Model 107

1985年の107
じっくり時間をかけてお気に入りの一台に仕上げます。

日本自動車博物館 9月18日 2012年

2013-06-06 | Weblog
 小松空港と航空プラザに寄って、次はここ…「日本自動車博物館」です。

何度目かな~小松、金沢方面に来た時にはたいてい立ち寄っています。

相変わらず「立派な威容」をたたえる日本自動車博物館の全景です。
あまりに立派過ぎて、初めて来た時には「ほんとにここ?」って、ちょっと引いてしまうほどです。

入館料金は¥1000で相変わらずです。

館内に入ると古いクルマ特有の、オイルとガソリン、ゴムのミックスしたような「ニオイ」が立ち込めています。
クルマ酔いするような方には、ちょっと嫌なニオイだと思います。
(最近のクルマさんは、ホントにニオイが無くなりましたね)



今開催されているイベントは「徳大寺 有恒 が選んだ名車たち」と題されたもので、6月16日から展示されています。

徳大寺さんに選ばれた「名車」は、こちらの博物館常設展に展示されているクルマたちであります。

それでは、さら~っと眺めていってみましょう。

クルマに装着されているライセンス・プレート風のパネルは…上段が“和暦” 中央が“西暦” そして左端が“生産国”を表しています。



MG-A であります。
1500cc 4発 OHV スペックだけ見るとなんと言うことも無いものですが、堂々のスポーツ・カーであります。
フロント・フェンダーからリア・フェンダーへの曲線なんて、すごいマッシブではありませんか。

ポルシェの人達って、こういうのが好きなのでしょうね。
この時代は、ヘッドライトなんて「丸いの」しか無かったですから…

私はポルシェの人達が「大嫌いな」996のオーナーでもありますが、あの「涙目」と言われるヘッドライト周りのデザインこそ、歴代911のデザインでは秀逸のものと思っています。
996前期型の最高の美点の一つだと…




このクルマの生産は1955年です。
日本で言えば昭和30年!ですよ。
その時代にこうした趣味性の高いオープン・トップのスポーツ・カーを作れる国力…凄いですね。

このクルマが無かったら、30年以上後に登場するNA6CEも無かったかも知れませんね。

私は、MG-Bのスタイルの方に好感を持っています。




ポルシェ356B です。
あっ、説明パネルを撮影するのを忘れました。
未だに根強いファンが存在するクルマです。

ここのクルマだけですが、左のライトがちょっと変で違和感を感じます。
パーツが違うのかな?



ランチャ・フルビア・クーペです。
BMWの2002にも似た、細いA・B・Cピラー、グリーン・ハウスが広くて全方向、良好な視界が得られるデザインです。
現代の車ではこうした設計は、衝突安全設計の制約から実現できないのでしょうか…



この時代のイタリア車…難しそうですね。
アルファロメオなどに比べると、日本ではいまひとつ人気が無かったような気がします。



シトローエンGSです。



2CVやDSパラスなどフランスの香り満載モデルに比べると、それは幾分薄まって「フツ~のクルマ」に近くなりました。
日本でもそれなりの台数が販売されたのではないでしょうか。




トライアンフ TR-4 です。
説明にもあるように、TR-4とは、“Triunph Roadster”の略です。

とても個性的なマスクをしています。
誰とも似ていない…なんてね。




MG-Aもそうですが、1960年代にこうしたオープン・モデルを生産していたイギリスの国力は、他にアメリカあたりしか見当たらないでしょう。



おっ、言っているそばから、日本車の登場!
それもオープン・モデル!
1968年製造ですよ。

日本車も頑張っていました。



“FairLady”は現在でも生産が続けられている現行モデルでもあります。
しかし、いまの方達は、あのフェアレディーが、当初オープンモデルからスタートしたなんてご存じ無い方が多いでしょうね。

私も、サファリ・ラリーで活躍した240Z が好きですよ。



だいぶ近代的なクルマになってきました。
良く目にしたクルマでしたが、乗せてもらったことも自らドライブする機会もありませんでした。



エレガントな香りのするクルマです。



さらにこちらのクルマなど全く無縁の存在でしたね。



どんなクルマなどか想像も出来ませんでした。



こちらはかなり身近なクルマですね。
展示車はかなりくたびれ感が漂っております。



私も、“スバル”というメーカーは好きですよ。
自身で初めて手に入れた「新車」はスバルの“レオーネGS”ってクルマですから、思い出深いです。

“レオーネ”ってクルマは現在では存在しませんが、多分…レガシーの先祖では無いのでしょうか?



