レイバーネット日本の報告はこちら→新潟県「脱原発知事」の椅子を守ろう!/北海道の反原発金曜行動レポート
通算293回目となった今日の北海道庁前は、5月18日に引き続き、雨の降るなかでの行動となった。当ブログ管理人が行ったスピーチを紹介する。
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みなさんこんにちは。
今日は、投票日があさってに迫った新潟県知事選についてお話しします。北海道庁前で、遠い新潟の話をしても仕方ないと思われる方も、あるいはいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思いません。
この選挙は、原発という国政レベルのことが争点になっている大変珍しい地方選挙です。その意味では沖縄とよく似ています。オール野党が一致結束して自公に対抗しようとしている点も沖縄と同じです。脱原発知事の椅子を守るために闘っている国政野党にとって、米山知事がプライベートな問題で辞任した後の選挙だけにゼロどころかマイナスからのスタートですが、野党統一候補である池田千賀子さんはよく頑張っています。原発地元、柏崎市選出の新潟県議を辞職して、まさに背水の陣の選挙だけに、なんとしても勝ち、脱原発知事の椅子を守り抜かなければなりません。
今度の選挙では、画期的な出来事がひとつあります。米山知事が誕生した2年前の選挙では自公政権の与党に相乗りした連合新潟が、今回は池田千賀子さんを推薦しています。連合から共産党まで、自公以外のすべての勢力がひとつになったのです。
前回、連合新潟がオール野党に協力せず、自公政権の与党系候補に相乗りしたのは、原発が廃止になることで仕事がなくなり、経済が悪化することを電力総連などの労働組合が恐れたからだといわれています。そこで、今の通常国会に立憲民主党が提出している「原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案」には、原発廃止後の立地自治体に対する支援策を国に義務づける内容が盛り込まれました。法案にはこのようにあります――『国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するに当たっては、原子力発電所等の周辺の地域の経済に及ぼす影響に十分に配慮しなければならない』『原子炉等を廃止し、又は使用済燃料の再処理の事業を廃止しようとする者に対し、必要な支援を行うものとすること』『新たな産業の創出、電気事業者の事業の継続等により、原子力発電所等の周辺の地域の経済の振興及び雇用の確保を図るものとすること』。
立憲民主党は、全国各地で市民との対話集会を開催し、市民と議論する中からこの法案を作り上げ、提出しました。連合新潟はこの内容を見て、原発を廃止しても雇用と地域経済が守られるなら、自分たちが反対する理由がないとして、今回、脱原発をよりはっきりと打ち出す池田さんを推薦することに決めたのです。政府の政策にただ反対を叫ぶだけでなく、脱原発を実現する上で障害となっているものは何か、その障害を取り除くために何が必要かを市民がきちんと議論するなら、その障害を取り除くことができる。新潟県には、住民投票で原発を拒否した巻町の例もあります。これこそまさに市民が作る民主主義であり、こうした民主主義こそが原発のない新しい時代を創るのです。
『福島で事故が起きても日本が原発政策を変えられないのには理由がある。“拒否権を発動できる者”がいるからだ』。こう指摘するのは、米国の政治学者リチャード・サミュエルズさんと、南カリフォルニア大のジャック・ハイマンズさんです。原発から利益を受けるたった数百人の関係者が『拒否権』を発動すれば、たとえ10万人の市民が脱原発に賛成しても決められない。これが知日派米国人による日本社会分析なのです。福島でさえ、脱原発を主張すれば後ろから矢が飛んでくるという悲しい現実があります。
こうした状況を解決するには、彼らが拒否権を発動できないようにするしかありません。立地自治体のために新産業創出支援を行い、雇用の確保を約束することは、この拒否権を発動させないために必要な政治的、経済的コストとして割り切る以外にありません。
この狭い日本列島に、福島第1を含めて原発が54基あります。このうち福井に14基、福島に10基、新潟に6基です。54基のうち30基がこの3県に集中しています。日本が脱原発を実現できるかどうかは、事実上この3県にかかっているといえるでしょう。福島の原発はもう動かせません。そうなると、福井と新潟こそが最も重要な闘いなのです。
私は6年前、新潟県十日町市の信濃川沿岸地域を訪れたことがあります。ちょうど、JR東日本による信濃川からの不正取水事件が起き、川は干からびてドブのような臭いがするという惨憺たる状況でした。流量計を改ざんしてまで不正取水していたJR東日本が糾弾され、謝罪と賠償を行って川への流水量を毎秒7トンから60トンにまで戻した結果、信濃川はようやく川らしくなり、今ではラフティングもできるようになったとのことです。しかしまだ魚は戻っていないと聞きました。痛めつけられた自然が元に戻るには長い時間がかかります。せっかく水が戻り、魚を取り戻そうと歩み始めた信濃川が、今度は放射能で汚され再起不能になる――そんな事態は絶対に避けなければなりません。
新潟に知り合いがいる皆さんにお願いです。ひとりでも多く電話をかけ、池田さんへの投票依頼をしましょう。私も、たった2人だけですがしました。夜8時以降や投票当日の選挙運動は禁止ですので、知り合いがいる人はぜひ、明日(土曜日)の昼にかけてください。1票でも2票でも池田さんの票を増やし、新潟の大自然と美味しいお米、そして何よりも地域の未来を守りましょう。
