人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

当ブログのご案内

当サイトは列車の旅と温泉をメインに鉄道・旅行を楽しみ、また社会を考えるサイトです。

「あなたがすることのほとんどは無意味でも、あなたはそれをしなくてはなりません。それは世界を変えるためではなく、あなたが世界によって変えられないようにするためです」(マハトマ・ガンジーの言葉)を活動上の支えにしています。

<利用上のご注意>

当ブログの基本的な運営方針

●当ブログまたは当ブログ付属サイトのコンテンツの利用については、こちらをご覧ください。

●その他、当サイトにおける個人情報保護方針をご覧ください。

●当ブログ管理人に原稿執筆依頼をする場合は、masa710224*goo.jp(*を@に変えて送信してください)までお願いします。

●当ブログに記載している公共交通機関や観光・宿泊施設等のメニュー・料金等は、当ブログ管理人が利用した時点でのものです。ご利用の際は必ず運営事業者のサイト等でご確認ください。当ブログ記載の情報が元で損害を被った場合でも、当ブログはその責を負いかねます。

●管理人の著作(いずれも共著)
次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する(緑風出版)
地域における鉄道の復権─持続可能な社会への展望(緑風出版)
原発を止める55の方法(宝島社)

●管理人の寄稿
規制緩和が生んだJR事故(国鉄闘争共闘会議パンフレット「国鉄分割民営化20年の検証」掲載)
ローカル鉄道に国・自治体・住民はどう向き合うべきか(月刊『住民と自治』 2022年8月号掲載)
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

関門トンネル開通50周年で記念式典

2008-03-10 21:27:23 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
関門トンネル開通50周年で記念式典(毎日新聞)

-------------------------------------------------------------------------
 九州と本州を結ぶ関門トンネルの開通50周年式典が9日、山口県下関市の海峡メッセ下関であった。国土交通省の九州、中国両地方整備局長や建設にかかわった人たちでつくる「関門会」メンバーなどが出席し、世紀の大事業をたたえた。

 関門トンネルは、戦時中の中断を挟む21年間の工事の末、1958年3月10日に供用を開始した。北九州市門司区と下関市椋野町の3461メートルを結ぶ。現在の車両通行は1日約3万4000台で、50年間で約13倍に増えた。

 式では、北橋健治・北九州、江島潔・下関の両市長が「トンネルなしに海峡を挟んだ両市の連携はない」とあいさつ。来賓の自民、公明両党の国会議員は50周年に絡め、道路特定財源の暫定税率維持を訴えた。
-------------------------------------------------------------------------

戦時中に開通した鉄道トンネルに遅れること17年。道路トンネルのほうは開通が戦後にずれ込んでしまった。工事に着手したのは鉄道トンネルが1936年であるのに対し、国道は1937年。差はたったの1年だが、1937年といえば不幸な日中戦争が始まった年である。戦争のため、たった1年の工事の遅れが17年の差となり、国道トンネルの戦時中開通の夢を吹き飛ばしたのである(「関門とんねる物語」田村喜子・著、毎日新聞社、1992年)。

現在、関門海峡にはトンネル3本(山陽本線関門、新幹線新関門、国道の3本。この他「人道」トンネルがあるが、これは国道トンネルの海底部分を人道に共用しているだけ)と関門橋がある。交通インフラは津軽海峡や瀬戸内よりはずっと恵まれていると言える。

最近は北九州、下関両市が連携して関門地区を盛り上げようという試みがようやく花開き始めてきたともいえる。今後も両地域の発展を期待したい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【鉄ちゃんのつぶや記 第35号】国鉄闘争共闘会議第7回総会を終えて

2008-03-09 23:30:28 | 鉄道・公共交通/交通政策
 8日に都内で開催された国鉄闘争共闘会議第7回総会に参加した。

 実を言うと、今回の総会に参加するのはとても気が重かった。昨年、4者4団体が結成されて以降、国鉄闘争内部の足並みの乱れは座視できないところまで来ているからだ。以下、会場での私の発言内容をご紹介する。

