大田氏の的外れな理屈

「こんな沖縄に誰がした」からの抜粋です。




大田氏沖縄は沖縄の人々に帰属するはずのものと述べているがね過去に沖縄が沖縄の人々に帰属したことがある時代があっただろうか。薩摩藩が沖縄を支配した以前の琉球王朝時代でも、人口のわずか約5パーセントの琉球王朝の人間たちに沖縄は帰属していたのであって、沖縄の人々に帰属していたのではない。
一体、沖縄が沖縄の人々に帰属するというのはどのような社会なのだろうか。

そもそも、陸はともかく海空の一部をアメリカ軍が使用したからといって沖縄は不自由を強制されたといえただろうか。戦後間もない頃は旅客機は飛んでいなかったし、旅客機が飛ぶようになると那覇飛行場を使用するようになった。便が増えると那覇空港は拡張して需要に応じたから、不自由はしていない。アメリカ軍が管理している空域のせいで少々遠回りをするくらいで大きな支障はなかった。そして、その空域も日本に返還されるようになった。
港にしてもアメリカ軍が使用する港はアメリカ軍が造ったのであって、沖縄の港を強制的に接収して、沖縄に不自由を強制したわけではない。アメリカ軍の港が沖縄の海運業を妨げたことはなかったはずだ。

日本がハワイを奇襲攻撃してアメリカとの戦争を始めたのが原因で沖縄はアメリカに占領された。そして、ソ連、中国を中心とする社会主義国家圏とアメリカやヨーロッパを中心とする資本主義圏との核戦争を起こすかもしれないような厳しい対立があって、沖縄のアメリカ軍は強化されていった。
沖縄のアメリカ軍基地について考えるときは社会主義国圏と資本主義国圏の対立の世界情勢も考慮しなければならない。「沖縄は、沖縄の人々に帰属する」という単純な発想では不満を言うだけで、沖縄の問題はなにも解決できない。
ソ連が崩壊し、中国が市場経済を導入して、アメリカと貿易をやるようになって中国経済は大きく発展した。そして中国は多くの外資の参加を受け入れるようになったので、以前のような対立危機は緩和されてきたので、アジアのアメリカ軍も削減してきた。大田氏この事実を無視している。

沖縄の歴史は、琉球王朝時代、薩摩の琉球支配、明治時代の中央集権時代、アメリカ民政府時代、日本復帰に分けることができる。それぞれの時代の政治・経済の特徴を分析し、比較するべきだ。太田氏のように今日までずっと物扱いをされ続けたとしてひっくるめてしまうのはおかしい。

復帰後の沖縄は選挙で地方議員から国会議員まで選ぶことができるし、県知事も県民の直接選挙で選ぶ。沖縄は議会制民主主義国家である日本の一員であり、法でも政治でも経済でも特別に差別はされていない。

アメリカ軍の沖縄駐留の問題は国家と地方との意見の違いから生じているのであって、大田氏のいうような他社に利用されたというのではない。日本政府は中国や北朝鮮等の外国の侵略を防ぐためにアメリカ軍の駐留を許している。世界情勢の中の日本と沖縄のあり方としてアメリカ軍基地は考えるべきである。

アジアの全ての国が民主主義国家になり、政治・経済が安定すればアメリカ軍が沖縄に駐留する理由はなくなる。そして、間違いなくその方向に歴史は動いている。



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