2024/06/21放送
「世の光」の時間です。愛知県春日井市にあります春日井聖書教会協力牧師の水谷潔です。
「絶望は愚か者の結論である」という名言があります。これは19世紀のイギリスの政治家ベンジャミン・デイズレーリという方が書物に記したことばです。
「絶望は愚か者の結論である」ということは、賢い者は簡単には絶望をもって結論としない、ということを意味します。賢い者は絶望的な状況にあってもそこに希望を見出そうと努力する、ということでしょう。
実は聖書の中には絶望という結論がひっくり返った事件が記されています。新約聖書ルカの福音書5章によれば、イエス・キリストは湖に漁師の小舟を浮かべ、その船から群衆に教え始められます。話が終わるとイエス様は、漁師であるシモン・ペテロに「深みに漕ぎ出し、網を下ろして魚を捕りなさい」と語り掛けます。それを受けて、シモン・ペテロは「先生、私たちは夜通し働きましたが、何一つ捕れませんでした。でも、おことばですので、網を下ろしてみましょう」と答えます。そして、網を下ろすと網が破れそうなほどの大漁となったのです。
当時、漁は夜に行われました。明るいと網が魚から見えてしまうので捕ることができないからです。夜通し網を何度も下ろすというのは、どんなに大変な重労働でしょう。朝になっても何一つ捕れなかったとするならば、漁師たちの虚しさや徒労感はどれほどのものだったでしょう。
「先生、私たちは夜通し働きましたが、何一つ捕れませんでした。」 そのことばは絶望という結論でしょう。しかし、イエス様のことばだから、という理由で明るい中で湖に網を下ろします。すると、あり得ないような大漁を経験したのです。絶望という結論はひっくり返りました。
イエス様の語りかけを受けてそのことばに従うとき、絶望は希望に転じます。人生に虚しさを感じ、徒労感を覚えるとしても、絶望という結論を出すのはまだ早すぎます。私たちの人生を決して絶望という結論で終わらせることのないイエス様に希望をもって歩みませんか?
( PBA制作「世の光」 2024.6.21放送でのお話しより )
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