シギウナギNemichthys scolopaceus Richardsonは独特な姿が特徴の深海性ウナギ目魚類です。
ウナギ目魚類はウナギ亜目(ウナギ、アナゴ、ウツボなど)、フウセンウナギ亜目(ヤバネウナギ、フクロウナギ、オザワタンガクウナギなど)の2亜目に分けられていますが、後者を目に昇格する意見も多くあります。
シギウナギはこの2つの亜目の中では前者、ウナギ亜目の中に含められています。このウナギ亜目の中にもいくつかのグループがあり、ウミヘビやアナゴに近いものとされています。ただウナギ亜目内の分類学的位置や、側系統群の関係などはいくつかの見解が示されています。
シギウナギの口は、私たちがしばしば目にする同亜目魚類のマアナゴやハモなどとは大きく異なった形状をしています。この口で小型甲殻類を主に捕食しています。別の個体の胃の中から多数の甲殻類?が出てきました。
漁法は主に沖合底曳網ですが、普通は食用とはなっていません。このユニークな姿は魚類図鑑などでもよく取り上げられていますが、深海にすむため飼育は困難、水族館でも生きたものはお目にかかれないでしょう。