こちらも懐かしいクルマです。
軽自動車…360ccのクルマでしたが、今見るとホントに小さいですね。




しかも、当時は「軽免許」というのが16歳で取得できましたから、高校生のクラスメートで「クルマ通学」している人もいましたよ。

バイク通学なんて当たり前で、今みたいに「あれするな、これするな」なんて時代ではありませんでしたね。



従兄弟が赤いS600 に乗っていました。
私のロードス君、NA6CE…ロードスターは“赤”じゃなくちゃ…って言うのはこの頃に「刷り込まれた」のだと思います。

凄くカッチョ良くて羨ましかった…



今でも、ホンダの“S”を見ると、あの頃従兄弟に乗せてもらったことを思い出します。



「へぇ~」って思って横目で見ていましたね。
まだ免許取得できる年齢ではありませんでしたから。






タクシーで乗るしか縁の無かったクルマでした。
ほら、このクルマも、タクシー出身のクルマだと思いますよ。

フロント・スクリーンのところ、見てください。
「空車」って書かれた円形の物体が見えるでしょ?
「賃走」のときはそのレバーをガシッて倒すんですよ。





こちらも思い出深いクルマです。

免許を取得して初めて運転した車ですから…

勿論、相当な中古のくたびれたクルマでしたけれど、初めて「ぶつけた」クルマでもありました。
確か個人宅の垣根代わりの「木」に擦ったように記憶しています。

ピニンファリーナによるデザイン…ということはそれからだいぶ経って知りました。
ダルマみたいなシェープにテールが下がり気味…アメ車のテールフィンがカッチョ良いと思っていた当時のオジサンには、そのデザインは理解できなかったですね。

あとから知ってみると、「ん~、なんとなくアルファーにも似ているみたいで、カッチョ良いかもね…」なんて…適当ですね。




日本自動車博物館のクルマたちって、みんなこのような感慨を与えてくれるんですよ。

来館しているお客さんの話し声を聞いていると(オジサンくらいの年齢の方々が多いような気がしますが…)「あの頃は、あ~だった」「この頃は、こ~だった」「このクルマは、あ~だった」って楽しそうに語り合っています。

タイム・マシーンみたいに、その当時の自らの生活環境の記憶を呼び戻してくれるのですね。

今のクルマたちが「性能」「快適」「安全」「環境性能」など、時代が要求する要件と引き換えに失ってしまったものを思い出させてくれるのも、ここに展示されているクルマ達です。

クルマたちはこれからどう変わって行くのでしょうか…
電気や燃料電池などを使用する、より効率の良い動力装置、完全な自動運転により、事故などの無い、誰もが快適で安全な環境でクルマと生活することが出来る社会がもうすぐ目の前にあります。

でも…それと引き換えに失うもの 免許を取得した40年ほど前、あの青い翼の410で得た「自らの手で運転する」という掛け替えの無い喜びは、確実に失われます。

それは仕方の無いことです。
子供やお年寄りを巻き込んだ悲惨な事故などを無くすためには、正しい選択だと思います。

将来、「クルマの運転」…というのは、乗馬クラブみたいに古典的なスポーツとして、限られたスペースでそれを愛する人たちだけが楽しむものとなるでしょう。

そんな時代に「日本自動車博物館」を訪れたら…
LFAとかの展示を見て、年配の人は(今、幼稚園児くらいか…?)「昔はこういうクルマが街を走っていたなぁ~」と、懐かしみ、子供達は「へぇ~クルマって自分で運転できたの? ずいぶん危険で野蛮な乗り物だったんだね」などと言うかもしれません。


「日本自動車博物館」に展示されているクルマたちは、そのようなことを考えさせてくれるのでありました。



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