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石破農相「減反政策見直し」、総選挙前に自民離れ加速も

2009-01-15 23:49:41 | その他社会・時事
石破農相「減反政策見直し」、総選挙前に自民離れ加速も(読売新聞)

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 石破農相が昨年末に打ち出した、コメの生産調整(減反政策)の制度廃止を含めた見直し発言が波紋を呼んでいる。

 約40年間にわたって国内のコメの価格を維持するために続けられてきた減反政策は、制度内容が頻繁に変わり、農家の生産性向上といった構造的な問題の解決に役立っていないとの指摘が多い。総選挙を前に農家を支持基盤に抱える自民党が、減反の抜本見直しに踏み切れるのか注目される。

 ◆石破発言

 石破農相は昨年12月28日に今後の農政について記者団に「いろいろな角度から減反政策について見直す。タブーを設けず、あらゆることが可能性として排除されない」と述べ、廃止も検討対象になることを示唆した。農水省は今月末から農政の基本計画の改定作業に着手し、今夏にも結論をまとめる意向だ。

 減反は国民がコメを食べる量が減り、コメが余ってきたため、農家の収入が減ることに歯止めをかけるため、1971年度から始まった。作付面積を減らしてコメの価格を維持しようとした。現在、約270万ヘクタールの水田のうち、減反政策によって、コメの代わりに約4割で麦や野菜などが作られたり、休耕田となったりしている。

 しかし、減反政策の中身は様変わりしてきた。最近でも、06年度から政府は、翌年のコメの目標生産量を提示し、都道府県に配分したが、実際にコメ農家がどれだけ生産するかは、農協や農家が独自に決める仕組みに変えた。この結果、コメの過剰作付けで、コメの生産量が増え、価格が最大10%程度も下落してしまった。

 07年度は、割り当てた目標を達成するために、地方自治体や農協への締め付けを厳しくしたが、効果が上がらず、生産量が増え、価格低迷が続き、農家の不満は募るばかりだ。

 ◆廃止?

 減反政策の問題点について、石破農相は、「『正直者がばかを見る』といった形が払拭(ふっしょく)できない」と語っている。減反でコメの作付面積を減らした結果、価格が維持されたとしても、協力せずに、自由に作る農家が価格維持の恩恵を受けるからだ。石破発言の背景には、選挙をにらんで、問題を放置すれば農家票の自民離れを助長しかねないとの懸念があるが、同時に減反政策の制度疲労を浮き彫りにする狙いがある。

 専門家も、コメ価格維持の効果について、東京大学の生源寺真一教授は「コメは多様な銘柄と産地によって価格が異なる。コメの生産量の総量(を制限する)目標を達成しても価格を維持できる保証はない」と指摘する。九州大学の伊東正一教授も「減反で(コメの生産量が減るため)農家が生産性を高めることが難しい」と指摘する。

 経済産業研究所の山下一仁上席研究員は、廃止した場合、1万4000円(60キロ・グラム当たり)が9500円に低下すると試算する。価格下落で、国内の需要が増え、さらに価格低下分の8割を農家に補填(ほてん)するとしても、現在の転作補助金と同程度の1600億円で済むと主張している。

 世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が再開し、仮に大枠合意すれば、コメの輸入枠が拡大し、安い輸入米が国内に多く入ってくる。株式会社が参入しやすくするなど農業の担い手を増やす抜本策が必要だ。

 ただ、農家には減反を支持する声も根強く、自民党農林族議員なども減反の抜本見直しに反発する可能性が高く、見直しを巡る議論は難航しそうだ。(幸内康)
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石破農相の減反見直し発言を、当ブログは歓迎する。石破氏のことを単なる軍オタと思っていた認識は、改めなければならないかもしれない。

コメ余りの原因は、食生活の多様化に伴うコメ需要の減退にあるのであり、決して農家のせいではない。加えて、現在の家族的自作農制度の下では、コメ価格がそのまま農家収入となるから、食生活の多様化に伴うコメ余りで価格が低下し、それによって農家収入が減ったとしても、それも農家の責任ではない。農政を論じるに当たっては、この点を押さえておかなければならない。

