ひろの東本西走!?

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再起(ディック・フランシス)

2007-10-11 23:03:00 | 15:は行の作家

Saiki1 再起(早川書房)
★★★★:80点

久々のD・フランシスです。全体的には非常に面白く一気読みに近かったのですが、ラストの闘いのシーンにはやや不満を覚えました。その直前、とある人物がシッド・ハレーのアパートを訪ねてきたシーンの驚きとゾゾーっとする恐怖感は素晴らしいと感じたのですが。

2発目の銃弾はどこに消えたのか、身分不相応なブランド物の服、DNA鑑定・・・など、ミステリーとしてなかなか見事な観点・描写もあって、これは楽しめました。なかなか動かない/動けない警察。競馬研究家のパディを利用し、<ザ・パンプ>の記者である旧敵のクリス・ビーチャーを使って(交換条件付きで協力を仰いで)全国に事件の真相を知らせる方法・アイデアは凄かったです。

自らがシッドのかわりに標的にされ傷つくが勇気を忘れない、逆にシッドに勇気を与える恋人・マリーナ。そして、シッドの心の支えとなり協力を惜しまない義父・チャールズの2人が最高に素晴らしい。彼らがシッドに語った言葉にはグッときます。恋人を失いかけたシッドの迷い・恐怖・苦悩がよく描かれていただけに、この言葉が生きました。本作品のポイントはここですね。シッドの別れた妻・ジェニイも良かったです。

******************************* Amazonより *******************************

内容(「BOOK」データベースより)
障害レースの最高峰、チェルトナム・ゴールド・カップが行なわれる当日、元騎手の調査員シッド・ハレーは競馬場を訪れ、建設会社を経営する上院議員ジョニイ・エンストーン卿から仕事を依頼された。持ち馬が八百長に利用されている疑いがあるので、調べてほしいというのだ。彼は調教師のビル・バートンと騎手のヒュー・ウォーカーが怪しいという。ハレーは依頼を引き受けるが、その直後、競馬場の片隅でウォーカーの射殺死体が発見された。この日、ウォーカーとバートンが罵り合っているのを多くの人が目撃していた。そしてウォーカーは前夜、ハレーの留守番電話にメッセージを残していた。レースで八百長をするよう何者かに脅されていたらしく、「言うことをきかなければ殺す」と言われたという。やがてハレーは思わぬ経緯でウォーカーの父親から息子を殺した犯人を突き止めてほしいとの依頼を受ける。さらに知人から、ギャンブル法改正によって発生する不正についての調査も任される。こうしてハレーは三つの依頼を抱えることになった。そんな折、警察はバートンをウォーカー殺害容疑と八百長の疑いで逮捕する。彼は証拠不十分で釈放されるが、やがて事件が起きた。そのバートンが自宅で拳銃自殺をしたというのだ。どうしても彼が自殺したとは思えないハレーは、調査を進めていく。だが、卑劣な敵は、ハレーの最大の弱点である恋人のマリーナに照準を定め、魔手を伸ばしてきた!『大穴』『利腕』『敵手』に続き、不屈の男シッド・ハレー四たび登場!巨匠が六年の沈黙を破って放つ待望の競馬シリーズ最新作。


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