魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ボンボリカエルアンコウ

2010年06月17日 18時12分31秒 | 魚紹介

先日高知県の友人から変わったものをいただきました。
ボンボリカエルアンコウAntennarius hispidus (Bloch and Schneider)です。私も殆ど現物を見たことがない珍魚です。

カエルアンコウ科は従来「イザリウオ」と呼ばれていたグループで、世界で12属45種が知られています。うち日本産は3属15種からなり、1種を除いては底生種です。サンゴ礁域や砂底・泥底に生息し、定置網や底曳網で漁獲されますが、食用とする話は聞きません。
しかしそのユニークな姿は話題性にあふれており、多くの地方名があります。地方名もやはりカエルににたその変わった姿や、頭部にあるエスカを使って「魚釣り」をする習性にちなむものが多くあります。

吻上棘に偽の餌を有します。そしてこれを振り回して「狩り」をするのです。ボンボリカエルアンコウの吻上棘先端には羽毛状の皮弁を多数備えます。これが、近縁のカエルアンコウと区別するためのポイントになります。

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ヒゲトラギス

2010年06月14日 23時29分32秒 | 魚紹介

底曳網で採集される、珍しいトラギスの仲間です。

ヒゲトラギスAcanthaphritis barbata (Okamura and Kishida)です。雄にはその名のとおり、立派なひげをもちます。このひげはもちろん、人間の髭とは違って、肉質の皮弁で、皮膚が変化したものです。

ヒゲトラギスはトラギス科ではなく、ホカケトラギス科・ヒゲトラギス属に属します。この属は日本からは2種が知られるのみの珍種です。

ホカケトラギス科では普通種のナミアイトラギスBembrops curvatura Okada and Suzuki。この仲間は底曳網でときに多数獲れるのですが、あまり食用にされず、多くが廃棄処分となります。黄色いラメ入りの斑紋が綺麗です。

トラギス科のワヌケトラギスParapercis millepunctata (Günther)です。

ホカケトラギスの仲間はふつう深海性で、水深100m以深にいるものがほとんどなのですが、トラギス科の魚は浅い場所から深い場所まで広い範囲ににいます。両科を区別するには、背鰭のつながり具合があげられます。2つの背鰭が完全に離れればホカケトラギス科、背鰭がつながるのがトラギス科です。トラギス科では一部の種が食用になりますがホカケトラギスの仲間は食用としての価値はないようで通常は廃棄処分されています。深い場所に多いので水中写真の被写体にもなりえませんが、人目の付かないところで必死に生きる姿はさぞかし綺麗でしょう。

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いおワールド かごしま水族館

2010年06月10日 21時16分38秒 | 水族館・博物館

喜界島オフ会前日の4月30日、オフ会参加メンバーでかごしま水族館を訪問しました。かごしま水族館は、鹿児島の生物を中心に飼育・展示している、テーマ性の高い水族館となっています。

 

かごしま水族館といえば、世界最大の魚類でありますジンベエザメRhincodon typus Smithを飼育していることで有名です。この水槽にはジンベエザメ以外にも、シイラ、サバヒー、ハガツオなど、あまり他の水族館で見られない魚や、貴重な古代魚であるカラチョウザメなどが飼育されています。とくに日本産カラチョウザメが見られる水族館はここしかなさそう。

鹿児島県は北は熊本県・宮崎県と接し、南端の与論島は沖縄島のすぐ近くです。南西諸島の海を再現したサンゴ礁水槽。ここにもかなりマニアックな魚がたくさんいます。この水槽では巨大なハタ「タマカイ」などがいました。小魚は何がいるか忘れましたが、それでもかなりマニアック。

温帯域のアマモ場を再現した水槽です。ここにはシロギスやスジハゼの仲間など、温帯域らしい魚がたくさんいます。写真はポーズをとってくれたホウボウChelidonichthys spinosus (McClelland)。この水族館では温帯域の魚にもかなりこだわっており、ヒメヤマノカミやつい最近新種記載されたばかりのモモイロカグヤハゼなども展示されていました。