-------------------------------------------------------------------------------
 国鉄闘争は昨年、首切り20年の節目の年の年内に解決する方針を打ち出し、諸行動を行って来ましたが、年内解決には至らず、闘いは21年目に持ち越しとなりました。

 ところで最近、4者4団体の闘い方を巡っていろいろな声が聞こえてきます。その多くは皆さんの耳にも入っていると思いますので私から繰り返すことはしませんが、「雇用・年金・解決金」の3項目が4者4団体の具体的要求となって以降、私が常々感じているのはなぜ解雇撤回ではなく雇用なのかということです。3項目の解決要求に関しては、年金の回復は解雇が撤回されなければ実現しないことから、「雇用」は「解雇撤回」を意味するとの整理がされているようですが、20年前の国鉄「改革」の時、旧国鉄職員の中には希望退職に応じて政府機関等へ移籍した人もおり、そうした人たちも年金を100%受給することができるわけですから、年金回復は厳密に言えば必ずしも現職復帰とイコールではありません。また、20年前、清算事業団職員にJR以外の職場をあっせんする(=JRから追い出す)ことが「雇用」対策と呼ばれていたことを忘れることはできません。原告団の要求は「解雇撤回」とすべきだと思います。

 20年もの長い闘いを、やりたくてやってきた人はいないと思います。みんな解決がしたいという気持ちは同じだということも理解しているつもりです。しかし、国鉄闘争の政治的位置づけは「どんな形であっても良いからとにかく解決したい」というような軽々しいものではありません。20年前、日本の新自由主義政策は民活という名の中曽根臨調路線から始まりました。20年前のあの時、その攻撃を止められなかったことが、今日、ワーキングプアといわれる労働者、とりわけ若者たちの苦しみをもたらしているからです。若者たちに生き生きと人間らしく働ける社会を引き継ぐことができなかった私たちは、若者たちに対する責任を自覚すべきだし、そのために闘う義務があります。その意味で、20年間、どんなに苦しくても休むことなく続いてきた原告団の闘いは日本の労働運動にとってかけがえのない宝物です。日本社会が、弱者切り捨て、人間性破壊の新自由主義とともに滅びるか、資本主義に代わる新たな社会モデルを構築できるかの重大な岐路にある今このときこそ、原告団は最大限の要求を掲げて闘わなければならないのです。

 原告団にとって、モデルとなりうる闘いが昨年末の薬害肝炎訴訟原告団の闘いです。彼女たち原告団は、労働組合にも市民団体にも政治党派にも属していません。なんの組織的支援もない原告団が、国民世論を味方につけることに成功し、全員一律救済とともに「政府は謝罪する義務がある」ことを法律に書き込ませるという近年まれな大勝利を得ました。

しかし、薬害肝炎原告団は何もせずにこの成果を勝ち取ったわけではありません。いつでも原則的主張を高く掲げ、どんなときでも揺らぐことなくそれを貫き通した彼女たちの闘いが政府を追い詰めたからこそ、勝利はもたらされたのです。

命がけで闘っている薬害肝炎原告団を前にしても、いかに解決金を切り縮めるかしか考えていなかった政府が、自分たちのやったことが悪いとも思っていない国鉄闘争で、みずから進んで原告団に施しをするなどあり得ません。原告団・共闘会議は、勝利解決したいなら、敵に決意と凄味を見せ付ける必要があります。「私たちを見くびらないでほしい」と言った27歳の福田衣里子さんに続かなければなりません。

繰り返しますが、私は4者4団体の枠組みが悪いと言っているわけではありません。数百万人を組織する「連合」が毎年春闘で敗北を続ける一方で、薬害肝炎原告団は組織などなくても勝てたのですから、枠組みではなく闘い方の問題だと思っています。4者4団体であれ、他の枠組みであれ、いかに決意を示すか、本気になれるかが重要です。

