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ベネツィア製ボサ。優れた女性ボーカルによる良曲多し

2017-02-13 21:15:47 | 音盤ノート
Batuk ‎"Cruzeiro Do Sul" Cool d:vision, 2006.

  イタリア産クラブ系ボサ。BatukはCristiano Verardoというイタリア人ギタリストによるソロプロジェクト。ネットで調べた限りでは、1980年代から90年代にかけてPitura Freskaなるベネツィアのレゲエバンドで活躍していた人のようだ。BatukはPitura Freskaの解散後のプロジェクトのようだが、本作以外アルバムもシングルも出ていない。一回こっきりの企画なんだろう。同じレーベルのDonatiなんかと比べると、ジャズ感は薄めで、ほどよくエレクトロニクスがまぶされたニューボサとなっている。

  楽器隊はギターと打楽器が中心だが、曲によってはピアノ、管楽器、ストリングス、打ち込み等が入る。ボーカルはRosa Emilia Dias。1980年代から活動しているイタリア居住のブラジル人歌手のようだが、あまり著名ではないだろう。このひとの声がなかなか落ち着いていて心地よい。アルト声でかつ清涼、繊細で柔和、気品があってエレガント。甘さに流れずまた情緒過多を避けつつの歌唱であるが、サウダージ感がかすかに漂う。実に素晴らしい。個人的にツボである。Paula Morelenbaumに近いかな。インスト曲も数曲収録されているが、不要だったと思う。Rosa Emilia Diasの歌唱曲だけ、もっと言えば彼女のソロ作品として発表されても良かったぐらい。後ろの楽器隊は賑やかで音数が多く、ボーカルに比べると落ち着いた印象はないのだが、暑苦しくはならずギリギリ爽やかさを保っている。

  全然知られていない作品だが、これは佳曲の揃った傑作だと思う。もし仮に日本盤を出すとしても、ボサノバ愛好家の多い日本人には受けるのではないか。とはいえイタリア産というのは、やはりプロモーションする上でのネックになるのだろうか(偽物っぽい?クラブ系嫌いの人もいるし)。しかし楽曲のクオリティは高く、タイトル曲や最後の'Bem Te Vi'などこのまま埋もれさせてしまうにはもったいない名曲である。

  
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