食糧自給率を上げようというスローガンを掲げながら、コメを作りたい者に自由に作らせない減反制度は明らかにおかしい。「現実にコメが余っているじゃないか」という反論はあるかもしれないが、それはコメ以外の食料で国民がカロリーを摂取できるから「今は」そうだというだけのことである。将来、食料輸入が途絶し、日本国民が国内自給できるコメと芋しか食べられなくなったとき、当ブログのおおざっぱな試算では年間2400万トン程度のコメが必要になる。それは、現在の国内年間コメ生産量の3倍にも相当する。

その程度の知識もないのに、したり顔で「コメ余り」などとのんきなことを言っている評論家は、私が説教してやるから出てこいとすら思う。連作障害もなく、日本の気候風土にもっとも適したコメを作っておけば、加工用(煎餅など)、備蓄用、飼料用、緊急支援的輸出用などいろいろな用途に使える。

その上で、価格が暴落して農家が食えないという事態にならないよう、当ブログはコメの価格下支え政策の導入を提言する。コメの最低基準価格(例えば1俵1万5000円)を決めておき、市場価格がそれを下回った場合には、差額を農家に補填するようなシステムを導入するのである。そうすれば、農家は安心して生産に励むだろう。

ただ、現在のコメ余りが需要の減退から起きていることを踏まえるならば、ただ作れ作れと奨励するだけではいけない。消費刺激策を考えないと、増産したコメがそっくりそのまま備蓄用倉庫行きという事態になりかねないからだ。「朝は和食」キャンペーンとか、学校給食はコメを原則、パンを例外に改めるとか、とにかくいろいろなアイデアを出して消費刺激策を考える必要があると思う。

大阪の大衆食堂には、「お好み焼き定食」(お好み焼きをおかずにしてご飯を食べる)という信じがたいメニューがあるが、お好み焼きとご飯なんてとてもじゃないけど食べきれないという人々のために、お好み焼き定食を「半ライス、半お好み焼きセット」にアレンジして全国普及をはかるなどというのも、コメ消費の拡大のためには面白いかもしれない。

そうして消費拡大を図り、同時に価格を下支えしながら、増産体制を確立していくことが食糧自給への最短経路である。消費が拡大すれば、価格は必然的に上昇するから、価格下支えのための補助金支出も徐々に必要がなくなり、コストも下がる。この段階にくればあらゆる政策が軌道に乗るだろう。

今回の減反見直しが正式に国の政策となるかどうかは、夏にとりまとめられる提言をみなければわからないが、せっかく農水相からこのような思い切った発言が出たのだから、これを機に食糧自給を達成していくための方法について、あらゆる角度から議論が広がっていけばよいと思っている。

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八戸―青森間の鉄道資産、83億円で購入へ

2009-01-14 21:35:43 | 鉄道・公共交通/交通政策
県:八戸―青森間の鉄道資産、83億円で購入表明 県議会特別委に報告 /青森
(毎日新聞青森版)

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◇「貢献策」への質疑相次ぐ
 2010年の新幹線新青森駅開業に伴う並行在来線(青い森鉄道)の延伸問題で、県は8日、八戸―青森間(96・0キロ)の鉄道資産を約83億7000万円(消費税含む)でJR東日本(東京都)から譲渡してもらうことを県議会の新幹線・鉄道問題対策特別委員会に報告した。委員は「一定の評価ができる」とする一方、「納得できない」との意見も出していた。

 県によると、JRから鉄道資産を取得する際、96年度の資産ベースで約160億円がかかるという。05年8月ごろに始まった両者の協議で、県側は「無償もしくは低廉な価額」での譲渡、JR側は簿価(約160億円)での譲渡を主張していた。

 協議の結果、昨年12月26日、三村申吾知事と田中順造県議会議長、JR東日本の清野智社長が会談し、約83億円で譲渡することでまとまった。一方、開業までに駅舎をはじめとする鉄道施設を修繕し、開業後は新リゾート列車の導入やJRからの出向社員に支払う給料の負担軽減、観光キャンペーンへの取り組みなどをJRが行うという。県は「JRによる貢献策は『100億円+α』で、実質的県負担はゼロ」としている。