 2008年は、闘い方によっては国鉄闘争の納得いく解決のための第1歩を築く年にできると思います。当事者、そして現在と未来の労働者が「闘ってきて良かった」「あの闘いがあったから今があるんだ」と胸を張って総括できる解決水準でなければなりません。そのためになすべきことはまだ山ほどあり、原告団・共闘会議は今年1年、腹を括ってほしいと思います。
-------------------------------------------------------------------------------

 この内容で発言すべきかどうか最後まで迷ったが、自分に嘘をつくことはできないので勇気をふるって発言しようと、総会前日の夜に決意した。

 私に発言する勇気を与えてくれたのは、やはり根津公子さんの存在が大きかった。彼女がみずからの首をかけてまでファシズム教育行政と闘っているときに、首がかかってもいない自分が自分を偽ってどうする、と思ったのである。

 総会では団体会員が昨年比で3分の1近く減っている事実が報告された。「根強い国労アレルギー」があること、共闘会議の方針に賛同できず、離れた団体会員があることを指導部は認めた。13人の会員が発言したが、指導部の方針に諸手を挙げて大賛成、という発言者は私の見る限り皆無である。こんな会議を経験するのは初めてだった。

 私が発言している間、会場は雑音ひとつせず静まりかえっていた。かつて中曽根首相は「サイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)は自分を支持してくれている」と確たる根拠もなく豪語したが、私は中曽根のように「この沈黙は暗黙の支持なのだ」と根拠もなく思えるほど度胸はないし、無邪気でもないのでこの沈黙が奇妙で耐え難かった。周囲が自分の発言をどう見ているのかわからないまま、ただ時が過ぎていく感覚だけを感じる。そんな現実感のない空気が自分を支配しているような錯覚にとらわれた。

 総会終了後、数名の総会参加者から明確な支持表明があり、意を強くした。ただひとつ確信をもって言えることがあるとすれば、民主主義の学校はひとりひとりが自分の頭で考え、発言し、行動することから始まるということである。そのような13人の参加者たちが会場にいて、発言できる場所が確保されている限り、闘いの火が消えることはないと、今は信じたい。

(2008/3/9・特急たから)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鹿島臨海鉄道乗車

2008-03-09 22:26:26 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
週末を利用して、鹿島臨海鉄道と一部未乗車の鹿島線に出かけてきた。
鹿島臨海鉄道は全線未乗車。鹿島線は、かつて潮来温泉に行くときに香取~鹿島神宮間は乗車している(1998~1999年頃?)が、鹿島臨海鉄道の列車に乗らなければならない末端の鹿島神宮~鹿島サッカースタジアム間が未乗車になったままだった。

東京から総武~成田線~鹿島線を乗り継ぎ鹿島神宮駅到着。鹿島線では貨物列車と交換。前回訪れたとき、鹿島線の貨物列車はDD51牽引だったが、現在はEF65牽引に変わっている。
鹿島臨海鉄道のレールバスに乗り込み、鹿島臨海鉄道を目指す。天気は抜けるような快晴。12:48に鹿島神宮を発車した列車は快調に進み、鹿島サッカースタジアムを通過。この瞬間、鹿島線完乗を達成した。

日本一長い駅名だった一畑電気鉄道(島根県)の「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前」が、庭園美術館の閉館によって昔の名前に戻ったことにより、再び日本一長い駅名に返り咲いた「長者が浜潮騒はまなす公園前」(22文字)を13時ちょうどに発車した列車は14:16分、水戸に到着。臨海鉄道を名乗りながら、大洗付近で車窓遠くに大洗港のフェリー乗り場を確認した以外、海は全く見えなかった。ちょっと看板に偽りがあるような気もするが、まぁ良しとする。

水戸からは、これまた久しぶりの「スーパーひたち31号」でいわきに出て、そこから高速バスで郡山~新幹線新白河のルートで帰宅した。

結果として、鹿島線は末端区間(鹿島神宮~鹿島サッカースタジアム)1駅を乗り残した後、その1駅区間を乗るのに10年かかったことになる。長い全線乗車活動を続けていると、こんなこともある。

