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敵意克服へ努力を 哲学者カントの『永遠平和のために』

2015-05-22 11:15:49 | 本や言葉の紹介

 哲学者カントが書いた『永遠平和のために』って、国際連合創設の基となり、日本国憲法の「第9条」の基本理念となったものなんだって。

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★第9条
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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 18日の東京新聞「東京エンタメ堂書店」で、『永遠平和のために』を訳した池内紀(いけうち・おさむ ドイツ文学者、エッセイスト)さんが発言しているので抜粋します。

 ここに展開されているのは、国どうしがともに仲良くといった情緒的な平和論ではないだろう。
 カントによると、戦争状態、つまり敵意がむき出しというのではないが、いつもひそかな敵意のわだかまっている状態こそ「自然な状態」であって、だからこそ政治家は平和を根づかせるために、あらゆる努力を続けなくてはならない。
 ガイドライン関連法改正、特定秘密保護法、そして集団的自衛権の行使容認。安倍政権の誕生以来、きわどい法案が、つぎつぎと成立していく。与党協議だけで憲法の中身を変えてしまった。世論を一定の方向へ誘導する言説が一部マスコミをにぎわしている。平和を根づかせる努力は我慢と知恵がいるが、人間的な「自然な状態」を煽り立てる言説はたやすいのだ。カントによると、その手の政治家は「迅速な決断」を誇りつつ、考えていることはひとえに現在の世界を「支配している権力」に寄りそい、「自分の利益」を失わないこと。ただちに身近なあの人、この政治家が思い浮かぶのではなかろうか。


 うん、いろんな人がいろんな考え方をするということを理解することは、とても大切なことだね。自分には敵意も悪意もないけど、だれかが理由もなく自分にむけてそういう思いを持ってることもあるから、政治家じゃなくても、いろんな可能性を考えて「平和を根づかせるために、あらゆる努力を続けなくてはならない。」ことがあるよ。「我慢と知恵」で、「煽り立て」にのせられないようにしよう。