今年の3月に石垣島を訪問したが、そのときにはいろいろな魚と出会うことができた。現地でお世話になった方の知り合いのお店を訪問したのだが、赤さび色の変わった魚を売っていた。アマクチビという魚である。
アマクチビはフエフキダイ科の魚なのだが、イソフエフキみたいな普通の顔、キツネフエフキみたいな吻が長くスマートな顔ではなく、アマクチビには申し訳ないのだが「醜い」。しかし、それだけにどこか犬のような魅力を感じてしまう魚である。
アマクチビはフエフキダイ科のフエフキダイ亜科に含まれる。もうひとつのメイチダイ亜科にはメイチダイ属、コケノコギリ属、ノコギリダイ属、そしてヨコシマクロダイ属が含まれているのに、フエフキダイ亜科はフエフキダイ属だけである。そのかわり、この属はフエフキダイ科のなかの最大勢力なのだ。そのフエフキダイ属もふたつの亜属に分けられ、片方は胸鰭の基部内側に鱗があるもので、ハマフエフキやアマミフエフキ、イトフエフキ、そしてイソフエフキなどが含まれる。もう片方にはフエフキダイ、シモフリフエフキ、アミフエフキ、そしてキツネフエフキなどが含まれるもので、こちらは胸鰭基部内側に鱗がない。アマクチビはどちらになるだろうか。
アマクチビの胸鰭基部内側には鱗がある。つまり、ハマフエフキなどのほうに近いのだ。こちらの属の魚のほうが、がっしりした体形のものが多いように思う。キツネフエフキやアミフエフキなどはほっそりとした体形をしている。
今回のアマクチビは見つけて一目ぼれであった。きれいな白身で脂がよく乗っており美味しい。沖縄本島よりも魚の価格がずっと安いのもうれしいところである。
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