前原代表、思い悩み、眠れぬ日々をツイッターで告白

前原代表、思い悩み、眠れぬ日々をツイッターで告白 
 民進党を小池百合子東京都知事が率いる希望の党へ合流させることは、事実上の解党になる。希望の党との衆院選候補者調整で前原代表は「思い悩み、眠れぬ日々が続いた。前原代表が6日に17回にわたって連続投稿したツイッターの全文は次の通り(原文のまま)。

1 私がなぜ、今回の政治決断に踏み切ったのか。フォロワーの皆さんには、自分の言葉でお伝えしたく、筆を執ります。長くなりますが、最後までお目通し頂ければ幸いです。

2 民進党の結成は昨年3月。その後、我が党は他の野党との4党共闘を優先する余り、政策的立ち位置が曖昧になってしまいました。「民進党は左傾化し、共産党や社民党との違いが分からなくなった」と指摘される度に、私は忸怩たる思いに、さいなまれました。

3 一つ例を挙げれば、憲法改正です。かつての民主党は、憲法改正についても臆せず議論し、自ら提案していく気概がありました。一方、民進党内では、他党への配慮から改憲論議すらできない雰囲気になりました。離党者が続出した一因です。

4 北朝鮮情勢が緊迫化する中で、現実的かつ建設的な外交・安全保障政策を展開する政党になりきれなかったことも、民進党の支持率低下を招いたと思います。

5 他国との外交関係には、継続性と安定性が求められます。だからこそ、私は先月の代表選で「内政では自民党政権への対立軸を示し、外交安保は現実路線で」と訴え、路線変更を主張しました。

6 個人的な持論を封印し、4党共闘を続ける道もありました。しかし、参院選と違い、衆院選は政権選択の選挙です。理念・政策の異なる党と手を結べば、民進党は主体性を失って単に左傾化しただけ、との印象がさらに強まります。

7 「そんな党にはしたくない」という意見が民進党の議員、党員、サポーターに多かったからこそ、私は代表選で勝たせて頂けたのだと思っています。衆院が解散されることとなり、私は、私に託してくれた仲間の思いを大切にしたいと考えました。

8 一方で、民進党を残したまま小池さんの新党と競合する形になったら、どうなるか。それも考えました。政策的な方向性は同じだけに、衆院選になれば票が分散して自民党を利するだけです。野党が乱立する形は望ましくないとの結論に至りました。

9 安倍総理の意向を忖度した「お友達への優遇」で、政治・行政が歪められました。安倍さんは森友・加計学園の問題について「丁寧に説明する」と言いながら、臨時国会で説明することから逃げました。なのに「お灸を据えたくても選択肢がない」という、あきらめにも似た声を多く聞きました。

10 「選択肢がない」のは、安心して政権を任せられる、もう一つの大きな政党が存在しないからです。安倍さんへの国民的不信が高まっているのに、どの党も、自民党に代わる選択肢になっていない。今回の衆院選で「1強多弱」がさらに定着してしまうかもしれない。

11 そんな状況を打破したい。これが、今回の挑戦の原点です。私は、大きな塊を作る政治のダイナミズムが必要だと思い定めました。小池百合子さんとともに、新たな理念・政策の旗を掲げ、「安倍一強」「一強多弱」の現状を打ち破るために大同団結しようと決意しました。

12 私は、小池さんとともに「希望の党」を大きく育て、自民党に取って代われる政党に成長させます。外交安保で現実路線を歩む保守政党がもう一つあれば、国民の皆さんも安心して、安倍さんにお灸を据えられるのではないでしょうか。

13 私心をかなぐり捨て、邪念を振り払い、考えに考えを重ねて出した結論です。「しがらみ政治」からの脱却を訴える小池さんには、共鳴できる所が多々あります。「日米同盟基軸の現実的な外交安保政策」という重要な点でも考え方は同じです。

14 候補者調整の結果、希望の党への参加を望んだにも関わらず、一緒に行けない人が出てしまったのは極めて残念です。民進党代表として、全員の参加を求めて交渉を続けてきましたが、希望の党側の事情も汲まねばなりませんでした。思い悩み、眠れぬ日々が続きました。

15 無所属で出馬することを選んだ仲間や、枝野さんら立憲民主党の結成に踏み切った皆さんとは、安倍政権を倒すという点で、目指すところは同じです。辻元清美さんが言ったように「左右からの挟み撃ち」で連携できたらと思っています。

16 希望の党が発表した選挙公約には、「All for All」でも掲げた所得の再分配政策など、民進党が目指してきた社会像や理念が反映されました。「原発ゼロ」「隠ぺいゼロ」「受動喫煙ゼロ」といった、小池さんのこだわりも盛り込まれました。

17 明日に希望の持てる社会を作るために、私達は力を合わせます。安倍さんが歪めた政治を正し、希望の持てる政治に蘇らせます。国民の皆さんの願いを叶えるために、私達は精一杯、力を尽くします。希望の党を、どうか応援して下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。(誠)
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前原代表が非自民党・非共産党に徹したから保守・非左翼の新政党ができた

前原代表が非自民党・非共産党に徹したから保守・非左翼の新政党ができた
 希望の党への合流を決めた民進党の前原誠司代表(衆院京都2区)が7日、京都市内で京都新聞社のインタビューに応じた。
 前原代表は希望の党への合流について、
安倍政権の5年間で民進党の勢力の低迷が続いてきた。安全保障関連法反対の野党共闘をして勢力回復を目指したが、民進党の存在感は高まらなかった。
一方、共産党、社民党と共闘したことによって、民進党の左旋回が強まっていった。民進党の保守派は共産党を気にして憲法改正や消費税の問題では発言できなくなっていった。このまま衆院選に突入すれば、壊滅的な状況に陥るという危機感に襲われた。
安倍政権を終わらせるには与野党が1対1の構図をつくる必要があると考え、選択肢として、
1、 野党共闘
2、 選挙区での共産党とのすみ分け
3、 野党再編
の三つを考えた。
しかし、小池百合子東京都知事が代表になって希望の党を設立する動きがあったので考えが変わった。
希望の党と連携すれば前原代表の思いでもある「非自民・非共産」の大きなかたまりをもう一度作ることができる。
それが前原代表が希望の党と合流を決意した理由であった。
前原代表は「非自民、非共産党」の政党を目指したが、小池代表は非共産党に留まらず非左翼に拡大した。旧社会党系のリベラル派が入党できないように安保法制賛成等の入党条件をつけたのだ。前原代表も小池代表の要求を受け入れた。二人の合意で「非自民・非左翼」の保守政党が誕生したのである。

希望は自民党との違いが見えづらいとの質問には、
外交安全保障は現実路線で、大きな違いはないと答えている。しかし、内政では違うところが多いと答え。例えば、民進党で「中福祉・中負担」で社会保障を充実すると主張してきたが、そのことについては小池代表も賛同したという。また、財源については民進党は消費増税分を想定していたが、安倍政権の経済政策の路線で増税すると格差を広げることになるので、希望が公約にしている増税凍結は理解できると答えている。

前原代表の「非自民・非共産党」へのこだわりと小池代表による希望の党設立によって日本政治史上初の「非自民・非左翼」の保守政党が誕生したのである。
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