意見が多いというのは、明らかな外来生物であることをみな知っているからといえる。俗名「ウーパールーパー」の名前で輸入されたりして日本でも一時はやった。さらに名前に「メキシコ」という特定の国の名前もついていて、日本産ではなく、メキシコからきたものだとわかりやすい。もっとも「ウーパールーパー」という名前で販売されていることも多く、メキシコサラマンダーの名前で販売されることはほとんどない。また日本に生息している可能性がほとんどないのに「ニホンイトヨリ」なんていう標準和名の魚がいたりもするのだが。


Yahoo!のコメントを見ていると、キンギョの時とは違い「放流する人はペットを飼うべきではない」とか、そういう意見が多くなってきている。これも業界の団体だとか、あるいは西村さんの「日本淡水魚類愛護会」などのようなウェブサイトが「放流をやめましょう」というような周知を図ってきた成果が出ているのかもしれない。しかし中には「ペットの販売を規制しろ」だの、あるいは「外来生物の販売をやめさせるべき」などと「極論」を持ち出してきて述べるような人も出てきているのは事実である。ペットショップが悪いのか、あるいは外来の生物を輸入しようとする卸業者が悪いのか。

確かにすぐにほいほいと大型魚を含む生物を販売するペットショップにも問題があるのかもしれないが、一番悪いのは生物を野外に放った人である。環境省もキンギョ(外来生物)の放流については、(ある方のTwitterで問い合わせた様子が書かれていてだいぶ端折っている可能性があり、信憑性は不明だが)「禁止されていないが、するべきではない」という、おかしな発言をしている。もしこれが本当ならば、外来生物に対する環境省の考えがこれだから、外来生物の問題はなくならないのではないか。その地に生息していない生物を放流することを禁止するというのも条例レベルでは存在するが、条例だけでなく法律で定める必要があるだろう。


きわめて迷惑なお話だが、今後特定外来生物に指定され飼育が禁止されるような種も増えるだろう。指定が発表され、禁止されていない今のうちに河川に放流するのに罰則がないというのはおかしい。まずは日本に生息していないすべての生物の放流・放逐を禁止するルールを作るべきではないだろうか。ねえ、山本さん。

いずれにせよ今回のキンギョ、メキシコサラマンダーと続いた外来生物の放流問題。この手の問題で一番悲しんでいるのはアクアリストや、生き物が好きな人である。勝手に野にはなした人が一人二人いるだけでみなが迷惑する。私が冒頭で述べた「いじめ」とは、だれに対するいじめなのか。自然環境に生息する在来の生物に対するいじめ、放流された生物に対するいじめ、アクアリスト、すべてに対してのいじめといえる。

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