つぎはオオウナギ水槽。鹿児島ではウナギの養殖が盛んですが、オオウナギも時々みられます。この水槽ではみんな「でかい!」と連発。

たしかにデカイです。オオクチユゴイKuhlia rupestris (Lacepède)。こんなでかいの見たことない!ていうくらいのでかさ。5年くらい前に来た時にはもっと小さいのがたくさんいたはず。その1ぴきがこうなったんだろう。この水槽の主役!です。

このような水槽もあります。子供たちはこのような水槽から自然を学んでいくのでしょうかね。岩をひっくり返せるようになっていて、その下にテナガエビなどが隠れているところなども、非常に遊び心があります。

ということで、喜界島出発前にかなーり楽しい思いをしてから出発です。

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クモウツボとスズメダイ

2010年06月09日 22時58分43秒 | 魚介類飼育(海水)

あまり鮮明でなくてごめんなさい。画像圧縮のテストをしてみました。最近はウツボを飼っています、といっても驚くアクアリストさんは少ないようで、うれしいです。

さて、私が飼っていますのはクモウツボEchidna nebulosa (Ahl)。日本に生息するウツボは一説によりますと56種類、そのうち半分以上の35種がウツボ属に含まれます。しかしこの種はアラシウツボ属という別属に入れられています。

アラシウツボ属は日本からは3種のみが知られる小さなグループで、そのほかにシマアラシウツボ、ナミダカワウツボが知られています。本種は高知県柏島~インド・太平洋に生息するといわれますが、和歌山県にも分布するようです。結構美しい種で、観賞魚として人気があります。

この仲間は多くが小型で、甲殻類を主に食べます。しかしウツボの仲間の多くはタコや小魚を好んで食べています。では、本種は・・・?本種もやはりウツボです。タコの切り身をあたえてやると、あっという間に飛びついて、食べてしまいました。

今現在のウツボ水槽のメンバー。

横にいるのはテンジクダイ科のシボリFowleria variegata (Valenciennes)。この種は奄美諸島以南にすみますが。四国南西部はもちろん、和歌山でも採集されています。

上を泳ぐのはミスジリュウキュウスズメダイDascyllus aruanus (Linnaeus)です。スズメダイの仲間は他の魚とは飼いにくいものが多いですが、ここではクモウツボがいるので、適度な警戒感があるようで、バランスには問題なさそうです。彼らは、クモウツボが食い散らかすタコの切り身のおこぼれをいただこうとウツボの周りを泳いでいます。

ちなみに、この画像も圧縮しています。

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60cm水槽の最近

2010年06月06日 18時08分09秒 | 魚介類飼育(海水)

60cm水槽の面々の近況です。

1.ミツボシキュウセンHalichoeres trimaculatus (Quoy and Gaimard)

やっと写真を撮ることができました。キュウセン属のベラは夜間は砂に潜って寝てしまう(それも早いうちに)ので、なかなかタイミングが合いませんでしたが、なんとかおさめられました。2個体水槽の中にいるのですが、この個体は大きいものです。小さいものと将来ペアになってくれないかなと思っています。

2.マッコスカーズフラッシャーParacheilinus mccoskeri Randall and Harmelin-Vivien

水槽を縦横無尽に泳ぎまわりますが、この水槽には他の雄個体はいませんので、喧嘩などはありません。この種は夜間に砂に潜らず、岩の隙間などに潜みます。ここではライブロックと陰日サンゴの間に隠れます。

3.ヤドカリ

3種のサンゴヤドカリは皆元気、その中でもスベスベサンゴヤドカリが特に強い立場にありそうです。今日は水槽の右端付近にあるマキシジェットに、脱皮の抜け殻が引っかかってるのを発見しました。

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