 8日の特別委員会で、古村一雄委員(県民クラブ)や伊吹信一委員(公明・健政会)らから、「100億円+α」の根拠や譲渡価格が県財政に与える影響などを問う意見が相次いだ。だが、蝦名武副知事はJRの貢献策について「感触としては得ているが、JRとの約束で言えない」と述べるにとどまった。JR東日本本社広報部は「3年半にわたって精力的に協議を進めてきた結果、譲渡価額について青森県とおおむね合意に至った。今後、譲渡契約に向けて最終的な調整を進めたい」とコメントした。

 譲渡価額の支払いについては、最大70%まで起債し、残りは積立基金を崩していく方針で、県議会に承認を求めるのは来年9月の定例会ごろになる見込み。

 青い森鉄道は、県が鉄道資産を所有し、JRからの出向社員を含む第三セクターが旅客運送をする「上下分離方式」を採用している。【後藤豪】
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青森県のサイトによれば、同県の予算規模は約7000億円。83億円は県予算の1%を超える数字であり、財政基盤の脆弱な地方にとって決して安い買い物ではない。議員たちが積算根拠を求めるのは当然だろう。

青森県は「JRによる貢献策は『100億円+α』で、実質的県負担はゼロ」と説明しているようだが、それはあくまで「譲渡時の負担」に限った話である。鉄道譲渡後は県が施設保有者として保線などの維持管理を行わなければならないわけだが、この記事にはどういうわけかこのランニングコスト部分が出てきていない。実際には、鉄道は譲渡を受けてからの方が金がかかるにもかかわらず。

83億円が高いか安いかと言えば、青森県は傲慢不遜な巨大企業・JR東日本を相手によく値切ったとは思う。鉄道が、施設を使用させてその対価で稼ぐ特殊な産業であることは、当ブログでもかねてから指摘しているわけだが(過去ログ)、その特性ゆえに鉄道は、生産設備が老朽化すれば減価償却と称して帳簿価格を下げればよい他の産業とは違う。鉄道施設が老朽化すればそれに見合うだけの資本を投下して施設・設備を維持しなければならないから、鉄道施設の簿価は他産業の減価償却設備のようには低下しない。その中で青森県は半額に値切ったのだ。

県の財政の1%を拠出して、青森県が東北本線の一部である輸送の大動脈を買い取ることに当ブログは反対ではない。国民・地元住民が望むなら、公共交通は採算を度外視してでも維持すべきものであり、このような選択肢は当然あり得るものだ。

むしろ、当ブログが疑問視しているのは以下の2点である。

1.施設を買い取ることで、青森県が未来永劫、保線などの維持費を拠出しなければならないことを県がきちんと議会や住民に説明しているのか。また、そのようなランニングコストにいくらかかり、それは県が拠出すべき金額として妥当かどうか。

2.「新幹線が開業したら在来線はご苦労さん」という現在の鉄道政策は、地方切り捨てであると同時にJRの公共性放棄であるが、青森県がこうしたJRの地方切り捨てと公共性放棄について、どのような見解を持っているのか。

私のブログなどどうでもいいから、県民に対し、青森県はこれらの点をきちんと説明し、理解に努めてもらいたいと思う。

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堺のヘリ2人墜落死の原因は「乗客が機長席で体験操縦」

2009-01-13 23:57:17 | 鉄道・公共交通/安全問題
<堺ヘリ事故>乗客が操縦と推定 運輸安全委が報告書作成へ
(毎日新聞)

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 堺市で07年10月、南海高野線線路上にヘリコプターが墜落して操縦士と乗客の2人が死亡した事故で、運輸安全委員会は、乗客の男性(当時44歳)が機長席に座って操縦かんを握っていたと推定する事故報告書をまとめる方針を決めた。

 事故は10月27日午後3時ごろ発生。大阪・八尾空港を離陸した「大阪航空」(八尾市)の小型ヘリコプター「ロビンソンR22Beta」が高野線の線路上に墜落し、操縦士の男性(当時40歳)と乗客が死亡した。

 安全委の調査で、ヘリの体験飛行に申し込んだ乗客が右側の機長席に搭乗していたことが判明した。同機は操縦かんがT字型で、左右両席から操縦できる仕組み。離陸後から不自然な飛行をするレーダー記録が残っていることなどから、乗客が操縦かんを握り、操縦を誤って墜落につながったと推定した。