【完乗達成】鹿島線、鹿島臨海鉄道

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ギネス認定で「およげ!たいやきくん」再発売

2008-03-06 22:22:26 | 芸能・スポーツ
およげ!たいやきくん再発売へ

------------------------------------------------------------------------
『ギネス認定記念で復活!「およげ!たいやきくん」CDで再発売』
シングル売り上げ枚数、約455万枚-。33年前、「およげ!たいやきくん」が打ち立てた日本記録が、英ギネス・ワールド・レコーズ社に正式に認定され、来年度の「ギネス世界記録2009」に掲載されることが19日、分かった。“日本の最も売れたシングル・レコード”として評価を受けた。当時のままの楽曲が3月5日にCDとして再発売されることも決定。「こうなったら、500万枚を狙いたい」と関係者の鼻息は荒い。(サンケイスポーツ)
------------------------------------------------------------------------

懐かしい。
生まれて初めて親に買ってもらったレコードがこの曲だった。確か、実家の倉庫の中のどこかに今もあるはずだ。
忘れもしないA面が「およげ!たいやきくん」。そしてB面が「1本でもニンジン、2足でもサンダル~」の歌詞でこれまた有名な「いっぽんでもニンジン」である。

売上455万枚。当時日本でもっと売れたレコードとしてギネス登録された。それを機に再発売されるそうだ。
当時、子どもだった世代は30~40代になっているはず。再発売を機に、親子の会話の材料になればそれもまた良いだろう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はぁ、年度末ですねぇ…

2008-03-05 22:42:32 | 日記
年度末が近くなり、また忙しくなってきました。
とりあえず、ここ数年の私の1年間はこんな感じ。

壱月(いちがつ)…とりあえず新年。
弐月(にがつ)…とりあえず誕生日とバレンタインデーで妻には2回祝ってもらえる。
惨月(さんがつ)…年度末で忙しく、いい思いをしたことがない。
死月(しがつ)…新しい年度を迎え、文字通り死の月。
誤月(ごがつ)…3~4月の多忙期に処理した仕事のミスが発覚し、対応に追われる頃。
碌月(ろくがつ)…新年度の仕事が本格化し、たいてい碌なことがない。
奈々月(なながつ)…「しちがつ」ではなく「なながつ」。年度替わりの疲れから、そろそろ気分転換に水樹奈々ちゃんのライブにでも行きたいと思い始める頃。
蜂月(はちがつ)…子どもたちは夏休みのはずだが、なぜか蜂の巣をつついたように多忙。
苦月(くがつ)…上半期がそろそろ終了するのに伴い、やっぱり忙しい。
重月(じゅうがつ)…下半期が始まり、何かと気が重い。
拾壱月(じゅういちがつ)…私にとって唯一、気が休まる月か?
重弐月(じゅうにがつ)…重要な仕事は年内に終わらせろ、と圧力がかかり、気の重さ2倍。

こんな感じで私の1年は過ぎていきます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメ作りすぎは、もったいない?

2008-03-04 22:55:38 | その他社会・時事
「コメ作りすぎ、ムダ」農政局ポスター 掲示ボイコット続々 (河北新報) - goo ニュース

--------------------------------------------------------------------------
 東北農政局が転作を促そうと作製した「米の作りすぎは、もったいない!」のポスターが、生産者の怒りを買っている。「ばかにするな」との批判が多く、不評を気にして張り出しを中止した自治体や団体もある。ポスターそのものが無駄になるもったいない事態に、関係者は「生産者の話を親身に聞かないと、協力は得られない」と農政局の配慮不足を指摘している。

 ポスターは青森県津軽平野の背景に、「MOTTAINAI」「米の過剰作付けは、資源のムダづかいです」と大きく記されている。文言は農政局職員が考案し、3万部を作製した。2月中下旬までに東北各県や市町村、農協に発送した。経費は40万円。

