さて、以前の喜界島オフ会の際に何種類かフサカサゴ科の魚を採集することができました。喜界島には四国でおなじみの「メバル」ですとか「ムラソイ」とか「カサゴ」なんかは見られず、熱帯性の小型種ばかりになります。
熱帯域で、オニカサゴ属、イソカサゴ属、ミノカサゴ属が多いと思うのです。オニカサゴ属のものではシュノーケリング中にミミトゲオニカサゴっぽいのが現れたくらいで、あとは特に。ミノカサゴ系は見ませんでしたが、捨てられたのを写真に撮っている方がおられました。イソカサゴ類は2種見かけました。
1.グアムカサゴSebastapistes strongia (Cuiver)
この種が一番多くみられた種でした。港内のミル域では見られず、潮だまりの大きな石の下に数個体が見られました。タナバタウオや、テンジクダイ類と同居しているようでした。全身茶褐色でイソカサゴ属としてはなんだか地味な色彩、擬態に役立っているのでしょう。最初は「マスダオコゼ~」とか言って喜んでいました。ではグアムカサゴと同定しありがたみが薄れたかといえば、まったくそうではなく、サンゴ礁にすむフサカサゴ科魚類をまた新たに耳石図鑑に登録できるという期待があふれてきます。素手でつかんで刺されてしまったのは文字通りの痛い思い出でしたが・・・
2.サンゴカサゴ Scorpaenodes scaber (Ramsay and Ogilby)
今回私が採集したものの中ではちょっと珍しい?種。赤い色彩で尾柄部に白い帯があるのが特徴です。これは港内のミル内に潜んでいるのを採集しました。ミル内には魚がミドリイシ類ほど付いていませんでしたが、それにはこんな理由が有ったのかもしれないですね(肉食魚のすみかになってる)。写真の個体は標本として鹿児島にお送りしたのですが残念なことに尾鰭が若干切れています。
3.マダラフサカサゴSebastapistes strongia (Cuiver)
この種も熱帯海域特有のフサカサゴ科魚類です。前2種とは属を異としています(マダラフサカサゴ属)。この種もやはり港内の浅瀬にあるミルについていました。個体数はサンゴカサゴよりも少なく、1個体のみが採集できました。
最近は熱帯性のこの仲間が再整理されており、日本初記録種などもぞろぞろと出てきています。そんな種を私も見つけたいものですね。
今回のカサゴ類の同定に関してはもとむらさんにご教授いただきました。ありがとうございました。