 この事故を巡っては、国土交通省が事故3日後に行った大阪航空本社への監査などで、同社が事故以前にも無資格の乗客を機長席に座らせたり、操縦かんを握らせたことが判明。国交省は07年11月、乗客は機長席に座らせず、安全確保に関する事前の説明を尽くすよう業務改善勧告を行った。【窪田弘由記】
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昨年10月、航空・鉄道事故調査委員会と海難審判庁を統合して発足した新組織、運輸安全委員会。その記念すべき事故調査報告書第1号がこんなふざけきった事故とは…。調査に付き合わされた調査官が不憫に思えてくる。あまりにもばかばかしい事故であり、これ以上のコメントはしないが、ひとつだけ。

このようなふざけきった航空会社からは、免許を剥奪すべきである。

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EF55ファン感謝祭

2009-01-12 23:15:30 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
EF55ファン感謝祭(高崎支社)なるイベントが。

ああ、行きたい、でも行けない…

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EF55のラストランを追って

2009-01-11 23:58:49 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
過去ログでお伝えした通り、「ムーミン」の愛称で知られるEF55型機関車の引退運転も終盤を迎えた。ちょうど、関東方面に行かねばならない用事があったので、正月に使い残した青春18きっぷの最後の1枚を使い、普通列車を乗り継いでラスト運転に出かけてきた。

新白河から小山まで普通列車を乗り継ぐ。小山からは両毛線で高崎へ。そして高崎から信越本線に入る。高崎以西の信越本線に乗るのは、1997年の「横軽」廃止の時以来、12年ぶりだ。

信越本線の、わずか2両の電車に乗り継ぐと、車内は鉄・鉄・鉄…。「いつもは空いている電車なのに、どうしたんでしょ」と地元の女性が驚いているので事情を説明する。しかし、12年前の横軽廃止の時は、駅舎内はおろかホームの上でも身動きが取れないほどの大混雑だったことを思うと、この程度の人出は混雑のうちにも入らないというのが正直なところである。

そして、磯部駅で撮影したのがご覧の写真である。後部補機としてDD51がつき、プッシュプル運転になっているのは、機回しができないためだろう。

さて、このEF55の引退運転、いよいよ1月17~18の週末が最後である。体調及び天気と相談しながら、場合によってはもう一度出かけることもあるかもしれない。

なお、撮影の合間に、未乗区間だった上越線(新幹線)越後湯沢~ガーラ湯沢間に乗車してきた。この区間は、ガーラ湯沢スキー場への輸送が唯一の使命だから、12月から5月の連休までの期間しか営業していない。私にとってもっとも動きやすい夏から秋に営業していないのでこれまで乗れずにいたが、一念発起して乗ってきた。

この区間の営業キロはたった1.8km。ここを乗るためだけに新幹線でアクセスするというのは経済的には痛いが、これから残りの14%は多分こんな路線ばかりだと思うし、正直、これなんてかわいいもんだと思う。全線通して走る列車が1日3往復しかない岩泉線なんてホント、どうしよう。

鉄道ファンの方は先刻ご承知とは思うが、越後湯沢~ガーラ湯沢間は「新幹線列車しか走らない在来線」という珍しい路線でもある。これと同じ形態のところに博多南線があるが、博多南線は、九州新幹線開業時にその一部となる予定だ。その際は、在来線から新幹線に変更されると思われるので、やがてこの形態を取る路線としては越後湯沢~ガーラ湯沢が日本唯一の存在になると思う。

ちなみに、博多南線と越後湯沢~ガーラ湯沢が新幹線ではなく在来線として認可された理由は、運転速度が在来線並みであるということにつきる。現在、新幹線を定義づけた法律は「全国新幹線鉄道整備法」が唯一と思われるが、同法第2条で新幹線が「その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と定義されているためだ。博多南線と越後湯沢~ガーラ湯沢は、この定義に該当しないため、在来線として認可されることとなったのである。

また、在来線であるにもかかわらず、全列車が特急列車で普通列車が運行されていないため、博多南線と越後湯沢~ガーラ湯沢は青春18きっぷが使えない。これも、JR線では珍しい部類である。