 農政局の宮坂亘局長は「内容について庁内では特に異論はなかった」と言うが、生産者はいらだちを募らせている。
--------------------------------------------------------------------------

私は、このポスターはやはり農家への配慮に欠けていると思う。
日本の農業は今、誰が見ても壊滅寸前の状況にある。すでに10年前のデータだが、農業生産額が日本経済(GDP)に占める比率は3%以下でパチンコ産業のGDP総額より低いという事実があった。また当時の日本の農業者人口は300万人で、そのうち3分の2に当たる200万人が65歳以上という衝撃的な数字が関係者を震撼させた。

現在はここからすでに10年経っており、70歳以上がコメ農家の大半を占める事態になっているはずだ。後継者がいなければあと10年後、日本のコメ農業は確実に消える。

10年前、前述の衝撃的データが発表された頃も「10年後には日本のコメ農業はない」と言われた。つまり、今ごろ農業はなくなっているはずだった。が、幸いにして70歳以上の高齢者層の頑張りで日本のコメ農業はなんとか踏みとどまっている。
彼らがここまでコメ作りに執念を燃やす理由はいくつかある。先祖代々のコメ作りを自分の代で途絶えさせてはならないという思いや、戦後の厳しい食糧難に直面した経験から、何をおいても食料を作ることが国民福祉だという考え方などいろいろな要素が重なり合い、農民たちは歯を食いしばって生産を続けている。

そんな農民たちに向かって「コメ作りは無駄、もったいない」とはなんというひどい仕打ちだろう。農家が怒るのは当然であり、ポスターはもっと穏健なものに作り替えた方がよい。

そもそも、ここ数年で世界の食糧事情も一変している。一国で世界人口の4分の1を占める中国が、急激な経済成長によって食料輸出国から輸入国へ変わった。そうなった原因としては、食生活の質的向上があるわけだが(注)、日本人はこうした事実を将来の食糧危機への確実なステップが踏まれたものとして、もっと危機感をもって受け止めるべきだと思う。
自給率がカロリーベースで40%を割り込む状況にありながら、日本は、今なお札束さえ積めばいつでもどこからでも食料は調達できると信じ込んでいる。しかし世界の現実は、札束を積んでも買うべき食料がない、という事態へ向かって確実に進んでいる。その時に、日本人が食べられるものはコメと芋だけになってしまう。国内自給ができるコメと芋だけしか食べられないのである。

海外からの食料調達がすべてストップし、日本人がコメと芋しか食べられないという事態が現実になったとき、コメの供給量が今の水準で足りるかどうか。私は全く足りないと見る。
それを判断するには、日本人が肉をほとんど食べなかった戦前の食糧事情を見てみるのがよい。1920~30年代頃、日本の人口は8000万人程度だったが、この人口で日本は1年間に1600万トンのコメを消費していた。現在、日本の人口は1億2000万人であり、当時の1.5倍になっているから、当時と同じコメ・雑穀と野菜中心の食生活に戻るなら、コメは実に年間2400万トンも必要な計算になる。これに対し、現在のコメ生産量は最も誇張したデータでも年間1000万~1200万トンだろう。つまり、食糧危機が迫ったとき、コメ生産量は現在の2倍も必要になるのである。

コメの需要が減り、減反してもしても余って仕方がないというが、それは日本人の食生活が多様化してコメの占める比率が下がっているからそのような現象が起こっているに過ぎないのであり、日本の食糧事情はこのように脆く、危ういものだ。
こんな時に、日本にとって唯一自給が可能な食料であるコメを作らないでどうするのか。むしろもっともっと作れと奨励しなければならないのである。
その結果、コメが余るなら余らせておけばよい。余ったコメは味噌、醤油、せんべいなどの加工用に転用する(これは現在でも行われている)、放牧家畜の飼料に使う(現在研究が進んでいる)、輸出するなど活用方法はいくらでもある。