今日は以上で終わります。ありがとうございました。
通算293回目となった今日の北海道庁前は、5月18日に引き続き、雨の降るなかでの行動となった。当ブログ管理人が行ったスピーチを紹介する。
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みなさんこんにちは。
今日は、投票日があさってに迫った新潟県知事選についてお話しします。北海道庁前で、遠い新潟の話をしても仕方ないと思われる方も、あるいはいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思いません。
この選挙は、原発という国政レベルのことが争点になっている大変珍しい地方選挙です。その意味では沖縄とよく似ています。オール野党が一致結束して自公に対抗しようとしている点も沖縄と同じです。脱原発知事の椅子を守るために闘っている国政野党にとって、米山知事がプライベートな問題で辞任した後の選挙だけにゼロどころかマイナスからのスタートですが、野党統一候補である池田千賀子さんはよく頑張っています。原発地元、柏崎市選出の新潟県議を辞職して、まさに背水の陣の選挙だけに、なんとしても勝ち、脱原発知事の椅子を守り抜かなければなりません。
今度の選挙では、画期的な出来事がひとつあります。米山知事が誕生した2年前の選挙では自公政権の与党に相乗りした連合新潟が、今回は池田千賀子さんを推薦しています。連合から共産党まで、自公以外のすべての勢力がひとつになったのです。
前回、連合新潟がオール野党に協力せず、自公政権の与党系候補に相乗りしたのは、原発が廃止になることで仕事がなくなり、経済が悪化することを電力総連などの労働組合が恐れたからだといわれています。そこで、今の通常国会に立憲民主党が提出している「原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案」には、原発廃止後の立地自治体に対する支援策を国に義務づける内容が盛り込まれました。法案にはこのようにあります――『国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するに当たっては、原子力発電所等の周辺の地域の経済に及ぼす影響に十分に配慮しなければならない』『原子炉等を廃止し、又は使用済燃料の再処理の事業を廃止しようとする者に対し、必要な支援を行うものとすること』『新たな産業の創出、電気事業者の事業の継続等により、原子力発電所等の周辺の地域の経済の振興及び雇用の確保を図るものとすること』。
立憲民主党は、全国各地で市民との対話集会を開催し、市民と議論する中からこの法案を作り上げ、提出しました。連合新潟はこの内容を見て、原発を廃止しても雇用と地域経済が守られるなら、自分たちが反対する理由がないとして、今回、脱原発をよりはっきりと打ち出す池田さんを推薦することに決めたのです。政府の政策にただ反対を叫ぶだけでなく、脱原発を実現する上で障害となっているものは何か、その障害を取り除くために何が必要かを市民がきちんと議論するなら、その障害を取り除くことができる。新潟県には、住民投票で原発を拒否した巻町の例もあります。これこそまさに市民が作る民主主義であり、こうした民主主義こそが原発のない新しい時代を創るのです。
『福島で事故が起きても日本が原発政策を変えられないのには理由がある。“拒否権を発動できる者”がいるからだ』。こう指摘するのは、米国の政治学者リチャード・サミュエルズさんと、南カリフォルニア大のジャック・ハイマンズさんです。原発から利益を受けるたった数百人の関係者が『拒否権』を発動すれば、たとえ10万人の市民が脱原発に賛成しても決められない。これが知日派米国人による日本社会分析なのです。福島でさえ、脱原発を主張すれば後ろから矢が飛んでくるという悲しい現実があります。
こうした状況を解決するには、彼らが拒否権を発動できないようにするしかありません。立地自治体のために新産業創出支援を行い、雇用の確保を約束することは、この拒否権を発動させないために必要な政治的、経済的コストとして割り切る以外にありません。
この狭い日本列島に、福島第1を含めて原発が54基あります。このうち福井に14基、福島に10基、新潟に6基です。54基のうち30基がこの3県に集中しています。日本が脱原発を実現できるかどうかは、事実上この3県にかかっているといえるでしょう。福島の原発はもう動かせません。そうなると、福井と新潟こそが最も重要な闘いなのです。
私は6年前、新潟県十日町市の信濃川沿岸地域を訪れたことがあります。ちょうど、JR東日本による信濃川からの不正取水事件が起き、川は干からびてドブのような臭いがするという惨憺たる状況でした。流量計を改ざんしてまで不正取水していたJR東日本が糾弾され、謝罪と賠償を行って川への流水量を毎秒7トンから60トンにまで戻した結果、信濃川はようやく川らしくなり、今ではラフティングもできるようになったとのことです。しかしまだ魚は戻っていないと聞きました。痛めつけられた自然が元に戻るには長い時間がかかります。せっかく水が戻り、魚を取り戻そうと歩み始めた信濃川が、今度は放射能で汚され再起不能になる――そんな事態は絶対に避けなければなりません。
新潟に知り合いがいる皆さんにお願いです。ひとりでも多く電話をかけ、池田さんへの投票依頼をしましょう。私も、たった2人だけですがしました。夜8時以降や投票当日の選挙運動は禁止ですので、知り合いがいる人はぜひ、明日(土曜日)の昼にかけてください。1票でも2票でも池田さんの票を増やし、新潟の大自然と美味しいお米、そして何よりも地域の未来を守りましょう。
今日は以上で終わります。ありがとうございました。