【完乗達成】上越線(新幹線)越後湯沢~ガーラ湯沢

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製造業派遣解禁「止められず申し訳ない」広島労働局長

2009-01-07 21:30:48 | その他社会・時事
製造業派遣解禁「止められず申し訳ない」広島労働局長(朝日新聞)

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 厚生労働省広島労働局の落合淳一局長は6日、広島市で開かれた連合広島の旗開きで、製造業への労働者派遣が解禁されることになった03年の労働者派遣法改正をめぐって「申し訳なかった」と発言した。

 落合局長は来賓あいさつで「制度を作ったのはだれか、といわれると、内心忸怩(じくじ)たる思いがある。(厚生労働)大臣が見直しに言及しているので、私がここで言ってもクビにならないと思う」と前置きし、「私はもともと問題がある制度だと思っている。しかし、市場原理主義が全面的に出たあの時期に、労働行政のだれか一人でも、職を辞して止めることができなかったか、ということには、私は小輩、軽輩であるが、謝りたいと思っている」と述べた。

 さらに「派遣労働者は同じ職場の仲間と認識すべきだ。(雇用を)中途解除してはいけない。中途解除と期間満了とは異なる、と声を大にして指導したい」と語り、解雇された派遣労働者の住居確保などについて連合広島にも協力を求めた。

 落合局長は朝日新聞記者の取材に対し、法改正当時は(厚労省の)賃金時間課長で改正には関与していないと話した。発言の意図について「大臣に代わって大言壮語しようとは思わないが、今日の(派遣労働者の解雇や住宅問題の)一因が役所にあると、役所の誰かが認めなければいけないと思った」と説明した。
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政府方針に縛られている公務員にしては「勇気ある発言」とは思うが、局長自身が述べているように、情勢が変わったことも大きな原因だろう。

だが、「国の政策を職を辞して止めさせる」というあり方には、私は率直に言って疑問だ。イラク戦争が始まったときも、駐レバノン大使だった天木直人氏が、大使の職を辞したが結局何も変わらなかった。言い方は悪いが、首切りにあった派遣労働者と同様「お前の代わりはいくらでもいる」のだ。

むしろ、間違った政策が進んでいると思うなら、国の中にあって政策を変えさせる努力をすべきではないか。「国会が決めた法律に公務員が逆らうのか」という声も聞こえてきそうだが、今の衆議院が民意を反映した議席構成かと聞かれてイエスと答える人は少ないだろう。「天の声にもたまには変な声がある」と言った首相もいるが、国会の議席構成はすべてではないと心得るべきだ。その上で、どんどん思っていることを発信していけばよいと考える。もちろん、自分の所属する組織の中で発言の場が与えられるなら、それに越したことはないが…。

今回の広島労働局長の発言は、誠実な一公務員が率直な心境を吐露したものであり、好感を持って受け止める。先の田母神発言のような放言とは次元が違うのである。

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年末の新幹線システム障害は「前日のダイヤ乱れで修正が限界超え」

2009-01-06 21:19:24 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR東が新幹線システム障害の原因発表、前日のダイヤ乱れで修正が限界超え(ITpro(日経コンピュータ))

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JR東日本は2009年1月5日、昨年末に東北・上越・山形、秋田の全新幹線がシステム障害で運行できない状態となったトラブルについて原因を発表した(関連記事)。それによると、運行システム内のデータの日付が不正な値になり、その修正に時間がかかったという。

 トラブルは新幹線の車両やダイヤ、乗務員割り当てなどの運行全般を管理する情報システム、COSMOS(COmputerized Safety Maintenance and Operation systems of Shinkansen)で発生した。昨年12月29日の早朝にシステムを操作したが、始発の営業運行に向け列車が割り付けられなかった。

 引き金となったのは、前日28日の長野新幹線の車両故障や山形・秋田新幹線の強風や雪害。その影響ですべての列車の運行が終了したのが29日の午前1時33分だった。その後29日の臨時を含めて389本の列車が運行できるよう、車両を留置する場所などのデータを変更。作業は午前5時45分まで長引いた。

 COSMOSでは午前5時までに運行データを修正し、その日の営業に利用する仕様となっている。しかし当時は午前5時以降に日付を切り替えたため、作成した運行データが1営業日後の30日のものになってしまった。つまりCOSMOS上に29日の運行データが存在しないため、トラブルが発生した。最終的に運行データの日付を修正した後の午前8時55分、東京駅から始発電車が出発することとなった。最終的に運休や遅延で13万7700人の乗客に影響が出た。