とにかくいろいろな手法を用いながら、いつでも国民の食を満たせるだけのコメ生産水準を確保しておくことこそが、真の食料安全保障なのである。

(注)食生活の質的向上について
人間が穀物を食べて摂るのと同じカロリーを、肉を食べて摂ろうとすれば必要な穀物量は7倍になるといわれる。すなわち、牛などの家畜は大量の穀物を消費する反面、人間に提供できるカロリーは少ないわけである。このことは、中国やインドなどの大消費国で肉料理の比率が高まれば、実際の人口増加を上回るペースで食糧需給が逼迫することを示している。

とはいえ、日米などの先進国が、自分たちは贅沢な食生活をしながら、中国やインドにだけ我慢しろと主張して国際世論の支持が得られるわけもないから、結論はおのずから導き出される。世界の食料需給を緩和するためには、世界中の人々が肉中心の食生活を改め、野菜・雑穀中心のそれへ転換しなければならないということである。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お客様を増長させた日本人

2008-03-03 23:01:28 | その他社会・時事
ヨーロッパ人が忙しくない追加的理由(WIRED VISION) - goo ニュース

--------------------------------------------------------------------------
先日ある新聞に「感情労働」の記事が出ていました。自分の感情を押し殺すことを強いられる仕事の、時間や肉体的な疲労度とは別の労働強度であります。接客の仕事はその典型でしょう。理不尽な客にも笑顔を絶やさずへりくだる。ますます増長する一部の「お客様」。あらゆる不平不満に対応すべく精緻さを極めていく日本のサービス。でも一部では従業員の精神的肉体的健康と衝突をきたしているような気がします。日本に帰って思いました。人間の笑顔って総量一定かもなって。ヨーロッパ人はお客さんには日本人ほどニコニコしませんが、仕事を離れたらそれなりに愛想がよいです。他方、日本では誰も職場で笑顔を使い果たしてしまうかのようです。

実はわれわれはお客という立場で「カネ」にものを言わせることで、互いに互いを追い詰めるという悪循環に陥っているのではないでしょうか。会社にしても顧客の要求への対応と従業員の人間としての尊厳の尊重、この二つのバランスを考えるべき時にきているのではないかとも思うのです。
--------------------------------------------------------------------------

うん。そうだと思う。
「客だから何をしても良い」という勘違い日本人の増加で、日本のサービス業は来るところまで来てしまった。
最近、「名ばかり管理職」として、部下より安い給料でただ働きさせられる「店長」が裁判で勝訴するケースが目立っているが、そもそも度を超した長時間労働が問題とされるべきであり、「カネを払えばいい」という問題ではない。

長時間労働の背景として24時間型生活に根ざした客の要望も大きいと思う。買った商品に苦情を言えば、夜中の2時でも店員は飛んでくるのが当然、という意識の日本人が結構な数いる。こんな環境でまともな人間が育つはずはないし、どんな人間でも壊れて鬱病になってしまうだろう。

日本もヨーロッパを見習って、週1日は店休、夕方7時に閉店して退社という生活をそろそろ真剣に模索すべきなのだ。地球温暖化の原因になっている温室効果ガスのうち3割は電気が占めており、お天道様が沈んだらさっさと帰って寝るという生活に変えるだけでも地球温暖化の緩和に多大な貢献をすると思う。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英語のケータイ迷惑メール、最近急増

2008-03-01 23:56:00 | IT・PC・インターネット
英語のケータイ迷惑メール、最近急増していないか(J-CASTニュース)

-------------------------------------------------------------------------
出会い系だけでなく、英語や訳の分からない文字列を並べてあるだけの「迷惑メール」が急に増え、「ケータイの利用に支障が出ている」と訴える声も少なくない。電話会社側も、迷惑メールをブロックする機能を簡単に設定できるようにするなどの対策を講じてはいるが、すぐに被害が減少する気配はない。

