ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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「14歳からの原発問題」1/4

2013-03-16 09:21:57 | 原発

中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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  「14歳からの原発問題」(雨宮処凛(あまみやかりん) 河出書房新社 2011年9月30日初版発行)
  これは、「3月11日に原発事故が起きるまで、「原発」については恥ずかしながら無関心だった1人」という雨宮さんが、考えれば考えるほどわからないことばかりなので「だれか教えて!」とさまざまな専門家に話を聞いた、“まったくの素人が取材した原発に関する本”です。だからこそわかりやすい。
 3・11直後から数か月のあいだにできた本なので今とは状況が違っているところもあるけど、原発に関する基本的なことは変わっていません。
 あのころからどのように変化してきたのか、今はどんな状況になっているのかを考えて、今の状況を確かめるためにも、よい方向へ進めていくためにもぜひ読んでほしい本です。

  章の並び順とは違う流れになりますが、抜粋して、4回に分けて紹介します。
 厳しい状況やびっくりすることを抜粋していますが、「14歳からの原発問題」にはどうしたらいいかや提案なども書かれているので、ぜひ読んでみてください。


●第5章  そもそも原子力発電って何!? ――「はんげんぱつ新聞」編集長・西尾漠さんに聞く

 例えば火力発電は、石油や石炭を燃やして水から蒸気を作って、その蒸気でタービンを回して発電します。原子力発電所は、石油や石炭を燃やすかわりに原子力を使います。物質の大本になっている原子核が壊れ、壊れたその破片が飛び出す時の熱を使って水から蒸気を作ります。そこから先は火力発電と基本的には同じ流れになります。
  ――どうしてその発電方法がそんなに危ないものなんでしょうか。
 原子核が割れた時にできるカケラというのが、放射能を持っている放射性物質(一般的には、放射性物質そのものも「放射能」と呼ぶ)なので、放射線を出します。その放射線が身体に当たると、たくさん浴びればすぐに病気になるし、それほどたくさんじゃないとすぐには何も起きないけど、何年、何十年か経つと癌になったりいろんな病気になる。それが一番怖いことだと思います。原子力発電所の中では放射能が外に出ないように一応閉じ込めているんですけど、今回のように事故が起きるとそれが表に出てきてしまうんです。

 ――原発はいろいろな問題を抱えていますが、廃棄物やゴミの処理も深刻です。
 まず、ウランを使って燃料を作ります。原子炉で燃やす。燃やしたあとの後始末が一番大きな問題になるわけですね。燃やしたあとの使用済み核燃料の中には核分裂をしたカケラである放射能が含まれるわけです。
 使用済み核燃料をどうするか2通りあって、いずれにしてもそれを最終的に処理した国はどこにもない。
 ――まだ誰も処理できていないんですね。

 ――(使用済み核燃料を再処理したあとの高レベル廃棄物をガラス固体化したものや廃棄物は)どれくらい経ったら安全で、どうなったら最終的な処分ができたと言えるんでしょうか。
 ガラス固化体はまずは熱を冷やすために、数十年保管をしておいて、それから地下に埋める。埋めたあとどれくらいの年月が必要かというのが国によって考え方が違うんですけど、1万年とか10万年とか。
 今のうちに地下深く埋めてしまえばたぶん地層が守ってくれるだろうという話ですけど、守ってくれるかどうかなんてわからない。

 ――原発が停止されたとしても課題は残りますよね。
 全部廃炉になったとしても使用済み燃料は残っているわけですし、放射性廃棄物は残っているわけだし、福島の事故で出た放射能も残っている。
  あまりに危険すぎて人間の手には余るものをあえて使う必要はないよねえ。

●第6章  20キロ圏内にとり残された動物たち ――獣医・なかのまきこさんに聞く
 小見出しをいくつか抜粋します。
・おうちの前で飼い主の帰りを待つ犬
・餓死を待つかのような政府の対応
・チェルノブイリでは、家畜は全頭避難した

  アメリカでは、建てたけど稼働させていない原発があるそうです。
 住民が、何かあったときにペットをつれて避難できないということに気がついて、稼働に猛反対したからとのこと。
 その感覚を私は支持するなあ。