 JR東はダイヤの混乱が深夜に及ぶ場合、運行データを変更する量を制限したり、人員など体制を強化するとしている。
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年末の新幹線のシステム障害について、日経コンピューターのサイトに詳報が出ている。さすがはIT系サイトだけのことはある。

COSMOSが導入されたのは1995年だったと記憶している。当時、長野新幹線はまだ開業していなかったから、COSMOS導入後に一気に列車本数が増えることになったわけだ。とはいえ、2年後に長野新幹線が開業することは初めからわかっていたはずだから、それを織り込んでシステムを構築しているはずであり、列車本数の激増がトラブルの原因とは考えにくい。

ATC自体はCOSMOSとは全く別のシステムで制御されているから、COSMOSのトラブルが直ちに事故につながることは考えにくいが、この状態で列車だけ走らせたとしても、表示と違う列車が到着したり、停車位置が予定と全く違っていたりするわけだから、各駅は大混乱に陥っただろう。

変更データ入力の締め切りを午前5時に設定しているのは妥当だと思う。COSMOSの変更データ入力を午前6時以降も認めるとしたら、始発列車が発車後、現に走行中の列車のデータが書き換えられることになり、大混乱が起こることは容易に想像できる。一方、午前4時以前に締め切った場合、今回のような大規模な運用変更に対応できず、入力が時間切れになってしまうおそれがある。

変更データの入力期限を、始発列車の車両が基地から駅に向けて動き出す午前5時半以降でもなく、無駄な余裕時間が生まれるだけでメリットのない午前4時以前でもなく、午前5時としているのは早からず遅からずの絶妙な時間設定だと思う。この設定自体は今後も変更されないだろう。

むしろ、今回の混乱の原因は、余裕を持った態勢を構築できず、東京に1カ所しかないCOSMOSセンターでJR東日本管内の5新幹線のデータを一斉に入力しようとしたことに原因がある。その上、別の報道によれば、自社のシステムでありながら、その変更データの入力期限が午前5時であることをJR東日本は全く知らなかったという。下請け企業にアウトソーシングした事業に関しては知ろうともしない、このような官僚的企業体質もトラブルの根底にある。

別のサイトの記事によれば、お手上げとなったJR東日本は、COSMOS保守業者の担当者を呼び出し、システムの入ったコンピューターの時計を午前5時前の時刻まで巻き戻してデータ入力をしたところ、復旧したという。なるほど、その手があったかと感心したが、一方で今回このような手が使えたのは、COSMOSが制御しているJR東日本管内の5新幹線が全面ストップしていたからである。一部でも正常運行している新幹線があれば、走行中の列車のデータが突然過去に戻ってしまうため、この手は使えないわけで、「一部正常運行、一部不通」という状態で、今回のような事態が起き、時計も巻き戻せないという状況になったらどうするつもりなのだろうか。おそらく、データ入力が間に合わなかった新幹線は終日運休とならざるを得ないだろう。

JR東日本が、今後、大規模なダイヤ混乱の場合に「運行データを変更する量を制限したり、人員など体制を強化する」としていることは結構なことである。しかし、今後、東北新幹線は新青森まで延び、やがて北海道新幹線と一体となって函館まで到達する。列車本数はさらに増えることになるわけだ。単純比較はできないが、東京・大阪の2カ所に運行システムを設け、JR東海・西日本と運行会社も異なる中で、国鉄時代からの協力態勢を維持し、分担してデータ変更作業を行っている東海道・山陽新幹線のようにしてほしいと思っている。

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大成功した「年越し派遣村」と貧困問題

2009-01-04 22:46:12 | その他社会・時事
生きる希望、派遣村がくれた…失業・自殺未遂から再起誓う(読売新聞)

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 職や住居を失った人たちが身を寄せる東京・日比谷公園の「年越し派遣村」には、3日も新たに入村する人たちが相次いだ。

