中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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見覚えのない電話番号からの電話。いたずら電話かなあと少しへこみながら出たら、
「松井さん? あたしよ。お年賀状を早々とありがとうございました。声を聞きたくなっちゃって」
「えー! おかあさん?!」
十条の齋藤酒場のおかあさんがお電話をくださったのでした。
だいぶご無沙汰していたのでどうなさっているかなあと思っていたのですが、いつもどおりのかわいいお声を聞けてうれしい。でもそのあとのお話でびっくり。
「引退したのよ、12月で。だからお店にはいっさい出ないことにしたの。3月になったら81歳だもの」
えーーーー
「じゃあ客席にいてください」なんて言ったら笑っておいででした。
いろいろとお話ししてくださって、「お酒は飲めないからランチをご一緒しましょうね」とおっしゃってくださって、まあなんとうれしいこと![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
なによりも、私のことを「お友だちだから」とおっしゃっていただけたことが最高のお年玉です。
齋藤酒場は、ご家族と長年おつとめのかたたちの接客が気持ちのよいお店。で、なんてったって、いろんなお店をご存じのあの太田和彦さんが「日本一の女将さん」と評したおかあさんがすてきでねえ。にこやかなお顔、鈴をふるようなかわいいお声、飲み過ぎのお客や険悪な雰囲気になりそうなお客にはやわらかいけど毅然とした声かけ等々、いつも見ほれていました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyob_uru.gif)
おかあさんにはいろいろ心配していただいたなあ。最初は男友達に一緒に行ってもらって、そのときにおかあさんに「女の私一人で来てもいいですか」と聞いてご了承いただいたんだけど、女性といったら年輩のご夫婦で来るお客さんぐらいだったときのころからちょろちょろうかがっていたから、最初は変なやつだと思われていたんだろうなあ。
書籍編集がいそがしくってけっこうよれよれになっていたし、ほかのお客さんにご迷惑をかけてしまったらお店の評判に関わると思われても当然だったなあと、今になってみれば思います。
まあ、素性というか、どこに住んでてどんなことをしているかなどを知っていただいたあとでも気にかけてくださったから、私の人間ができていないことがまるわかりですな。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ase.gif)
お店での姿、ふうるふうるに来てくださったときのこと、折々にお話ししてくださったこと等々、文武両道で粋で優しい生き方をかいま見せていただけて、私は幸せ者だと思っています。本当に見習いたいすてきなおかあさんなのよ。
さびしいけど、「今までできなかったことをやれるようになって嬉しい」とおっしゃっていたから、いい形になったんだよね。
息子さんご夫婦の代になったんだなあ。チイママなんてちょいとふざけて呼んでいたかたが、チイがとれてフロアの責任者だ。いいお店が続いていってくれてめでたいことであります。