安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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法的整理で安全は大丈夫なのか?

2010-01-13 22:20:47 | 鉄道・公共交通/安全問題
「日航の法的整理安全損なう」柳田邦男氏が指摘(読売新聞) - goo ニュース

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 日本航空へ安全問題について提言している外部諮問機関「安全アドバイザリーグループ」の柳田邦男座長らが8日、前原国土交通相と面会し、同社の経営再建について「安全を担う日航の再建は、通常の企業再生とは異なる」として、会社更生法の適用による法的整理は安全運航を損なう可能性があり、避けるべきだとの考えを伝えた。

 柳田氏によると、前原国交相は、安全面を配慮することに理解を示したという。

 アドバイザリーグループは、運航トラブルが相次いだ2005年、柳田氏や畑村洋太郎・工学院大教授ら外部有識者の意見を同社の安全対策に反映させるために設置された。柳田氏は国交省で会見し、「この4年半で日航は安全文化を築いてきたが、法的再建となれば組織が大きく変わり、安全への取り組みの継続性を失いかねない」と主張。「自主的再建を行うことが、社員の意欲を失わせず、安全運航を守っていく上で極めて重要だ」と話した。
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<日航>御巣鷹遺族らが要望書 合理化で事故再発不安(毎日新聞)

 1985年の日本航空ジャンボ機墜落事故の遺族らでつくる「8・12連絡会」は12日、日航の経営再建問題で前原誠司・国土交通相に対し、安全の確保について考えを示すよう、要望書を提出した。

 要望書では、再建による合理化とリストラで安全問題が置き去りにされ、航空機事故の再発につながることを連絡会として最も心配しているとしたうえで「安全確保に必要な人員と財源について、経営再建にあたる裁判所にも伝わる形で示していただきたい」としている。

 会見した連絡会事務局長の美谷島邦子さんは「日航は25年近く大きな事故は起こしていないが、会社再建でも安全を死守してもらいたい」と話した。

 前原国交相は、その後の記者会見で「大変重い言葉として受け止めた。安全運航に万全を期してもらいたいと、(西松遥社長に)事あるごとにお話しさせていただいている」と述べた。【平井桂月】
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政府・銀行団が支援のため資金を投入しても、次から次へと金を吸い込んでいく巨大ゾンビの日航が、ついに会社更生法適用となるようだ。だが、その中で当然ながら安全問題がクローズアップされてきた。

あの忌まわしい御巣鷹から25年、日航はあまたのトラブルに見舞われながらも辛うじて死亡事故だけは起こさず今日まで来た。そのことに対してはもっと積極的評価が与えられてよいと思うが、そうした安全を支えてきたのは「今度乗客を死なせたら会社がなくなる」という社員たちの強い危機感だったという。その危機感、責任感が、今度の法的整理でプツリと切れてしまわないか、当ブログは強い危惧を持っている。

ここ数年来の日航が、御巣鷹事故の遺品や遺族の手紙を展示した「安全啓発センター」を作って公開するなど、ようやく安全文化を築こうと本気になってきたところだけに、そうした資産が法的整理で無に帰するのではないかという恐れもある。日航がこの先、どのような企業形態になろうとも、こうした資産はしっかり受け継いでいかなければならない。

安全運行のため、整備部門や運行部門の人員をこれ以上減らすことも御法度である。公共交通機関は労働集約型産業であり、社員こそ宝物だと思うからだ。日航再建に当たっては、こうした安全への配慮をぜひ行ってほしい。美谷島さんたちのような人たちを、2度と生まないですむように。

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