 入村者の中に、生きることに絶望し、元日に自殺を図るまで追いつめられた男性(46)がいた。家庭崩壊、長年のネットカフェ生活、そして失職。男性は、偶然知った「派遣村」で励まされ、「もう一度生きてみよう」と自分に言い聞かせていた--。

 「もう仕事はない」。日雇い派遣労働者だった男性が派遣元の担当者から告げられたのは、昨年末のクリスマスイブだった。約7年間続けた製本の仕事は日当6840円。週5日働いてきたが、泊まり続けたネットカフェは1日1000円以上かかった。大みそかの朝、所持金は200円になっていた。「もう死ぬしかない」。あてもなく歩き始めた。

 男性は、北海道釧路市出身。19歳で上京し、不動産会社の従業員だった27歳の時に結婚した。その後、タクシー運転手に。待望の長男を授かってからは、率先して炊事や洗濯、子守を手伝う良き父だった。

 しかし、タクシーの仕事は減り、それに伴い夫婦仲も悪くなり、8年前に離婚した。空虚感から仕事が手につかなくなった。離婚から2年後、アパートを夜逃げ同然で飛び出し、ネットカフェなどで暮らしていた。

 今年元日。イヤホンでラジオを聞きながら歩き続けた男性は、午後5時ごろ、羽田空港近くの木の生い茂った歩道にたどりついた。上京後、初めてデートした公園のそばだった。高い木を選んで枝にベルトをくくりつけ、自分の首に巻き付けた。

 だが、ベルトのバックルが壊れ、一命を取り留めた。放心状態で聞いていたラジオから「派遣村」を紹介するリポーターの声が聞こえた。

 「派遣村にどんどん人が集まっています。今、さまよっている人でも、ここに来ればなんとかなるかもしれません」

 日比谷公園をめざして歩き始め、夜10時頃、公園に着いた。ボランティアの女性からおにぎりと温かいお茶を手渡されると、涙がこみ上げてきた。

 同村で弁護士に住民票を持っていないことを明かすと、「そういう人を守るのが法律です。ともにがんばりましょう」と励まされた。

 男性は派遣村が終了する5日、生活保護を申請する。「多くの人の温かさに触れた。もう一度、頑張ってみます」。そう誓った。
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米国発の金融危機によって、年の瀬の寒空に放り出された「雇い止め」派遣労働者たち。住み込みで働いていた派遣労働者たちは失業とともに住む場所も失った。

年を越すこともできない失業者たちを救済するため、労働組合・ボランティアが中心になって年末に急遽始まった「年越し派遣村」は、NHKでトップニュースに取り上げられるなど、大きな社会的注目を集めた。

このことだけは確認しておかなければならない。彼らは好きで派遣労働者になったのではないことだ。「働き方の多様化が進み、自由で制約を受けない短期労働を自分から求める若者たちだっている。派遣労働は彼らがみずから望んだものだ」という声が経済界の中にあるが、それは違うと私は思う。

好きなことをやりたいから短期労働? 好きなことをやりたくたって、自由に使えるお金がなければ好きなこともできないではないか。正社員になれば週末も休めないというのは一面において真理ではある。だが、正社員が過密過重労働になるからそれ以外の人が非正規労働化し、それがまた正社員の過密化重労働化に拍車をかけている。そこには「社会保険の負担など、コストがかかる正社員をできる限り少なくして利益を上げたい」という企業の身勝手な行動原理がある。両者はコインの表裏のような一体の関係にあるのだ。

身勝手な行動原理に基づいて企業が上げてきた収益は不当利得であり、しわ寄せを受けてきた人たちに還元されるべきだというのが当ブログの基本的立場である。儲けるなとは言わないが、せめて従業員・国民と共存できる程度の節度のある儲け方でなければ社会全体が維持できないと言っているのだ。経済の3要素は政府・企業・家計だが、今の日本社会は利潤が極端に企業だけに偏り、政府も家計も存立できないほどにやせ細っている。ここまで極端な経済的偏在は、政府による強制措置を使ってでも是正する必要があり、さしあたり、その是正の恩恵を、住む場所さえ奪われている失業者にまず分配しなければならないのは当然のことである。

