2020/11/7放送
世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。ルカ福音書を順番に読んできました。今朝の聖書の箇所には84歳の女預言者アンナという人物が出てきます。
彼女は毎日、神殿に来て祈っている人でした。おそらくアンナの人生は明るかったと思います。アンナという名前の意味は「恵み」です。文字どうり恵みに溢れていたのではないかと思います。ああいい人生だった、と感謝に溢れた人生こそ誰もが送りたいと願っている人生の後半なのではないかと思います。
私たちは多くの場合、人生に幾つもの想いを残していることがあります。後悔することが溢れている。感謝よりも人生の愚痴が出てくることは少なくありません。
しかし、彼女の人生はイエス・キリストに出会えた喜びと感謝に溢れていました。神様はそんな彼女の人生に、「ありがとう」と感謝をしてくださっていたでしょう。 「よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたはわずかなものに忠実であった。」という神様の労いのことばが聖書にはあります。私たちの後悔ばかりの多い人生であったとしても、神様は私たちの人生を「良くやった」とほめてくださり、「良い忠実なしもべだ。ありがとう。」と「わたしのために良くやってくれた。」と言ってくださるのです。
そして私たちが「あなたのために何をしましたか?」と聞くならば、「旅人に水をやり、もてなし、小さな者のためにしたことはわたしにしてくれたことだったのだ。」と言ってくださるのです。「白髪は我が栄えの冠」と「わたしの冠だ」と世界中に向かって私の人生を神様が誇りに思ってくださる。 神様の栄光だと言ってくださるのです。
私の祖母の人生の最後は認知症を10年近く患いました。戦争中、夫とともに中国に渡り、戦後、娘を死に物狂いで連れて帰り、貧しさの中を生きた祖母の人生の最後は、自分で話すことを後ろに置き、自分で歩くことを後ろに置き、自分で食べることも後ろに置いて生きました。 しかし、ベッドのそばで賛美を歌うと涙をすっとこぼします。礼拝に出られる時には「主の祈り」と言うと、大声で「天にまします」と主の祈りを唱和しました。どれほど神様は、この人生を誇りに思われたかと思います。
私たちの人生の最期も、神様が誇りに思ってくださる、そんな光栄なことがあるかと思います。私たちも最後の最後まで神様に喜ばれる人生を歩んでいきたいと思います。
( PBA制作「世の光」2020.11.7放送でのお話しより )
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