■バイアグラなどの購入を勧める英語のメール
 PC向けの迷惑メールとは違い、ケータイに迷惑メールが来たときは、着信音が鳴り、利用者は端末に注意を向けないといけなくなることなどから「ケータイへの迷惑メールの方がストレスが大きい」という人も少なくない。さらに、最近は「出会い系だけではなく、『バイアグラ』などの購入を勧める英語のメールや、URLと訳の分からない文字列を並べてあるだけのメールが来る」といった例も目立つ。

J-CASTニュース記者が周辺のユーザーをちょっと取材しただけでも、「朝起きると、20通ぐらい未読メールがたまっていて、全部迷惑メール」「迷惑メールが多すぎて、メールが来ても音が鳴らない設定にせざるを得ない。でも、そうすると、重要なメールが来たときに気づけないのが困る」「迷惑メールを大量に削除していたら、大事なメールまで間違って消去してしまった」といった声があっと言う間に集まった。迷惑メールで、ケータイの使用に支障が出ている、という状況は間違いなさそうで、ここ何カ月で増えたという例が多い。

■専門機関は「急増説」否定

 もっとも、専門機関は「急増説」を否定している。「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」で指定された財団法人の「日本データ通信協会『迷惑メール相談センター』」によると、「急にメールの数が増えたり減ったりする『波』はありますが、ここに来て急増している、という印象はないですね」と話す。さらに、「ケータイ向けの迷惑メールは、文字数の制限などを考慮して、PC向けのものとは別に送信されているのでは」とのことで、いわば「ケータイ向けにカスタマイズされている」ということのようだ。送られる内容については、PC向け・ケータイ向けにかかわらず、「出会い系サイトに誘導する広告メール」が圧倒的に多いのだという。

 ただ、英語の迷惑メールについては調べていないといい、この急増説の真偽ははっきりしないままだ。
 電話会社側もまったく手をこまねいている訳ではなく、「受信拒否する対象のドメインを設定できる」「(出会い系)などの特定URLが記載されているメールは受信拒否する」などの設定が可能になっている。ところが、設定の煩雑さが、ユーザーが対策を取る上でのハードルになっているのも事実だ。

 これを受けて、NTTドコモでは、07年11月から、どの程度厳しく迷惑メールの受信を拒否するかを3段階で設定できる「かんたんメール設定」サービスを始めており、ソフトバンクモバイルでも、08年2月27日、3月27日から同様のサービスを開始することを表明したばかりだ。ソフトバンクモバイル広報部は、「今回のサービスで、迷惑メール対策機能の利用率向上につながれば」と話している。

 もっとも、今回の措置で、迷惑メールの数が劇的に減るかどうかは未知数だ。前出の「迷惑メール相談センター」では、迷惑メールがなくならない理由について「迷惑メールを受信した人が、出会い系サイトに登録料を払ったり、振り込み詐欺まがいの被害に遭うことがあります。これらのお金は送信者側に渡り、送信者側からすれば『ビジネスが成立している』訳です。これがなくならないと、迷惑メールは減っていかないのでは」と分析している。
-------------------------------------------------------------------------

…急増している…と私は思う。というより、我が家でこのケータイ迷惑メールの急増に困り果てている人がいる。

「朝起きると、20通ぐらい未読メールがたまっていて、全部迷惑メール」「迷惑メールが多すぎて、メールが来ても音が鳴らない設定にせざるを得ない。でも、そうすると、重要なメールが来たときに気づけないのが困る」なんて、毎日のように起こっている。さすがに1日20通と言うことはないが、10通近くになることもある。

ケータイは、真夜中でも電源を入れっぱなしのことが多く、迷惑メールで夜中でも着信音が鳴ることがある。そんなとき、迷惑メールだとわかったら殺意すら抱く。

ちなみにケータイ迷惑メールに苦しんでいるのは私の相方である。このまま減らないようなら、いよいよau携帯の「最終兵器」を発動せざるを得ないと思っている。
つまり、全メールを着信拒否に設定し、身に覚えのある人の携帯メールアドレスだけを限定的に拒否から解除する設定の発動である。しかし、本当に鬱陶しい世の中になったものだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする