ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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「現代人の祈り 呪いと祝い」から

2013-04-22 10:03:38 | 本や言葉の紹介

中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 この三人の対談・鼎談なら面白そうだなと思って読んだのが「現代人の祈り 呪いと祝い」(釈徹宗 内田樹 名越康文 サンガ新書)。はい、おもしろかったので、抜粋してご紹介。

●「第2章 お坊さんと精神科医による人間分析」から 
 不条理な苦悩に向き合うためにこそ仏教の教えはあると言っていいでしょう。いや、あらゆる宗教というのは、「生きていることは不条理である」というところから出発しているのかもしれません。その上で、いかにその不条理な苦悩を引き受けて生き抜くかという知恵の結晶が宗教です。
 
 宗教のイメージ、いつからうさんくさいものになったんだろう。
 「何か宗教をやってますか?」と聞かれたら、「まさか」とか「いいえ、そんなあやしいものは全然!」なんて答えるのがふつうになってるものねえ。
 

●「第3章 顔と人格」から
内田 統合失調症の典型的な特徴は「こだわり、プライド、被害妄想」だそうですね。これが出てきたら要注意。でも、今の若い人たちはまさに「こだわり、プライド、被害者意識」で固まっているじゃないですか。「自分なりのこだわり」みたいなことを平気で口走るでしょう。無根拠にプライドも高いし、自分が出世できないのも、モテないのも、すべて「世の中が間違っているから」で説明しちゃうでしょ。みごとに三つ揃っている。それじゃ統合失調症まっしぐらじゃないかと思うでも、これって社会全体の流れですよね。そういう精神のありかたのほうへ行きなさいと社会全体が若い人たちを誘導している。

名越 僕は1988年から精神科医をしています。ところが、開業した1999年ぐらいを境に診断が難しくなってきたんです。一般の人の表情の硬さと本当の統合失調症の人の表情の硬さとの間に、差がどんどんなくなってきた。統合失調症の人を診断するのは、ある意味で段違いに難しくなっています。それは社会的な側面がすごくあるんです。

 「こだわり、プライド、被害者意識」で固まっているのは若い人だけじゃないけど、若い人たちの場合は大きな流れになっているってことなんだろうな。でも、「社会全体の流れ」とか「社会的な側面」とかって、それはどういうものなのかもっとくわしく説明してほしかったなあ。