映画「ボックス!」
★★★★:75~80点
先日、夫婦で映画「ボックス!」を観てきました。
面白かったです。ただ、青春スポーツ小説のベスト1、2位とも評価している原作を読んだときのインパクト・感動度がもの凄かったので(そのときの感想はこちら)、どうしてもそれと比較せざるを得ず、75~80点となってしまいました。原作あっての物語なのでね。
”カブ”役の市原隼人はハマリ役というか、正にカブそのもので、これは特筆ものでした。ボクシングに関してもかなりトレーニングをつんだのでしょう。あまりガードしないトリッキーな動きもそれらしかったです。
また、ランニングのシーンのスピード感・躍動感、身体の軽さを感じさせる動きも見事。「風が強く吹いている」でも林遣都のランニング・フォームの素晴らしさにビックリしたのですが、この市原隼人も凄いです。
映画「風が強く吹いている」の感想でも同様なことを書いたのですが、あの分厚い原作を約2時間にまとめるのは至難の技で、印象深いエピソードの幾つか(恋のトライアングル関係、キャプテン・南野とカブの最後のスパーリング、部室の天井に貼られている写真 etc.)がカットされていたり、ちょっと変えられたりしていたのは残念でした。
高津先生・香椎由宇はちょっと美人すぎるかなと思っていたのですが、なかなか良かったです。ボクシング部監督の筧利夫は原作とちょっとイメージが違っていたでしょうか。原作ではボクシングを知らない高津先生に説明する形でアマチュアボクシングの特徴や奥深さを語るその静かな雰囲気がより印象深かったような気がします。木樽”ユウ”ちゃんが全くの初心者から4ケ月間ひたすらジャブの練習だけを続け、その後次第に才能を開花させていくと共にだんだん構えがさまになっていく過程は良かったです。このあたりを更にもうちょっと味わい深く描いてもらいたかったところではありますが。カブとユウちゃんのちょっと不思議な友情はよく描かれていましたね。強豪・稲村に惨敗し、その後、ユウちゃんとの対決にも敗れたカブは一大決心をし、彼のために仮想・稲村役をつとめる。それが最後の決戦で万事休すかと思われたピンチで見事に生きる。これは痛快!
一部アマチュア・ボクシングのルールとそぐわないシーンがありますとの注釈が出てきました。あの激しい打ち合いはアマチュアボクシングの試合ではあり得ないと思っていましたし、相手校の取り巻き(?)の雰囲気にちょっと違和感も覚えたこともあって、アマチュア・ボクシングの素晴らしさ、ピュアな感じを損なってしまっていたのでは?とも思いました。実際にアマチュア・ボクシングの試合を会場で見たことはないのですけれど。
マネージャーの”マルブタ”丸野智子(谷村美月)。ちょっと古風な感じもする彼女の顔が良かったですね。原作での彼女はもっともっとカブをはじめ、ボクシング部メンバーのことを思っている気はしましたし、原作対比で映画としてのアラは色々ありますが、全体的には百田直樹さんの原作の雰囲気がよく出ており、まずは快作&素晴らしいスポーツ青春映画といえます。ボクシングが題材だし、こういう映画は妻に合うかなと思っていたのですが、面白かったとのことで良かった、良かった。
おー、お久しぶりです。
元気にやってますか?
天下茶屋ロケですか。なるほど雰囲気出るはずですね。
市原”カブ”はほんま最高でした。
真夏のシーンだそうで、野次馬が映りこまないよう、苦労されてたみたいでした。
私もDVD出てから見てみたいでーす