魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ヒゲトラギス

2010年06月14日 23時29分32秒 | 魚紹介

底曳網で採集される、珍しいトラギスの仲間です。

ヒゲトラギスAcanthaphritis barbata (Okamura and Kishida)です。雄にはその名のとおり、立派なひげをもちます。このひげはもちろん、人間の髭とは違って、肉質の皮弁で、皮膚が変化したものです。

ヒゲトラギスはトラギス科ではなく、ホカケトラギス科・ヒゲトラギス属に属します。この属は日本からは2種が知られるのみの珍種です。

ホカケトラギス科では普通種のナミアイトラギスBembrops curvatura Okada and Suzuki。この仲間は底曳網でときに多数獲れるのですが、あまり食用にされず、多くが廃棄処分となります。黄色いラメ入りの斑紋が綺麗です。

トラギス科のワヌケトラギスParapercis millepunctata (Günther)です。

ホカケトラギスの仲間はふつう深海性で、水深100m以深にいるものがほとんどなのですが、トラギス科の魚は浅い場所から深い場所まで広い範囲ににいます。両科を区別するには、背鰭のつながり具合があげられます。2つの背鰭が完全に離れればホカケトラギス科、背鰭がつながるのがトラギス科です。トラギス科では一部の種が食用になりますがホカケトラギスの仲間は食用としての価値はないようで通常は廃棄処分されています。深い場所に多いので水中写真の被写体にもなりえませんが、人目の付かないところで必死に生きる姿はさぞかし綺麗でしょう。

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4 コメント

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Unknown (鈴鹿)
2010-06-16 23:08:15
ナミアイトラギスの黄色の斑紋って金粉みたいですよね。以東底引き網漁業でも漁獲されて魚槽の隅とかに落ちているんですが、これが可愛いんです^^

Y見のアパートでアイトラギスを角度を変えながら一人で何枚も撮ったのを覚えています。ホカゲトラギス科になるのですね。勉強になりました☆
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Unknown (椎名)
2010-06-17 17:38:54
ホカケトラギスの仲間も結構捨てられてますよね。でもそれにしては魚図鑑投稿が少ないです。市場の人とかあまりきてないのかな~?
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Unknown (鈴鹿)
2010-06-17 21:27:36
そうですよねぇ。漁業者(特に定置や底びき)が投稿したらすごい事になりそうですね。

毎日がレア魚探索みたいなものですから私の投稿魚種数400種などすぐに抜かれてしまいそうです^^:

学生の頃底びき船に乗りたかったのですが機会を逃してそれっきりです。。。
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Unknown (椎名)
2010-06-17 21:51:12
底曳はすごいですよ。今や勤続2?年という大ベテランの漁師さんでさえはじめてみた!なんて珍魚があるのです。

以前お世話になった漁師さんのとこではハナナガソコホウボウとか、イタチザメの写真がアップされておりました。

今度お伺いした際にたのみこまねば・・・
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