7月8日に珍しいカレイを入手した。北海道産のカレイ目・カレイ科・アブラガレイ属のアブラガレイである。アブラガレイといえば流通量が多い大型カレイではあるが、大体がベーリング海で漁獲され切り身や「縁側」といったかたちで流通する種類なので、まるごと一匹で魚屋さんで売っているというのは実は多くない。・・・のだが、つくば市のトライアル、対面鮮魚売り場にドーンと。お金がないのだが、当然ながら即購入を決めたのであった。
アブラガレイの歯
早速観察。アブラガレイの全長は最大で1mにも達するというが、この個体も全長で60cmを超える大きさであった。このようなサイズのカレイ科魚類というのはわが国では少なく、アブラガレイのほかにカラスガレイ、オヒョウの3種くらいである。
そのなかでもカラスガレイ属のカラスガレイとは同じ属に含められることもあるほどよく似ているものの、下顎歯が2列であること(カラスガレイでは1列)や、そのうち長いほうの歯を倒すことができること(カラスガレイでは倒せない)、眼のうち上眼は体側部にあること(カラスガレイでは上眼が頭部背縁にある)、眼の間隔が狭いこと(カラスガレイでは広い)、などによって見分けることができる。北方性のカレイであり、分布域は茨城県以北の太平洋岸、富山県以北の日本海岸、北海道の全沿岸。海外ではオホーツク海、ベーリング海、アリューシャン列島近海に生息している。カラスガレイ属は1属1種であるが、アブラガレイ属はもう1種Atheresthes stomiasという種も知られているが、この種は眼の位置が異なり、上眼がカラスガレイのように頭部背縁にあるという。分布域はロシアからカリフォルニア州までの北太平洋とされていて、日本に入って来るアメリカ産のものは、アブラガレイではなくこちらの種かもしれないが、基本的に加工されて入ってきているので不明である。
2016年に入手した個体
我が家には過去2016年にもアブラガレイがやってきたことがある。そのときは残念なことに、写真のようにぼろぼろで、なかなか詳しく写真を撮影することができなかった。もっと詳細な写真を撮影する機会が欲しかったところであるが、今回ようやくそれをかなえることができたといえるだろう。
この個体はタグがついていた。北海道昆布森産であることを示すタグである。昆布森というのは北海道釧路町(釧路市ではない。Lineなどで釧路市としていましたが誤り)にある地名で、小さな漁港がある。Google earthなどで見ていると採集にも良さげな場所なのだが、森にはクマさんが出そうである。底曳網や釣りではなく、刺網漁業で獲れたもののようだ。
アブラガレイのお刺身
今回のアブラガレイをお刺身で堪能した。刺身の皿、手前右に見えるのが縁側である。これがこりこりして旨い。身の部分も脂がよくのり甘みもあり極めて美味であった。
ガーリックバターで焼いた
身の量は多く、ガーリックバターで焼いて食べても美味であった。ということで久しぶりの魚紹介の記事であった。
※はてなブログでも同じ記事をアップしております。goo blogのサービス終了により、2025年10月以降ははてなブログに完全移行いたします。何卒よろしくお願いいたします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます