魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

フィリピン魚1.ナンヨウハギ

2012年01月23日 19時05分39秒 | 魚紹介

今日から、以前の沖底魚シリーズのように、フィリピン魚の紹介を行います。おそらく種類だけでも100を超えるのではないでしょうか。素晴らしく、ありがたいことです。

第1回目は、私が出会いを待ち焦がれた青がきれいなこの魚にします。

ニザダイ科のナンヨウハギParacanthurus hepatus (Linnaeus)です。写真の個体はやや色あせていますが、本当はもっときれいな青なんです。

ニザダイ科魚類にはテングハギ属、ヒレナガハギ属、サザナミハギ属、クロハギ属、ニザダイ属、そしてこのナンヨウハギ属の計6属が、82種が知られています。もっとも種類が多いのがクロハギ属でこれは全体の半分近くにもなります。ナンヨウハギ属は本種1種のみが知られています。

本種はクロハギ属やサザナミハギ属魚種に似ていますが腹鰭の軟条が3軟条と少ないです。水中では腹鰭の軟条数を計測するというのは難しいのですが、体側の独特な模様で簡単に同定できるでしょう。

胸鰭は青色で、大きな黄色域があります。体には小さな鱗があり触るとざらざらしています。

鮮やかな青と黄色という色彩の美しいナンヨウハギですが、美しいものには注意、というのはまさにこのこと、ナンヨウハギには大きな武器があります。

尾柄部には大きな棘があるので注意しないといけません。この棘は可動式で知らずにつかむと痛いことになります。この棘はナンヨウハギ以外にも、クロハギ、ニセカンランハギ、サザナミハギといったニザダイ科の他の魚も有していますので注意しなければなりません。

体色については海域により変異があります。この個体はおなか付近が薄らと黄色いですが、インド洋からくるナンヨウハギの中には鮮やかな黄色の腹部をもった個体も見られます。

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