Model 107

1985年の107
じっくり時間をかけてお気に入りの一台に仕上げます。

小利別駅 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 9月6日 2014年

2015-06-09 | Weblog
ふるさと銀河線の各駅の中でも最も楽しみにしていた駅舎の一つがこの「小利別駅」です。

第三セクターとして運営されるようになった「ふるさと銀河線」は沿線自治体がその経営に参画し、ふるさと創生事業の一環として駅舎改築などの整備が行われました。

先の勇足駅、本別駅、仙美里駅、の「そっくり3駅」などもやはり、ふるさと創生事業として整備された駅舎であります。

そうした地域活性化事業の先鞭をきって改築された、地域のコミュニティーセンターとの合築の第一号として登場したのが「小利別駅舎」でありました。

先に記事を書かせて頂いた「赤レンガ建築賞」を受賞した本別駅に先駆けたものです。

私的には、「ふるさと銀河線中最も美しい駅舎」と思い込んでおります。

変化のある直線で構成された大棟の終端が突然、曲面だけで構成されるスカイライトへと繋がります。

この計算された構成比が少しでも狂うとおそらくデザインの破綻を来たすのではないでしょうか。

色のバランスも素晴らしいです。

銀色の屋根と深い暗色の壁、連続する細長い窓、どの部分を見ても素晴らしい出来栄えです。

「赤レンガ建築賞」を受賞した本別駅も素晴らしいですが、小利別駅も建築賞を受賞しても当然の秀逸な建築であると思います。




駅待合所には「小利別駅」の手書き風駅名標が掲げられています。

トイレの入り口引き戸のガラスには、暫く振りの「定番夏スタイル」のオジサンが映っています。



駅待合所の中はガランとして木製のベンチが見えます。

中からあの特徴的なスカイライトを見上げてみたかったのですが、施錠されていて入ることは出来ませんでした。



すこし引いて、待合所とホームを見てみます。

入り口は壁に沿った曲線に導かれるようにあります。



駅舎周りは念入りに除草されているのが分かります。

路盤も除草は行われているようです。



池田方面からホームへと入ってくると「小利別駅」は、このように見えてくるわけですね。

ガラス窓がふんだんに使われ、勇足駅、本別駅、仙美里駅、の「そっくり3駅」のデザインのポイントともなっていた鋭角に張り出したグラスセクションが中央部に使われています。

青空を背景にした駅舎も素晴らしく素敵ですが…写真で見た降雪時の駅舎の写真も素晴らしかったです。

日中は白一色で変化の乏しい風景だと思いますが、夕方から夜にかけては、空は暗く沈み窓にはアンバーなあかりが灯り、窓の下の雪をオレンジ色に染めています。

冬の過酷な環境だからこその美しさですね。




さらに振ってみます。

小利別駅の全景を見ることが出来ます。

連続する直線が“三角窓”部で分断され緊張感を与えられています。

そしてその先で柔らかな曲線へと変化し流れを変えて行きます。




正面から“三角窓”を見ますと、それはかなり大胆に左右の建物の直線の流れをバッサリと分断していることが分かります。

先ほどの駅入り口があった面とは全く異なった表情を持っています。

窓のデザインも、先の「連続する細長デザイン」から「小さめな四角い窓」に変化しています。

右側壁面の窓と基礎部のホワイト・ラインの変化も面白いです。

これは中央の“三角窓”の存在を引き立てるためのデザインだと思います。

今頃気が付きましたが、「上利別駅」など北海道スタンダードの木造駅舎の入り口庇を思い出しました。

これからインスパイアーされているのかな…なんてね。



こちらから“三角窓”を見ますと、「相当尖っている…」のが良く分かります。

また、四角い窓と基礎部を這うホワイト・ラインの変化が良く分かると思います。

お洒落なデザインですね。



一回りして、駅舎正面に戻ってきました。

広い駅前スペースには、ブロック・タイルのようなものが敷き詰められて、ヨーロッパの町並みのペーブメントのような雰囲気を醸して駅舎を一層引き立てています。



小利別駅へと続く道を振り返ります。

駅敷地の洗練された雰囲気は、この境目(ブロック・タイルとアスファルトの)…から北海道のどこにでもあるような原風景に変わります。

小利別駅へは、国道から直接アクセスすることはなく、「コの字形」に迂回してこの道に接続します。

国道からのアクセスの特徴が、この静かで美しい環境を結果的に守ることとなっているのだと思います。



駅敷地の一角には子供たちの遊具と「北の花畑」と命名されたスペースがあります。

小さなプレートにもあるように「小利別婦人会」の方々が世話をされている花壇があります。



背後の駅舎と鮮やかな色の花々で飾られた花壇との風景が素敵です。

ほんとに美しいです。



駅舎のデザイン・テーストとは若干そぐわないような雰囲気の“塔”が設置され、上部にはデジタルで現在の気温が表示されています。

銀河鉄道をインスパイアーさせるよなデザインのデコレーションが施されています。

温度は26度と表示されています。



そのタワー?の基部には、“1932年 Datsun 1号車” のレリーフが。

小利別は「日産自動車北海道陸別試験場」がありその縁からこのようなモニュメントが展示されているのでしょう。



夏草の中に、あの特徴的な駅名標フレームが取り残されていました。



小利別駅舎 今は鉄道駅舎としての使命を終え地域の方々の集会所として利用されているようです。

素晴らしいデザインの建築物でありますが、地域の方々の並々ならぬ愛情が注がれ、廃止後8年を経った今日でも鉄道営業時と変わらぬ美しい姿を保っています。
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