年越し派遣村は、そうした実態を浮き彫りにし、社会的争点に押し上げただけでも大成功と言えるだろう。「派遣労働者を救うために、正社員の給与を引き下げよ」などと、問題を豊かな労働者対貧しい労働者の対立構図にすり替えたがる者が、特に経済界のお抱え学者などによくいるが、そのような言論に配慮する必要はない。肥え太って不健康になった豚の脂肪は少し落としてやるくらいがちょうどいいのであり、儲けすぎている者たちからの「再分配」を求めればすむ話なのだ。

当ブログは、あくまでも企業(特に大企業)からの再分配を求める。

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2008年総括と09年目標

2009-01-02 20:00:00 | 日記
では、毎年恒例の旧年総括と新年目標です。
まずは昨年の総括から。

1.鉄道
2008年目標→完全乗車10線区
結果→29線区乗車し、大幅に超過達成。

2.IT関係
2008年目標→動画配信開始、サウンドライブラリの充実
結果→動画配信は開始できた。サウンドライブラリは新コンテンツを加えることができたものの、充実と言うほどのものか?

3.仕事
2008年目標→2年目は計画的に先を読んだ仕事ができるようになること。また、できれば今の仕事に関連したスキルとして、第1種衛生管理者試験に合格。
結果→「これは少々難しいと思いますので、あまり期待はしないでください」などと逃げ道も残しておいた(?)第1種衛生管理者試験に合格。職場からの「外圧」という要因があるものの、達成できてホッとした。

4.その他
2008年目標→引き続き鉄道の安全問題に関する活動を続行。また、健康維持と夫婦円満。
結果→鉄道安全問題に関する活動に関しては、当ブログ読者には改めて説明する必要はないでしょう。健康維持、夫婦円満はもちろん達成。

5.番外編(大黒摩季ライブ)
「ライブ参加は地元・東北地区でひょっとすると1回、あるかもしれない」と予告したとおり、福島でのライブに1回参加。

こうしてみると、2008年は掲げた目標をすべて達成または超過達成しました。その意味では、近年になく充実した1年だったように思います。

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続いて2009年の目標です。

1.鉄道
全線完乗については、JR5線区以上、その他5線区以上を目標とします。
JRについては、現在86%達成済みですが、残り14%は真の意味でアクセス困難な路線ばかり。今までのようには決していかないと思います。

安全問題に関する活動では、
(1)土佐くろしお鉄道宿毛駅事故に関する独自調査報告書作り
(2)日航123便事故現場となった御巣鷹への慰霊登山
(3)鉄道に関する技術上の基準を定める省令の「解釈基準」を入手したので、その解析作業

…等が目標となります。

2.IT関係
ビデオカメラ購入、そして鉄道安全問題についての3分ビデオ制作が目標。
今や映像制作はマスコミの専売特許ではありません。テレビ界が衰退し、番組がおもしろくないと嘆くばかりでは何も始まらない。おもしろくないなら自分で作れ、が時代のキーワード。2008年、映像制作がアマチュアの間で一気にブレイクし、アマチュア制作の映像祭があちこちで開催されるようになった流れを引き継ぎ、2009年はただ作るだけの段階から、おもしろい映像、個性的な映像、他人とひと味違う映像を作れるかどうかが勝負となる時代の幕開けとなるでしょう。

3.仕事
いよいよ新年から第1種衛生管理者としての業務が始まります。これをそつなくこなせるようにすることが目標になります。

4.その他
健康維持と夫婦円満。2008年から進歩してませんが、まぁこんなものでしょう。

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謹賀新年

2009-01-01 23:15:12 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
2009年、あけましておめでとうございます。
今年も「汽車旅と温泉を愛する会」及び当ブログをよろしくお願いいたします。

さて、今年も昨年同様、「SL津和野稲成号」を利用して、津和野の太鼓谷稲荷神社へ初詣に行ってきました。

しかし、昨年に引き続いての「正月荒天」で、津和野周辺は大雪となり、往路のSLは無事、津和野に到着したものの、水分を多く含んだベタ雪が短時間で大量に降ったせいで、線路脇の竹林が崩れ、復路の普通列車はなんと2時間遅れとなりました。

昨年11月末、出張からの帰路にも車両故障で1時間20分遅れを記録したばかりなのに、またこの遅れ…。「1年の計は元旦にあり」ですが、2009年は私にとって、あまりいい年にはならないような気がしてきました。

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