ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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能面の般若はなぜこの名前?

2008-11-30 10:38:00 | 本や言葉の紹介
 武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
        (↑これをクリックするとホームページに行きます)



 お能の、嫉妬のあまり鬼のような形相になった女性を表現する面を般若(はんにゃ)と呼びます。
 般若って仏教では悟りの知恵のことを言うのに、なぜ能では女性の嫉妬の悲しみと怒りの極限の面を般若というのかなあ? 
 何となく疑問に思っていたのですが、調べもしませんでした。
 先日図書館で、白洲正子さんの「お能の見方」(新潮社)が新着図書コーナーに展示されているのが目についたので、今月上旬に見たお能について再確認しようと思って借りてきました。
 読んでみたところ、「あっ!」。

 「恐しい鬼の面に般若(知恵)の名が与えられたのも、それが悟りの道へ到達するひとつの状態だからといえましょう。」

という言葉があったのです。


 あらためて般若という名前のいわれを調べてみたら、
1.名前は面打ち、般若坊の創作からとった名。
2.般若心経で心機一転する怨霊
3.梵語の「智慧、知恵」を意味する。
とありました。

 ちゃんと“梵語の「智慧、知恵」を意味する”と解説されていますが、今より前にこれを目にしても読み過ごしていたでしょう。今だからこそ白洲さんの言葉を漫然と見逃さずにすんだのだと思います。
 “流れのままに”たどれたことに感謝。ありがたいです。

 (……だいじょうぶ、その思いはそこから飛躍するためのステップのひとつにできるんだよ……)