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イタリアとブラジル共同制作による女声ボサの良作

2018-01-11 22:28:12 | 音盤ノート
Rosa Emilia "Baiana da Guanabara" Lua Discos, 2004.

  ボサノバ/MPB。謎多きイタリア産ボサ・ユニット"Batuk"のボーカリストの日本盤CDが出ているというので聴いてみた。クラブ寄りだったBatukと比べるとずっとバンド的な演奏で、少々エレクトロニクスが入る程度。Rip Curl発行の日本盤オビには「ワイルドなジョイス」とある。確かに声質はジョイスに似ているが、ワイルドというのは外している。リズミカルな曲でもじっくりと歌いあげる曲でも、落ち着きとエレガントさを感じさせる。

  収録曲はいずれもNelson Angeloが絡んだもの。ジョイスの最初の夫(後に離婚)で、彼はホーザ・エミリアの前夫の詩人Cacasoとよく共作していたという。中原仁による日本盤ライナーノーツ情報に従うと、夫のプロデュースでデビュー作を1987年に発表するも同年に夫が亡くなってしまう。その後、ホーザはCristiano Verardoなるイタリア人音楽家と結婚して、ブラジルからイタリアに移住。本作はイタリア移住後の二作目で、リオとヴェネチアで録音されているという。

  というわけで今更ながらBatukが夫婦プロジェクトだったことがわかった。この作品も本人とCristiano Verardoの共同プロデュースである。それにしても80年代から活動しているのにアルバム録音が7枚程度と寡作なのがもったいないなあ。もうちょっと働いて多くの作品を残してほしい。
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