魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ササウシノシタ

2016年08月18日 12時16分44秒 | 魚紹介

意外と異体類の記事が需要あるみたいなので。今日は久しぶりの異体類紹介。

ササウシノシタ科のササウシノシタ。

その名の通り、この科を代表する種類といえる。ただしイマイチインターネット上で写真が見つからないのは釣りの対象とはならないことや、砂底に生息し磯遊びでもあまりお目にかかる機会が多くないというのがあるのかもしれない。あるいは同科のシマウシノシタのように目立つ模様がないからか。分布域はひろく、北は青森県、南は九州南部にまで生息している。

ササウシノシタは「ウシノシタ」の名前があるが、一般的に食用となるウシノシタの類(シタビラメと称される)というよりはむしろカレイの仲間のようにも見える。ササウシノシタの仲間は、眼が体の右側にあるが、ウシノシタ科の眼は体の左側にあるのも特徴だ。ササウシノシタ科のうち、沖縄のほうに生息する種には大型で全長40cmになるのもいて、そのような種はなんとなくウシノシタ科の魚に似ているが、その種の眼も体の右側にある。

胸鰭は痕跡的で写真からはほとんど見えないくらいにまで退化している。無眼側には全く見られない。有眼側に(無眼側にも)胸鰭がないのはほかにもトビササウシノシタの類やミナミウシノシタなどがいて、ササウシノシタはこれらに近いのかもしれない。アマミウシノシタやシマウシノシタなどは胸鰭がある。日本産ササウシノシタ属は2種が知られ、日本産のもう1種モンツキウシノシタは有眼側に3対の模様があることで本種と見分けられる。分布域も異なりモンツキウシノシタは国内では種子島や沖縄近海にのみ分布している。

ムスメウシノシタなど、トビササウシノシタの仲間との違いは口の形。上の写真のようにササウシノシタ属の魚の口は鉤状にまがっており、まっすぐに近い形状のトビササウシノシタの仲間と区別することができる。


ササウシノシタの口


トビササウシノシタの口

トビササウシノシタの口。写真からはわかりにくいかもしれないが、直線的な形状である。

ササウシノシタは沿岸を曳く小型底曳網で漁獲される。ときに大量に漁獲されるが、たいていは廃棄されてしまう。しかしながら地域によっては食用になっているようだ。先ほども述べたようにアマミウシノシタは食用になるし、本州でもシマウシノシタなどを食用にする。ヨーロッパでもこの仲間は重要食用種である。

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