県民投票を実施しない市町村長を訴訟しないではない。できないだ

県民投票を実施しない市町村長を訴訟しないではない。できないだ
 普天間飛行場の辺野古移設の賛否を問う県民投票について、池田竹州知事公室長は、市町村長が投票事務を実施しなかった場合に県は県民投票を実施しなかった首長を訴訟する検討はしないとの考えを示した。
 県は条例で県民投票を義務化したにも関わらず県民投票をしない市町村長を訴訟しないというのである。ということは県民投票をするかしないかを決めるの市町村の自由であるということになってしまう。
県民投票条例では市町村が投票するのは義務であるとと明記している。義務に違反すれば懲罰を下すのが当然であるが県は県民投票をしなかった首長を訴訟するか否かの検討さえしないというのである。県条例の義務違反を訴訟対象にしないということは市町村の「義務」と明記した県条例そのものが無効になってしまい、県条例が破綻したに等しい。

池田知事公室長は市町村長が自らの自治体で投票事務を実施しなかった場合の県の対応について、地方自治法では是正要求に加えて不作為の違法確認訴訟の規定があるとしているが、その不作為がどのような内容であるかを説明していない。県民投票を実施しないことが不作為の対象になり地方自治法に違反しているならば県は首長を訴訟の対象にすると宣言し、県民投票をやるように圧力をかけただろう。しかし、訴訟しないという。ということは県民投票を実施しないことが不作為の対象にはならないということである。
もし、県民投票を実施しなかった首長を訴訟すれば、県民投票を実施しなかったことが不作為であるか否かを裁判で争わなければならない。論点は中央政権である県の権利と地方政権である市町村の自治権との争いになる。

県民投票条例では県民投票実施は市町村の義務としたが、県民投票の結果、賛成か反対かのどちらかが有権者の四分の一以上に達した時にデニー知事が安倍首相とトランプ大統領に結果を通知するだけである。それ以上のことはなにもない。現実の辺野古移設になんの影響も与えない県民投票である。
市町村民に政治的にも経済的にもなんの利益もないのが今回の県民投票である。そのような県民投票を義務として市町村民に強制できるのだろうか。県条例で義務化すれば市町村の自治権は失う。それが問われる裁判になる。裁判を避けたいから訴訟はしないのだ。

地方自治法では県民投票をしなかった首長を裁くことはできないはずである。もし裁くとができるとするならば県の独裁権力を認めることになる。日本は地方自治権の強い国であり、国や県が独裁権力にならない法律になっている。
県民投票の市町村への義務化は県の独裁を許す条令になるから地方自治法では許されない条令である。デニー知事、左翼与党が独裁主義であることの一端が露呈したのが県民投票条例である。
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